ファミレスの帰り
「お〜いっ!…お二人さん…お話…盛り上がってる所悪いんだが…そろそろ家に帰らなくても大丈夫か?」
田所さんとオレンジ色の真夏……略して…オレ夏のトークを繰り広げてた頃…真也から声が掛かってきた…
「あっ……私とした事が…時間を忘れて…もう18時を回ろうとしてるじゃありませんか!?」
真也の声が掛かった為…一旦話を中断して…自分の腕時計を見た田所さんが言った…
「今日はもう…お開きだね〜」
俺達はレジで…お会計を済ませた後、店を出る…
真也が言うには…彼女ができたとして…彼女とファミレスに来た時…お会計の際は彼氏が自分の代金を支払うのはもちろん… 彼女の代金の分も少し支払うのが彼氏の務めというものらしい…… お会計の時に真也に耳元で言われた…
因みに俺達4人共がまだバイトをしていない為…まだ親のお金しか無い… 親のお金で友達の分の代金を支払うのは無理がある為…今回は4人できっちり…割り勘をした…
それと真也が言うには…本当は…こういう女友達と遊びに来てる時でも…女友達の分も少し出してあげると良いらしい…
真矢には悪いが…やはりめんどくさいと思ってしまった…
彼女もやはり絶対作らないでおこうと決めた……
だって真也の話から察するに…せっかく自分が苦労して稼いだバイトのお給料を…彼女の食べた分まで少し出さないと行けない…つまり…本来なら…300円で済まされる所を…彼女と来たら…450円くらい出さないと行けないと言う事だ…
何て無駄な事をしているのかと思わないのだろうか? その癖…彼女は本来…300円出さないと行けない所を彼氏と来たら…150円くらいで済まされる…
彼女は何てお得なんだ…… 俺…今から女になろうかな…
「楽しかったね〜 今日は!!」
「あぁ…俺も楽しかったぜ!! またこのメンツで今度は晩ご飯とか食べに行くのも良いかも知れないな!!」
「西谷君……!! また…学校でもオレ夏のお話をしましょうね!!」
「…えっ… あ…あぁ…」
いけないいけない… つい…自分の考えに浸りすぎてた… 今は…こっちだ…!
「モモは確か俺と帰る方向……同じだったよな? 暗いし…家まで送るわ…」
「では….お言葉に甘えて……ありがとうございます…キッシー 結衣…西谷君…私達は帰る方向がこちらなので…ここで失礼しますね…」
どうやら…真也と田所さんは俺達と帰る方向が真逆らしい……
ファミレスの店の前で真也と田所さんと別れた…
「私達も…帰ろうか…」
「そうだな…」
俺と結衣は家に向かって…足を進めていく……
「今日は…随分と楽しそうだったね…?」
「まぁな…まさか田所さんと趣味があうとは思わなかった…ファミレスに行って良かったわ」
オレ夏についてここまで語れたのは……実際…田所さんが初めてかも知れない……
「最初…ファミレスに行くのを断ってたのは…どこの誰でしたっけ?」
結衣がニヤニヤしながら…聞いてきた……
… グッ……!! 実際…最初は断ってたしな…… それを言われると……ツライ…!!
「フフフッ…!! いつも1人でいるのも良いかも知れないけど…こうやって…ファミレスでクラスの人と話すのも…良いでしょ?」
「だな… 趣味があう人と話すのは…楽しくて良いかも知れない……」
実際…楽しかったし…
「でしょ? もし…蓮ちゃんが今日、ファミレスに行かなかったら…モモちゃんとアニメのお話……できなかったよ?」
「そうだな……こうやって…趣味が同じ人と…出会うもんなんだな……」
「そうだよ〜 今日は…モモちゃんとお話できてよかったでしょう? ひょっとしたら…同じクラスの人で蓮ちゃんと同じ趣味を持ってる人が……いるかも知れないよ?」
本当…そうなんだよな……大体…今の高校に入れたのも……結衣が勉強を教えてくれたおかげなんだよな…
真也と友達になれたのも……田所さんと話ができたのも………結衣が居てくれたからで……
「そうだな…居るかも知れないな……何か…俺……いつも結衣に色々と教えて貰ってるな…」
「急にどうしたの? 私で良ければ…何でも教えるよ?」
笑顔を向けてくる結衣に…俺は言う……
「いつもありがとな……結衣…ホント…優しい幼馴染を俺は持ったよ…」
「ホントにどうしたの? いいよ…別に……こちらこそ…いつもありがとね!!」
そう言う…結衣の頬は……少し…赤くなっていた……
いつもは…あまりお礼を言わない俺が……面と向かって結衣に、お礼を言ったから少し照れてるのだろう……
こうして…俺と結衣は家に着いた……
「じゃあな 結衣〜」
「またね〜 蓮ちゃん」
— 誰にでも優しい訳じゃないよ…—
「え?」
俺が家の扉を閉める寸前で…何か……声が聞こえた感じがするので扉を開けて外を見るが…周りを見回しても誰も居ないので気のせいだと思う事にする……
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