【番外編SS】オンライン飲み【AI妖精と行くゆるり異世界旅】
メインで書かせていただいている小説『AI妖精と行くゆるり異世界旅 ~私には最強サポートがいるので楽しみつつ魔王でも目指してみます~』の短編です。
※主人公が異世界に行く前の物語です。
主人公以外のメンバーは本編には出てきません。
本編が気になる方は是非読んでみてください!!!
↓本編はこちら↓
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「「「メリークリスマス! そしてカンパ~イ!!!」」」
私のギルド「アーセナル」ではクリスマスに独身限定のオンライン飲み会が開かれる。
今日はその日である。
例年、9時頃に仕事から帰ってきてログインする。
そのままゲームのボイスチャット機能を使って、キャラの育成方針とか、好きなアニメについて喋りながらお酒やジュースで乾杯するのだ。
メンバーは、斧使いで団長のディオ♂、杖もち魔法使いの♀ティノちゃん、短剣と大盾もち聖騎士のリョウくん♂、そして私の4人である。
プシュッ!
誰かが缶ビールを開ける心地よい音がヘッドホンから聞こえてくる。
それを聞いた私は思わずツッコミを入れてしまった。
「だんちょーペース早っ! さっき乾杯したばっかりだよ!?」
ビールを開けた主が言い訳を口にする。
「いやー、喉乾いてたし、こんなちっさい缶なんて一気飲みしちゃうよね」
缶ビールを開けたのは我らがギルドの団長だった。
「あーそういえば団長って、巨人族なんでしたっけ?」
団長の言い訳にすかさず切り返したのはティノちゃんだった。
「ちがうから! でかいだけだって!」
「何センチあるんですか?」
普段は割と静かなリョウくんも、団長の身長が気になるようだった。
「190」
プシュッ!
身長を答えながらさり気なく次の一本を開ける団長。
「「「また開けてる!!」」」
「本当にペース早いですね」
「じつはミニ缶だったりして。あの100円で売ってるやつ」
「なにそれかわいいじゃん!」
「あの顔でそれ飲んでたら、笑っちゃいますね。あはは!」
「はっはっは。ところで皆は何を飲んでいるのかね?」
もちろん私はワイン一択。
3年前に友人とワイナリー巡りをしてからは、ワインが大好きになっていたからだ。
「ワイーン!」
「僕は酎ハイです」
「私はコーラ!」
「団長はビールだろうけど、サイズは?」
プシュッ!
「ロング缶」
「「「でか!!!」」」
ロング缶という言葉を聞いた皆の心は一つだった。
(((やっぱり巨人じゃん!!!!!)))