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対決!? 正義のヒーローシャインレッド!! ③

 首領の頭をなでつつあやしていると足音が聞こえ不意にそちらを振り向く。

緊張のせいか身体が強張ってしまう。

こちらの緊張を感じ取ったのか首領も泣き止み足音のほうへと目を向ける。

赤いヒーロースーツに身をまとい顔はヘルメットにより隠れていた。

戦隊ヒーローシャインレッドがこの場に現れたのだ。


 一歩一歩シャインレッドがこちらに歩み寄る。

こちらも、シャインレッドに向かって詰め寄っていく。

首領はその場でおたおたしていた。

そうして二人の距離がなくなり手の届く位置まで近づいた。


「あ、本日はどうも御足労頂きありがとうございます! 今日はよろしくお願いします!」

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いしますポラルミスさん。今日はいい対決にしましょう」


 そう言いながらお互いにペコペコと頭を下げ始める。

その様子を見ていた首領は意味が分からないといった感じでこちらを見つめていた。

お互いに今日の対決の取り決めを話し合いそれが終わると距離を取り始める。


「ね、ねぇ、只野……これ大丈夫なの?」

「……」

「ねぇ! 只野なんで無言なの? 私すごい不安なんですけど!」


 首領の泣き言の後に一拍おき、シャインレッドがポーズを取り始めながら吠え始めた。

シャインレッドの背中が徐々に赤く輝き、後光が差し始める。


「ポラルミス! 貴様らの悪事はこのシャインレッドが許さない!」

「ゲへへへ…! シャインレッド現れたな! 今日こそ貴様がポラルミスに敗北する記念すべき日となるのだ!」

「人々の心に輝きがある限り、シャインレンジャーは悪には屈さない! 覚悟しろポラルミス!」


 お互いに前口上を言い終わると只野はシャインレッドに向かって駆けだし始める。

シャインレッドはその場から動かず胸を張り仁王立ちをしていた。

心なしかシャインレッドの胸の装飾に光が集約されている気がする。


――――まずっ……!!


「シャインブレイザーーーー!!!!」


 シャインレッドの胸から極太の赤いビームが放たれる。

公園に生えている木がビームの勢いで葉を落とし、その葉がビームに触れた瞬間、一瞬で蒸発してしまう。


 その様子を只野は呆然と眺めて居た。

あの時、胸の光に気付き慌てて横に飛びのいたのだ。

そのおかげでかろうじて躱すことができたが、ビームの威力に圧倒され戦意はとっくになくなっていた。


「おぉ~~、あれを躱すなんてさすがですね! 次の技はもっとすごいですよ~~」

「まいりました」


 次の技が来る前にいそいで戦意喪失の意思を告げる。

シャインレッドはその発言に不思議そうにしている。

 こんな一撃必殺みたいな技を軽々と撃ってくる奴に勝てるわけないだろが!

そもそも、自分は怪人を名乗ってはいるが人間と身体能力も一緒なのだ。


 こうして、ヒーローと悪の組織の対決は何とも締まらない終わり方をしたのだった。

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