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いざ、奈落へ


負けた私はおとなしく神殿を出ることにした。

その際雪姫が「君気に入ったからまたきてくれると嬉しいわ。来なかったら私から行くからその時はよろしく」と言っていた。

ボスとして居住を離れるのはどうかと思うが私は一応返事を返しておいた。


雪姫はとても面倒見のいい女性だった。

私は神殿の外まで見送りをしてもらった。雪姫は私がもともとここには迷い込んだということを思い出してくれたのか大陸の地図を持ってきてその上に赤いインクを落として「現在地はここだよ」と教えてくれてそれからどの方向に歩き続ければケイオールまで戻れるかも教えてもらえた。


そこまで教えてもらわなくても地図をもらったから私1人でも帰れる、って言ったら

「いや、地図があろうがなかろうが迷う人は迷うって私は知ってるからその言葉は信用しないよ」

と返された。


何か知り合いにそういう迷子体質な人がいるのだろうか?

今度は戦いにじゃなくてお話にくるのもいいかもしれないと思った。

私はそれからケイオールに帰るために歩きながら雪姫がいた場所で得たものを確認することにした。


まず、たった3体だけであるがあの神殿内の魔物を討伐した。



私は適正レベルを明らかに無視して進んでいたからだろう。

たった3体だけであったがレベルが4も上がっていた。

しかし戦った私としてはあれだけ苦労したのにそれしか上がっていないのかとも思った。

いや、弟曰くMMOはレベルが高くなればなるほど一つあげるのに馬鹿みたいに時間がかかると言っていた。

それなら、たった3体で4も上がったのはいい方なのだろうか?

最近ではレベルの上昇も少なくなってきたしね。

そんなこんなでレベルが上がったのでステータスはこうなっていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


PN:メーフラ

種族 無慈悲な人形Type Ancient

裁縫士


LV 18


HP 39999

MP 512

STR 332

VIT 199

INT 0

MND 51

DEX 157

AGI 174

LUK 35

SP ー


――――――――――――


INTは装備品の関係で安定の0、それ以外は何の問題もなく育っているみたいだ。

そしてレベルが15を超えたことで新しいスキルを入手していたはずだ。

確か神殿内で戦っている最中にそんなことを言われた覚えがある。

私は今度は覚えているスキルを確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

習得済みスキル

【人形の体LVー】

【無慈悲】

【頑強】

【信念】

【慈悲なき宣告】

【無情の裁き】

【無情の剣圧】

【ギアアップ】

【イージーチューン】

【オーバードライブ】

【ピーキーチューン】

【明鏡止水】

【神出鬼没の殺戮者】

【裁縫LV33】

【鑑定】

【白の祝福】

装備スキル

【トライガード】


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうしてみると私も結構多くのスキルを取ってきたねー。

初めは人族とちがってSPなるものがなくてスキル量はそこまで増えないかと思ってたけど一定ラインで確実に数個増えていくから今では結構な量になっている。


私は今更ながら新しく習得したスキルの詳細を確認することにした。

初めは装備スキルと出ている【トライガード】からだ。

これはダームさんからもらったかっこいいマントをつけていると適用されるスキルらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

【トライガード】

三つの星の力。

炎、闇、光属性のダメージを半減させる。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


おぉ!いざ確認してみると結構いい効果を持っていますね。

ダームさんはこれをポンとくれたんだけどやっぱりこれ結構手に入れるのに苦労したんじゃない?


私は自分の肩にかかっている腰ほどまでの長さの黒いマントを撫でながら改めて心の中でダームさんにお礼を言った。


「ん?マント?何か忘れているような………ってああぁ!!?雪姫ちゃんに借りたヒメカのマントと王冠そのままです!!」


マントの下で私にしがみついていたヒメカが私の声を聞きつけて「くぅ?」と頭を出す。

そこには金ピカの王冠と赤々としたマント。

持ってきてしまったものはしょうがないが今度謝らないといけないかもしれない。


私は小さくため息をついて何の気なしにヒメカがもらった衣装を【鑑定】してみた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神冠リフラクラウン

レア度:神器級ゴッズ

生命の神の力を込めて作られた王冠

持ち主の元に戻ってくる機能付き


HP+100%

全ステータス+100%

譲渡不可

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紅血聖女のマント

レア度:伝説級レジェンダリー


かつて紅血聖女と呼ばれた人間が作った子供用のマント

所有者に富をもたらすという噂があるらしい


ドロップ倍加

譲渡不可

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



うわ、この二つどう見ても普通のアイテムじゃないだけど。

というかマントの質で言えば私のつけているものと同じ?それに王冠……じゃなくて神冠のレア度何あれ?


