ファミレス
「お二人は何を後ろの方でお話されてるんですか?」
俺はさっき友達になった真也と話をしていると…田所さんが俺達が何を話してるのか気になったのか….そんな事を前からこっちに向いてきて聞いてきた…
「別にたわいも無い会話だよ… なっ?蓮!」
「あぁ」
俺も真也に合わせる…
「え…? 何…キッシー…蓮ちゃんの事呼び捨てにして… 2人ってそんなに仲良かったの?」
真也の俺に対する呼び名が変わってるのが気になったのだろう……結衣も会話に参戦してきた……
「あぁ…俺と蓮はたった今…仲の良い友達になった!!」
真也は嬉しそうに俺の肩に手を叩く
「何それ? ものすごく気になるんだけど…? まぁ…良いや!! もうすぐお店に着くから…その時に何があったのか聞かせてね?」
結衣は俺と真也との関係によほど興味があるらしく…早歩きでファミレスへと向かっていった…
ファミレスに着くと俺達は…適当にメニューを選び店員さんに注文する……今は頼んだ品が来るまで待っている所だ…… 因みに席は俺が田所さんと向かい合う形で… 真也は結衣と向かい合う形で座っている……
「それでそれで? 2人はいつからそう言う仲になってるの?」
「おい…結衣….そう言う仲って…何か俺と真也が男同士で恋愛してる見たいに聞こえるから…その表現やめろ」
「あ〜っ!! 蓮ちゃんまでキッシーの事…真也って呼んじゃったりして!! 何なの!? 何があったの?」
「まぁまぁ…結衣ちゃん… 俺達…友達にならないか?ってなって…そこから了承して友達になっただけだ…… これで納得だろ?」
「全然…納得できないんですけど…!! むしろ気になり過ぎちゃってるんですけど!! もうっ!! どうして友達にならないか?ってなったの? そこまでの事を話してよ!!」
「まぁまぁ…結衣ちゃん… 今日の俺達の目的は…モモと蓮にお互いを知って貰う為に来たんだろ? だから…この話は終わりにしよう」
「むぅ〜!! 私はキッシーと蓮ちゃんの方が気になるんだけどな〜 ねぇ? モモちゃんもそう思わない?」
結衣は結衣の隣に座っている…田所さんにそう問いかける…
「まぁ…確かに今までお二人が教室でお話をしてる所をあまり見た事が無いのに今日いきなり…下の名前で呼び合ってる所は気にはなりますが……男同士の友情って……気が付いたら勝手に……って言う所はよくあるんじゃ無いですか?」
「モモちゃん何で気にならないの〜?」
淡々と話す田所さんに結衣は参ってしまってるようだ……
これは今日帰ったら……結衣が俺の家まで押し掛けてきて……質問責めにあうパターンだな……
そこからしばらくすると……店員さんが俺達が頼んだ品を持ってきた…
ポテトとパフェだ… ポテトは俺と真也が分けて食す事になってて…パフェは結衣と田所さんが分けて食す事になってる……
「まぁ…せっかくこうして集まったし…頼んだ品もある程度食した所で……2人で自己紹介とかしたらどう?」
4人で頼んだメニューを食していると…真也がそんな事を言って来た…
「そうだな…自己紹介するか…」
「えぇ….そうですね…しましょう」
「…………」
「…………」
「いや…….蓮!! そこはやっぱり男から行かないとダメだろ?」
真也が俺の隣でツッコミを入れて来た…
「そうなのか?」
「そうだよ? 蓮ちゃん 女の子は男の子にリードして貰いたいもんだよ?」
結衣にも言われた….真也と結衣が言うんならそれは間違い無いのだろう…
「そうなのか…じゃ…」
「………」
「え〜 俺の名前は西谷蓮也です…15歳です…身長は….この間の健康診断では…163㎝だと言われました…よろしく」
「はい…よろしくお願いします 私の名前は田所桃香です… 同じく15歳です 身長は私は体が小さい事が自分のコンプレックスなので言いません…よろしくお願いします」
「はい よろしく…」
「よろしくお願いします…」
「………」
「………」
「蓮…! 会話が止まってるから何か話題話題!!」
真也がまた隣でツッコミを入れてくれる…
正直…こういう事は初めてなので…こうして話が止まる事に真也や結衣からツッコミを入れてくれるのはありがたい……
それよりも話題だな…じゃ〜 これはどうだろうか?
「じゃ〜 そうだな…ご趣味は何ですか?」
「「ぷっ…!! くくくっ…!!」」
俺と桃香のやり取りを見てた真也と結衣がおかしそうに笑う… 何かおかしい事でもあっただろうか?
「何だよ?」
「いや……ご趣味は何ですか?って……くくっ!! 蓮….お前合コンに来てるんじゃ無いだから!!」
「うるさいな〜 仕方ないだろ? 俺もこう言う事は初めてなんだから……」
実際…俺は家族以外の異性と話すのも幼馴染の結衣を除けば初めてかも知れないのに……そんな状態でいきなりクラスの女子とは言え…… ファミレスで自分から話題を出せって言われるのも難しい話だろ…特にいつも1人なやつが…
「蓮ちゃん…自分から話題出すの苦手だもんね…」
ここで結衣が俺を助けてくれる…
「趣味くらいなら私にもありますよ?」
田所さんも乗ってきてくれた…!!
「私の趣味はアニメを見る事です」
何? アニメ? アニメなら俺も良く見るんだが…
「俺も良くアニメ見るんだが…何のアニメを見るんだ?」
「ホントですか? 私はオレンジ色の真夏と言うアニメをよく見ています」
「あっ! 見てるのも同じだ!! オレ夏だろ!? めっちゃよく見てる!!」
「本当ですか!? じゃぁ…あそこのシーンは見ましたか? 主人公が最後にヒロインに会いに行って…抱きしめるシーン……あのシーン私……大好きなんですよね〜!!」
「わかるわかる!! あのシーンだろ? 主人公が最後の最後でヒロインへの想いに気付いて…主人公がヒロインを追いかけて行くんだよな〜!!」
「さっすが西谷さん!! まさか同じクラスにオレ夏について…語れる日が来るとは思ってませんでした…!! 感激です!!」
「それは俺もだ… !! まさかオレ夏について語れるなんてな!」
「西谷さん…貴方とは委員会でも良い仕事ができそうです…!!」
「それは俺も思った!! 田所さんとは委員会でも良い仕事が出来そうな気がする…!!」
(何か…私達には全然わからないお話になっちゃったね?) コショコショ
(そうだな…でも…何か良かったよ…蓮とモモが気があった見たいで…)
俺と田所さんのオレ夏についてのトークは続く…真也と結衣がいるのを忘れるくらいには……
皆様、コロナにはお気をつけ下さい