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魔法嫌いの大学生の小レポート
「日本の国土は約38万キロメートル平米、魔法の世界の広大な夢のように土地が広がる世界とは合わないと思うよ。国土自体が狭いし、平野が少なく、山地が多い。」
「しかも、名だたる平野にはもうすでに町が広がっていて、人が住んでいるし、マツモトキヨシやセブンなどが軒を競っている。みんなのお父さん、お母さんが働いている仕事場だってある。」
ここまで、書いたところで、裕太はコーヒーを飲んだ。ミッキー・マウスの絵がプリントされたカップだ。裕太は早稲田大学の講義で演習が予定されている授業の発表に使うエッセイの小レポートを書いていた。「コーヒーが美味しいや」熱いお湯で作ったインスタントコーヒーは確かに裕太の鼻をくすぐり、裕太は満足して、筆をおいた。
お休みなさい。今日はここまで。裕太は自分の部屋に戻り、枕に頭をバスンとのせ、明日の昼からの講義に備え、眠りに就いた。