………


「くぅ?」

「いえ、なんでもありません」


私はそっと鑑定結果の情報が映し出されたそれを閉じた。

さてと、スキルの確認するかなー

えっと、確か戦いの間に聞こえてきたのは【ピーキーチューン】【明鏡止水】【神出鬼没の殺戮者】だっけ?

最初のはともかく後ろ二つはどっちも仰々しい名前だね。

私は増えたスキルの詳細ウィンドウを表示した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ピーキーチューン】

失敗?狙ったのさ

10分間HP、MP以外のステータスの数値を合計しSTRとAGIにそれぞれ半分ずつ振り分ける調律

消費MP10

リキャストタイム999秒

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【明鏡止水】

研ぎ澄まされた一撃


CRI時のダメージ+100%

非CRI時のダメージ−50%

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【神出鬼没の殺戮者】

その人形はどこにでも現れる


【慈悲なき紋章】が付与されている対象の背後に瞬間移動する

そして移動先の対象の【慈悲なき紋章】は破壊される

対象が複数いる場合は一番遠くの対象の背後に移動する

このスキルの使用後3秒以内にスキル対象が死亡した場合このスキルは再度使用が可能になる


消費MP144

リキャストタイム666秒

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



えっと、【ピーキーチューン】が捨て身状態になれるスキル。

基本攻撃に当たらない立ち回りを強要されるけどそのリターンはかなり大きなものになる。

そして【明鏡止水】は攻撃がクリティカルヒットした時のダメージが増えて逆にそれ以外のダメージが大幅に減るスキル。

このゲーム、ステータスのLUKでクリティカル判定を行なっているのだが各種族にいくつか設定されている弱点を突くと確定でクリティカルヒットとなるのだ。


つまり基本的に人族と戦ってそして人体の弱点を攻撃する私にとってはプラスの方が大きそうなスキルだった。

ただ、またみんなでレイドボス倒そうってなった時のダメージソースは減ると思った方が良さそうだ。

まぁ、でも私には【慈悲なき宣告】とかいう壊れスキルがあるからデメリットは実質ないようなものか。


そして最後、【神出鬼没の殺戮者】だがこれは説明を読むだけでヤバさがビンビン伝わってくる。

まず発動条件が緩い。

【慈悲なき宣告】によって紋章を付与されている状態の対象がいればいつでも発動できる。

そして効果はさらにやばくて一瞬で敵の背後を取ってくれるらしい。


ただそれだけ強いスキルだからなのか分からないが今まで私が取ってきたスキルに比べて消費MPは多めだ。

そしてリキャストタイムもそれなりに長い。


しかしリキャストタイムの長さはスキルの追加効果が打ち消してくれる可能性がある。

いや、敵の背後に一瞬で回れるならそのままキルまでは普通にいけるだろう。


私が無防備な敵の背中を見てそこまでいけないという想像はできない。



総評、今回増えてたスキルはどれもやばかった。


「ふぅ、種族柄なのかは知りませんが私に追加されるスキルはどれも殺傷能力が高いように思えますね」

「く、」

「これで確認は全部ですが、何かこのスキル欄に少し違和感があるのですよね」

「くくぅ!!」

「おや、ヒメカは私の抱いている違和感の正体をご存知なんですか?」

「くぅ!」


ヒメカは私の習得スキル一覧の一部を指差した。

そこにはしれーっと私のスキル欄の一部分を占拠している【白の祝福】の文字。


「………いつの間にこんなものが増えたのでしょうか?」

「くぅ〜ん?」

「まぁ、どこで誰がこんなものを割り込ませたのかは想像がつきますよね」



私は今も神殿内で挑戦者を待っているであろう白い少女の姿をした神の姿を幻視した。

彼女はしてやったりな顔でこちらを見ているような気がした。


「増えてしまったのものは仕方ありません。とりあえずこれがなんなのかということだけは確認しておきましょう」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【白の祝福】

白き生命の最高神が気に入った相手に与える祝福


死ににくくなる

場所バレする

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「………何ですかこれ?今まで見てきたスキルはどれも丁寧にどんなことがあるか説明してくれたのですが、これは大雑把すぎます。というか場所バレって誰にですか。………そう言えば、あの方ずっと顔出さないと向こうから遊びに行くとか言っていましたがまさか………忘れましょう」



私はスキル一覧とともに思考のシャッターも下ろした。

ちなみにだが、あの神殿で3体ほど警備兵を倒したのでアイテムも増えている。

これは苦労に見合っただけの報酬になったのではないだろうか?

