先輩紹介が主人公のプロローグ
俺は3年の教室に来ていた。本当なら来たくはなかったが
「ちゃんと来てくれたようね」
「せめて他の場所にしてくれませんか。これじゃ誤解される。」
「別にいいじゃない。お互いが分かっていれば周りの意見なんてどうでもいいのよ。それとも誤解された方が面白い?」
「勘弁してください。...これ、例のやつです」
俺の手には1冊の本が握られている
「ご苦労様♪。」
先輩は上機嫌でその本を受け取り、満面の笑みを浮かべている。
「こんなのの何がいいんだか」
「君だって、一応生業にしてるんだから分かるでしょ。新人声優君」
「お願いですから、それは黙っててください。」
紹介が遅れた。この人は「鳥岡 紫音」先輩。1個上の3年生で俺が声優であることを知っている数少ない人物であり、黒髪ロングで美人といっても遜色ない容姿をしているが、声優オタクでBLにしか興味がない残念な人だ。
「残念で悪かったわね」
そう言うと、俺の頭を渡したBL本で叩いてきた。
「先生といい、何で貴女たちは俺の考えてることが分かるんですか」
「顔で大体何を言ってるか分かるのよ、それに私が声優オタクでBL好きっていうのを知ってるのも君ぐらいなんだから、私は正真正銘のミステリアス美少女よ」
「はぁ。とにかくとにかく渡したんで、これで失礼します」
「またよろしくお願いするわね」
...ちなみに俺がなぜBL本を持っているかはあまり追求しないでほしい。
”””運命に出会うまであと2日”””
あと1人