殺していいのは殺される覚悟のある奴だけだ!
夕飯を作り終えたくらいに弟の堅護が二階から降りてきた。
もしゲームにかまけて食事をおろそかにするようならお姉ちゃん怒る必要があったんだけど、どうやらその心配はないみたいだ。
「姉ちゃん! 大丈夫だった!!?」
堅護は降りてくるなり真っ先に私を心配してくれる。
しかしはて? 心配されるようなことあったっけ?
「大丈夫とは? 何かあったんですか?」
「知らないの!? 姉ちゃん魔族プレイヤーになったんだよね!!?」
「はい、送ったメールにも書いた通り、私はあなたたち共通の敵になろうと思って魔族になりました。ちなみに人形です」
「に、人形!!? それは大変だ!!」
「さっきからそんなに慌ててどうしたんですか? 男の子はもっと堂々としていた方がモテますよ」
「そ、そう? じゃなくて!! 大変なんだよ! 今人族の一部が魔族プレイヤー討伐に向けてエリアをさまよい歩いているんだ」
「おや? それはまたどうして? 人族プレイヤーと魔族プレイヤーは基本的にイベント時以外は対立しないんじゃなかったのですか?」
「それがさ、β時代に魔族だった奴が最初期の魔族は弱い上にプレイヤーだから経験値が大量に稼げるって掲示板で発言したみたいでさ、それで魔族プレイヤー狩りが流行ったんだ!」
「あぁ、そうでしたか」
えらく見つけた人族の人が襲いかかってくるなと思ってたけどそういう理由があったんだ。
当然のように全部返り討ちにしたから逆に経験値とアイテムいっぱい手に入って嬉しかったですまた来てください。
「それで姉ちゃん人形族だろ!? 確かβ時は人形族はフィールドがスタート地点、つまり安全地帯じゃないんだ。で、もしかしたら襲われたんじゃないかって心配してたんだ」
「そのことなら、大丈夫ですよ。お姉ちゃんこう見えても強いからね」
「そ、そう? まあそのくらいじゃないと俺も倒し甲斐がないから困るけど、とにかく! 気をつけてよ」
「はいはい。そろそろご飯ができるので手を洗ってきてくださいね〜」
ああやってそっけない態度みたいなのを装っているけど心配してくれているのがバレバレだよ。
それがこの子の姉としては結構嬉しかったり。
私は今日は明日作らなくてもいいようにとカレーにしておいた。
今日の夕飯と明日の昼夜はカレーだ。
私は炊飯器のご飯を大盛りにして皿にのせてその上からカレーをかける。
鼻孔をつく匂いがとっても香ばしい。
そしてもう1つの皿には普通くらいに盛ってカレーをかけた。
大盛りが私の、通常のが堅護のだ。
堅護は男の子だから私以上に食べないといけないって思うんだが、自分の量が適正だって言って聞かない。
堅護は手を洗い終わり席に着いた。私は彼の前にカレーとサラダの皿を置いてスプーンを設置する。
そしてその向かい側に自分の分も。
「「いただきます」」
「それで今日はどうでした? メール、読んでくれましたか?」
「あ!! そうだ姉ちゃんあれどういうことだよ。栞さんもかなり混乱してたぞ!! というか2時間人を待たせてあの内容ってどうなんだよ!」
「メールの通りです。お姉ちゃんは今回あなたたちの共通の敵として立ちはだかりますので、それを2人で力を合わせて倒しにきてください。それと、2時間待たせたことに悪意はありません。あれは事故なのです」
「それに何の意味が?」
「いいですか堅護。人と人とが仲良くなるのに一番手っ取り早いのが共通の話題や目的を持つことです。私を倒すための作戦会議〜なんて感じに2人っきりでお話なんかしちゃったりもするでしょう」
「な、なな、、、俺は別にそんな」
「いいんですよ。お姉ちゃんには全部お見通しなんですから隠したり見栄張ったりしなくて」
「う、うん。ごめん、ありがとう」
堅護はうつむきながらスプーンを口に突っ込んで赤い顔を隠す。