なんか良さげなアイテムがいっぱい入っている。


例えば、『月姫』シリーズのやつが着用していた鎧とか、『雪姫』シリーズのやつが体の中に仕込んでいた武器とか、『花姫』シリーズのやつが首につけていたネックレスとかだ。


結構な量があるので後で整理しようと思う。

そして自分に使えそうにないものは売却するか誰かにプレゼントしようと思っている。

ただ、あの冒険で色々なものを得たが失ったものもある。


それは魔族の長剣という、いままで私を支えたくれたあの男気溢れる剣だ。

雪姫ちゃんに会う前、まだ耐久値が2500は残っていたのを確認している。

だがその耐久値は雪姫ちゃんとの打ち合いで跡形もなく消し飛んでしまった。

というか、本気を出した雪姫ちゃん強かったなぁ。

手も足も出ないのは久しぶりだよ。


と、まぁそんなこんなで私は今メイン武装を失ったというわけだ。

ということで街に戻ったらゴブリンさんに武器を作ってもらおう。またオーダーメイドだ。

あ、そういえば『闇の結晶』とかいう金属があったな。

ただインゴット一つだけじゃ何にもできないだろうし、製作依頼を出す前にまずは金属を採掘しに行くところからだ。

となるとまたあの鉱山に潜らないといけない。


前回は聖銀、ミスリルで満足して帰ってしまったが次はもう一層深く潜ってみよう。

ミスリルがある場所は5階層あるうちの3階層目だった。

それより深く潜ればもっといい素材が手に入るはずだ。


「ファンタジー世界でミスリルより強い金属と言ったら何でしょうか?」

「くぅ?」

「ヒメカに分かるわけありませんよね」


私はおおよその確認も終わったのでUIを閉じて歩くことに専念することにした。

それから小一時間歩いたところで見覚えのある街の壁が見えてきてやっと帰ってきたんだなと感じた。


私は一目散にその中に入ると街の中を突っ切ってそのままログアウトした。






そして翌日、家事をだいたい終えていつものごとくログインした私はまずいらなそうなアイテムを倉庫に預けることにした。


実はこのゲーム、アイテムインベントリは36枠しかないが別にそれだけしかアイテムを保有できないわけではない。

特定のNPCに話しかけて料金を払うことで倉庫を借りられるのだ。


そこそこお値段は張ったが実は私これでもそこそこ稼いでいるのだ。

聖銀鉱石を市場に流したり手作りのぬいぐるみとか服とかを売りさばいたりね。

とっても嬉しいことにぬいぐるみの方には熱狂的なファンまでついてくれているみたいだ。


それに、私が以前遊びで作ったピエロ服もいつの間にか売れてしまってびっくりしたこともあったのだ。

まぁ、その後私作の服を着たピエロが目の前に現れたんだけどね。アスタリスクさんの知り合いは個性的な人が多いなって思ったね。

あのピエロの人も同じ畑の人らしいから裁縫でも認めてもらえて嬉しくはあった。



というわけで私は魔物のドロップアイテムなどはここで預けてアイテムインベントリには武器と採掘用のツルハシが数本、そしてお馴染みのカンテラを含めた探検セットを用意して街の西門を出た。

手持ちの武器が『星剣アルシャイン』だけでは心もとなかったので普通の鋼製の剣を数本用意した。

前同じ場所で買った鉄製のものより一段階上の商品だ。



「というわけで戻ってまいりましたガザリアの街!門番の人もお久しぶりです」

「おっ、君はいつぞやの人形さんじゃないか。オラ、君の活躍聞いたんだな」

「私の活躍ですか?」

「最近増えてきた外の人たちが教えてくれたんさ」

「そうですか。あ、入ってもいいですか?」

「構わねえべ。ほら、入れ入れ」



いつぞやも話した門番の巨人さんは今日も元気に門番をやっているみたいで少し安心しながら私は街の中に入る。

採掘の準備はここに来る前に済ませていたのでそのまま鉱山の中へ。


上の方では特にめぼしい金属は取れない。

だから私は一気に下層まで降りることにした。


道中、私と同じ採掘に来ているであろうプレイヤーをそれなりに見た。

そしてその多くはパーティを組んでいるみたいだ。

私は一人で来ている自分が少しだけ恥ずかしくなりながらも上層から中層へ降りる。


中層は以前来た時よりも賑わっていた。


そしてこの先にいるであろうフェイタルアントクィーンを倒そうと画策しているのか採掘には向かなそうな重装備の人が結構見受けられた。

え、私?


私はこの前作ったトレジャーハンター用のトップスにパンツだけど?

それが何か問題でもあるの?



