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習作  作者: 銀田銀太
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さっちゃん

その女の子は、昭和16年2月26日に佐賀市で生まれた。家は貧乏で六畳、四畳半と土間があるだけの長屋暮らし。父の又六は腕のいい大工だが見栄っ張りで稼ぎをほとんど雇った人に与えてしまい、自分の取り分は雀の涙となってしまう。母の春江はその少ない稼ぎを遣り繰りして生活していた。他には5歳年上の姉道子と祖母が一緒に暮らしていた。

次女ということもあり、特段騒がれることもなく、特別可愛がられることもなく普通に育って行くと思われたが……

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