堅護は我が弟ながらかなり純情なのだ。こういった動作は私の目には可愛く見えるのだったりする。
「あ、でも問答無用で切りかかってこられたら真剣味が足りないですし、そうですね。イベント時は魔族と人族が敵対するらしいですし、その時限定にしましょう。それ以外では私たちは普通にお仲間です」
「あ、うん。てっきり姉ちゃんソロでやるのかと思ってた」
「あれ? 堅護はお姉ちゃんに1人寂しく遊んでいろって言うんですか? 酷い弟です。シクシク……」
「ああー!! わかってるから、そんなに露骨に悲しまないでよ。誘ったのは俺だし一緒にプレイもするから!!」
「まぁ半分は冗談です。お姉ちゃんはたまに遊んでくれるくらいで大丈夫ですんで、栞ちゃんと仲良くしてあげてください」
「う、うん。そ、それより魔族プレイヤー狩りの話なんだけどさ!!」
おや? 今話をそらしたね。あとついでに顔もそらした。
これは先は長そうだ。
堅護が好意を持っているのはいいのだけど肝心のお相手、栞ちゃんが堅護のことを全く意識していない。
現状彼女からの堅護の評価は「私の弟」くらいにしか思われていないようだ。
これでは他人に毛が生えた程度ではないか。かといって、私から直接的なアプローチは堅護のためにならない。
そんなこんなで会話に花を咲かせながら私たちはカレーを食べた。
やはり共通の話題があることはいいことだ。会話が弾んで楽しい。
この調子で栞ちゃんとの会話も弾ませてほしいものだ。
「さて、食事も終わったしログインするかな」
「私も家事が終わったらログインしますかね? 明日はお休みなので少しだけならお寝坊しても許されそうです。あ、でも一度はログアウトしてからお風呂に入ってくださいよ。身だしなみをちゃんとしないと女の子に幻滅されちゃいますよ」
「お、おう。わかってるって!」
堅護はドタドタと階段を上っていった。
ふふっ、よっぽど楽しかったみたいだ。彼の足音を聞けば早くインしたいというのは嫌という程わかる。
「さて、私も早く家事を済ませてインしないと、協力が必要ないタイプのボスキャラにはなりたくありませんからね」
まずは皿洗い。
カレーに使った皿は念入りに。
そして風呂掃除――――って堅護は自分の仕事を忘れてる!?
「……仕方ありません。今日だけはお姉ちゃんがやってあげることにしましょう。今日だけですからね?」
私は浴槽を掃除してから風呂の栓をして壁に埋め込まれた操作盤の「風呂自動」を押した。
これでよしっと。
あとはログアウト時に取り込んでおいた洗濯物をたたんで仕分けして〜〜〜〜みたいな感じで残っている家事を次々と終わらせていく。
そして食事が終わって1時間経ったくらいだろうか? やらなければいけないことはやり終えた。
そこから私は一度入浴を済ませてから部屋に戻って再びゲームの世界にログインした。
「さて、ボスっぽくなるために強くなりますかね」
ログインするとそこはログアウト時となんら変わらない森の中だ。
セーフティエリアのためここでログアウトしても魔物や人族に狩られたりすることはない。
私は自分の状態が変わっていないことを確認してからセーフティエリアから出て森抜けを再開した。
その途中の出来事であった。
ガサガサとこちらに向けて何かが近づいてくる気配がする。
「魔物〜の音じゃありませんね。ということは人形狩りにきた人族プレイヤーですか」
堅護曰く、私のいる森は1つの狩場になっているらしい。
その理由は人形族の新規プレイヤーがここに湧くからなんだと。さらにそのプレイヤーが死んだ場合もこの森のどこかでリスポーンだかららしいのだ。
私も経験した通り人形型は部位欠損のバッドステータスが存在する。
そしてそれは死んでリスポーンしても無くなることはない。失ったものは回復を使うまでそのままだ。
そしてその状態では戦闘力が大幅に減少する。
ステータス的な意味合いではなく、使い手側の問題だ。
