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11/14

突然!? 魔法少女!! ①

ある日の午後、怪人只野真人は今晩の夕飯のもやしを買い行くために外に出かけていた。

 もやしは貧乏人にはありがたい食品だ。

調理方法の幅の広さもあるが、値段がほかの食品よりも圧倒的に安いのだ。

だが、最近はもやしが出てくると首領がいい顔をしないので調理方法を工夫する必要があった。

 今日はもやしで何を作ろうかな?


 ――――見つけたデス!!


 急な大声に驚きつい後ろを振り向いてしまう。

後ろを向くと女の子がこちらを見つめながら活き込んでいた。

年齢は首領と同じかちょっと年上ぐらいだろうか?

 大声のせいで後ろを振り向いてしまったがたぶん自分の事ではないから無視して先へ急ごう。

周りには自分と彼女以外はいないがきっと別の人だろう。


「ちょ、ちょっと待ちなさいそこの怪人! あなたが人間に化けていることは知っているんデス! おとなしくしなさい!」


 へぇー、怪人が人間に化けるとかこわいなぁー。

自分は人間に化けてなくて、もともとがこの姿だからきっと人違いだな!


「くっ! あくまで白を切るつもりデスね! この魔法少女ピュアアクアがいる限りあなたたち怪人の好きにはさせないデス! チェーンジ! ピュアアクア!」


 そういうと青い光が後ろから発生し、後ろを振り向くと青い光の柱が少女を包み込んでいた。

その青い光の中で少女に姿が徐々にシルエット状になり光が止むころには一般的な魔法少女にそっくりな格好になっていた。


 さて、目の前で変身したということはこの後の展開もなんとなくわかる。

見た目は子供でも魔法少女なのだから強さはヒーローのそれと一緒である。

極太のレーザーか謎の魔法で塵も残らず消滅させられる自分の姿が容易に想像できる。


「死になさい! ピュアフラー――……」


 明らかに今から大技を出すぞと言わんばかりに手に持っている杖を構え始める。

前回の公園と違い、今いるのは歩道で狭いせいで大技を躱しづらい。

というか、なぜどこのヒーローや魔法少女も一発目に大技を出すのだ! 怪人も生きているんですよ!?

 魔法少女の持っている杖に光が集約されて今にも放たれようとしている。

もうだめかと思ったとき思いがけない人から声がかかった。


「……? 店員さん?」

「ピンクさん!?」


 今ここに女ヒーローと魔法少女と怪人の三人が集ってしまった。

両手に花かもしれないが両方が食虫植物通り越して食人にまで戦闘力振り切れてしまっているので全くうれしくない。

 前門の魔法少女、後門ヒーロという新しい言葉が只野の中で生まれたのであった。

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