かくいう私も四肢のどれかがない状態で剣神級と戦えと言われるとかなり苦戦するし失われている部位如何によっては敗北までありえる。
それらの要因、人形が弱くこの森で湧き続けプレイヤーなので経験値が美味しい上スキルレベルも上がりやすいというのが重なったせいでこの森は人形狩りの場になっているのだ。
堅護に教えてもらったことを確認しているうちにも気配は小走り程度のスピードでこちらに近づいてくる。
そしてそれはついに私の目の前に現れた。
「ひっ、前にも!!?」
「あ、初めてお仲間さんを見ました」
現れたのは人族ではなく人形の人だった。左腕の肘から先が壊れているので簡単に判別ができた。
「人族じゃない!?」
「あ、はじめまして。人形です」
「っと、落ち着いている場合じゃない!あいつらが追ってきてるから一緒に逃げよう!!」
「あいつら?」
「人族ですよ!!」
「ああ、でも森の出口あっちですよね?」
「それはそうだけど死んだら意味がないから!」
「ははっ、おいおいもう一体いたぜお前ら!!」
「まじかよ。2体同時は珍しいな!」
「ひっ、もうここまで追って……」
人形は女性の方だった。彼女は泣きそうになりながら小さく悲鳴をあげる。
追われている――――というだけではないだろう。
多分だけどもう既に何度か狩られた後と予測できる。
それにしても……この人、私より綺麗な肌してる? あぁいや変な意味ではなくゲーム的な話。
私の肌はボロボロでビビ割れがいくつもあるのに目の前の女性はあんましだ。
素材が違うのかな?
年数以外に2つルーレット回させられたし、それが関係しているのかも?
「うわああああっ、また追いつかれた。もう嫌、いつになったらここを出られるの?」
「へへっ、おとなしく俺たちの経験値になりやがれ」
「うわぁ、初めの方はそういうRPと思ってスルーしてましたけど、弟が内情を話してくれてからすごい嫌な人にしか見えなくなりましたね」
「さぁ観念して俺たちの剣の錆になりな!」
「お断りします」
私は我先に獲物をと突出してきた男の首を刎ねた。
今の私は多くの人族を倒してそれなりにステータスが高くなっている。
そのため首などの急所に一撃入れればそれだけで確定一撃だ。
「えっ、」
「なっ、なんd――――」
「2人目です」
「おいっ、」
「学習しませんね。3人目です」
味方が死ねば動揺して、その同様の隙を突かれて殺され、それを見た別の方が動揺して、切られて。
そんなことがあり一瞬で私の目の前から3人の男が消えた。
悪いですけどこの人たちも兵士級程度の技量しかありません。むしろそれより低技量ですね。
「何人ですか?」
「えっ、ええ? 何人!!?」
「ですから、あなたを追いかけてきたのは何人いましたか? わかったら教えてください」
「ご、ごめんなさい。わからないけど、いっぱい」
「ふむ、聞いてた話通り酷いですね。これは森を出る前にお仲間さんのために人族狩りを始めた方がいいかもしれません」
――――ヒュン。
風切り音、それとともに飛来する一つの矢。それはまっすぐ私を狙っていたため体をそらして避ける。
すると立て続けに次の1射が投じられる。
今度は私の後ろで事の成り行きを見守っている人形の女性だ。
これを通して死なれては可哀想だ。
仕方ないので切り落とした。
「方向はあちらですね。ですがどうしましょう? 変に突っ込んだら後ろの方を守りきれる気がしませんし、かといってこのまま相手の攻撃を受け続けるのを待つのも癪です。……矢の本数に限りはあるのでしょうか? 多分ありそうですけど」
しかしそれではどれだけ時間がかかるかわからない。
その間に戦闘音を聞きつけて別の弓持ちがきたら振り出しに戻る……か。
それなら弓持ちの位置は射線で大体わかっているから後ろの彼女だけ木を盾にして身を守ってもらって私は突撃……これで行こうかな。
「そこの人、できればえ〜っと、あの木の裏に隠れて置いてください。その場所は矢が飛んできにくいはずですので」
「は、はい!」
さて、これで良しですね。
第二陣的な何かが到着しましたし、私は戦いに専念することにしましょう。
「あれ? 追ってたのと違うやつだぞこいつ」
「本当だ。いつの間に入れ替わったんだ」
「あっ、弓兵が木を射った。どうやらあそこに一体いるみたいだぞ」
「じゃあ目の前のやつも木の裏にいるやつもささっとぶっ倒すとするかね」
自分が数的に有利だから、相手が人形で欠点を抱えているから、そんな思いからか敵は負けるということを一切考えていなかった。
だが、それは私もだ。
見えている敵の技量は大体全員兵士級、1人騎士級がいる程度だ。
この程度物の数ではない。
私は私を仕留めようと襲いかかってくる野蛮人たちの首を最速で狙い続ける。
「ぐああっ、、」
「ま、また!? なんだよこいつ!! あぐっ」
「避けられないでしょう? この一撃、剣神が反応すらできずに首を落とされる私の全力ですからね」
そう簡単に対処できてしまっては困る。だが相手も私の攻撃が急所に、それも主に首に集中していることには気づいたみたいだ。
攻撃をしない時は首を中心に守っている。
「受けようと必死な相手は後回しです」
だが防御に回る人間がいるならその分数の有利というものを捨て去る――――実際に戦闘に参加している人数が減るわけで。
その隙をついて別の相手を切り伏せればいいだけの話だ。
時折私に向かって矢が飛んでくるけど、敵の方向がわかっている攻撃かつ直線運動しかしない矢には当たらない。
魔法もまた然りだ。
「すごい……」
戦いが始まってからはまさしく一方的だった。
近づいたものの中から隙が大きいものから順番に首に一撃をもらい即死する。
一刀一殺。私の剣が振るわれれば確実にその数だけ敵が減る。
また、相手は連携というものは全く取れてない烏合の衆だ。
動揺が簡単に伝播して動きと判断が鈍っている。
「さて、近接はあとあなただけですかね?」
「くそっなんだよこの化け物は!!」
「化け物とは、心外です。と言いたいところですが化け物ですか。ボスっぽくていいですね」
私は最後の近接使いとの距離を詰める。
最後までしぶとく生き残っていた彼は騎士級の実力は持っているだろうと思われた。
だが、それでもまだ私の敵たり得ない。他の奴らと同じくらいあっけなくその男は命を散らした。
それを確認すると同時に私は森の中に飛び込む。
狙いは間接攻撃を行う者の討伐。
私が接近してくるのに焦ったのかわからないが私に対し真っ直ぐと火の玉が飛んでくる。
横にそれる必要はない。身を限界まで沈めれば当たらない。
次に水の槍。そして風の刃、土の塊。
色々飛んできたけど一番風が厄介かな? 半分以上透明だから目視しづらい。
その上速度はほかのより速かった。ただ飛んでくる数はほかのやつより少ないから一度回避できれば少しの間楽ができる。
「さて、魔法使い目視です。そしてそのままチェックです」
私は剣を投擲した。
突然飛んでくる剣に対応できなかった魔法使いは仰向けになるように倒れ始める。
私は接近しながらUIを起動その中から「青銅の剣」を1本取り出して右手で握る。
ここにくるまでに大量のPKを倒した。だから私のインベントリ内にはそれなりにアイテムが潤沢だ。
主に人形修理キットだけど。
接近された魔法使いたちは全く強くなかった。怯えるように魔法を撃つだけ。
そこに戦略といったものは存在せず、ただただ時間を稼ぐだけだった。
「魔法使い、全滅です。残りは弓使いですが……これは、逃げましたね。それなら戦闘終了です」
弓使いは途中で勝てないと思ったのか逃げ出していた。
デスペナルティを恐れたのだろう。
人族が戦闘不能になった場合のデスペナルティはアイテムの一部放出と経験値の減少――加えて一定時間ステータスの減少だったかな?
ともあれ勝利だ。今は置いてきた同族を拾いに行こう。
「大丈夫でしたか?」
「あっ、はい!お疲れ様です!! すごくカッコ良かったです!!」
「それはありがとうございます。……左腕」
「は、はい。逃げている途中に壊されてしまいまして。お恥ずかしいです」
「これを使ってください」
「これは、人形の腕!!? いいんですか?」
「はい。困った時はお互い様です」
「ありがとうございます! 自分、エターシャと言います! あなたのお名前は!!?」
「あ、私はそ、、じゃなくてメーフラです」
「メーフラさんですね。助けていただいてありがとうございました!」
人形の女性改エターシャさんは左腕を再生させてから頭を下げた。
困った時はお互い様、それに悪いのは彼女じゃないから私は気にしないでと笑った。
「それでエターシャさんはこれからどうします?」
「どう、とは?」
「森の中は人族が狩りをしていて危険だって聞きました。森の外まででよければ一緒に戦いますか?」
「送ってくれるんですか!!?ありがとうございます!」
「気にしないでください。私も森の広さくらいは把握するために森の端っこを見る必要がありましたから」
「じゃあパーティ申請しますね!」
「パーティですか?」
「あ、やっぱりダメでしたか。ごめんなさい」
「いえ、問題ないのですが何気にこれが初パーティだと思いまして」
「私もですよ。あの人族たちに追い回されてばっかりで魔族とちっとも会えません」
「災難ですね〜」
「そうなんです。私もメーフラさんくらい強かったらいいんですけどね」
そんな会話をしながら私はエターシャと一緒に森を歩く。
途中何度か襲撃にあったが、2、3人ずつしか来ずにすぐに処理できた。
途中でエターシャちゃんも報復の一殺としてPKKできて少しスッキリした顔をしていた。
そしてどれくらい歩いただろうか?
ついに終わりはやってきた。今まで途切れることなく視界の奥まで続いていた木の影がなくなったのだ。
「ついた!やっと、これ、外の世界!!」
「おめでとうございます。やっとゲーム始まったなって感じですね。」
「はい! メーフラさん! ここまで連れてきてくださってありがとうございます!」
「じゃあ私はまだこの森でやることあるからここで別れることになるのですが、やはり少し不安ですか?」
「は、はい。もしまた外でも同じように追われて殺されてしまったら森に戻ってしまいます。そうなったらどうしようって思いまして」
「それならこれを受けてくれますか?」
私はそう言ってエターシャにフレンド申請を送った。
このゲームのフレンド機能は既存のオンラインゲームのものと大して変わらない。普通のフレンドシステムだ。
そしてフレンドになる1番の利点はやはりお互いにメッセージのやりとりができるようになることだろう。
「えっ、いいんですか? 私なんかがメーフラさんのフレンドで……」
「エターシャさんは私のことをなんだと思ってるんですか?そもそも私、まだフレンドリスト空っぽですからね?」
「あ、私もです。ということはお互いこれが初めてのフレンドになりますね」
「そうなりますね。何か困ったことがあったら呼んでください。そうすれば駆けつけますから」
「はい! 何から何までありがとうございます! 万が一森の外で死んで戻ってきた時はまたお願いしますね!」
「はい、お願いされますね。ではまたどこかで」
「ばいばーい! メーフラさん!」
元気いっぱいで礼儀正しいエターシャさんは私のフレンド申請を承認すると満面の笑みで手を大きく振りながら旅立った。
頑張れ、エターシャさん!! その方向に街があるかは知らないけど、頑張れ!!
私は心の中で彼女にエールを送ってから彼女の背中が見えなくなったあたりで森の方に向き直った。
「さて、護衛対象もいなくなりましたし、森の中のPKを殲滅しましょうかね」
私は殺戮人形と化して森の中に帰った。
さぁ人間よ! 私を止められるものなら止めてみるがいい、はーっはっはっは!!
そしてある程度人形をいじめる人族の数が減ってきて時間もいい頃になったかなって時にちょうどセーフティエリアの近くにいたので私は今日はそれだけで終わった。
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本日のリザルト
フォレストボア 3頭
フォレストウルフ4頭
フォレストラビット2羽
人形目当ての人族 108人
森の外まで送り届けた人形 3人
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今日は大漁だったね。
あ、レベルも上がってるだろうし明日ログインしたら持ち物とかステータスを確認してみよう。
どんどん書くよー
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