私は中層もスルー、そしてそのまま下層へ行こうとしたところで下層への入り口に人が集まっているのを見つけた。


人が集まるのを待っているみたいでその場から動かない。

これがなんの集まりなのかは分かるが私は一応確認のため近くにいた女性に話しかけた。

女性に話しかけたのは単純に同性で話しかけやすかったからだ。

ちなみに、その人は女性であるが人間ではない。


上半身は人間のそれだけど腰から下は蛇のものであった。


「あぁ、今日はみんなでミスリルをいっぱい掘ろうって算段で集まってるんですよ。で、今はそのメンバーが集まるのを待ってます」

「そうですか。教えてくださりありがとうございます」


想像通りだった。

私はそれだけ聞いてそのまま先に進もうとした。

すると先ほど話しかけた女性に今度は私が呼び止められた。


「ちょっとあなた」

「はい?どうかしましたか?」

「知らないかもしれないけどこの先には超強いボスがいるのです。だから一人で行ったら返り討ちですよ。だからこの先に行きたいならメンバー集まるのを待ってあなたも一緒に行った方がいいですよ」

「あ、私は……」

「遠慮しないでください。ここのボス、フィールドボス扱いなので何パーティでも一緒に戦えるんですよ」

「だから私は……」

「どうかしたのかー」


私がどうやってこの女性を説得しようとかんがえていたところで別の男性が話に割って入る。

その男性はサハギンだった。

サハギン、こんな水場も何もない場所で大丈夫なんだね。


「あ、リーダー、この人が一人でこの先に行こうとしてたので一緒にどうかなって誘ってたところです」

「なるほど、戦力は多い方が俺たちは嬉しいし相手さんもここを通れて幸せってことか。まっ、いいんじゃないか?一応レッドじゃない確認………ってあんたは」


サハギンさんが私の顔とアイコンを確認して停止する。

そして何かに慄くように一歩後ずさりした。


「リーダー?」

「えっと、久しぶり?」

「おや、私たちどこかでお会いしましたか?」

「いや、俺だよ俺!って言ってもあんたが俺を覚えているはずねえか」

「えっと、?」

「俺だよ。あの攻城戦の時に川の中にいたサハギンのリーダーの」

「あ、ごめんなさい。気づきませんでした」


というか、サハギンの顔の見分けはほとんどつかない。

なんてったって顔が魚のそれだからね。


「リーダーの知り合い?」

「こいつはあのメーフラだ」

「ええっ、それってあの?」


あのってなんだと思ったが私はあえて何も聞かずにスルーすることにした。


「で、メーフラさんは一人でこの先に行くつもりなのかい?俺たちの助けはいるかい?」

「初めは一人で行くつもりでしたが、一緒に行きますか?」

「おっ、助かる。この先のボスは倒せないことはないが攻撃力のせいで事故が怖かったからな。あんたがいれば安心だ。じゃあ、早速行こうか」

「おや?まだ他のメンバーを待っていたのでは?」

「ここのボスはフィールドボス扱い。つまり一度倒せば一時間は素通りできるってわけさ」

「なるほど、それなら後から来る人は通るだけでいいっていうわけですね」

「そういうこった。じゃあ行こうぜみんな」

「「「おおおおおお!!」」」




こんな感じに私のパーティ入りが決まった。

と言っても誰かのパーティにシステム的に入るといわけではなくて単純に一緒にボス部屋に入るというだけだ。


このボスはプレイヤーが下層に降りて一定距離進んだところで後ろの路が塞がれるという調査結果が出ているらしい。

そのため先頭の人が注意しながら後ろが入りきるまで待ち、そしてボスを起動させた。



私たちがボス部屋を起動させるといつかのように赤黒いアリが出てきた。

しかし今回は私一人じゃない。

そして進化してかつレベルもそこそこ上がっているので負ける相手ではない。



いつの日かそれなりに時間をかけて討伐した赤黒い殺戮アリの女王はたった8分でその命を散らすことになった。


私たちは現れた道を通り聖銀パラダイスの下層へと足を踏み入れたのだった。

ま、私はここに用事はないのですがもしダメだった時のために少しだけ聖銀鉱石を採掘しておきましょう。

前に採掘したものが倉庫の中に眠っているから必要はないのですけどね。




それから私は一人で下層を歩き回った。

度々現れるアントパラディンは以前ほど数がいない。

多分だが下層にいる人数が多いせいで全力で私に集まるということがなくなったのだろう。


そのためもあってか私は悠々と探索を続けることができた。

頭の上ではヒメカが楽しそうにカンテラをふって辺りを照らしている。

暗視効果のスキルを持つ私には必要がないがヒメカには必要だろうと思ってもたせておいたものだ。



下層に来てからゲーム内で二時間、下へ続く大穴を発見した。

そしてその前には当然のごとくセーフティエリアもあった。

まだ他の人たちはここまで探索が進んでいないのか、それとも聖銀で満足しているのかここには人が集まっていなかった。

だから私はここには一人で挑むことになる。


私は少しの休憩の後にそのぽっかりと口を開けた大穴を降りる。

こういう時に用意しておいた探検キットが非常に役に立つ。

弟はロープをいらない子みたいな扱いをしていたがやっぱりいるじゃないかと思いながら私はゆっくり下に降りる。







降りている途中、急に視界が暗転して浮遊感に襲われた。

そして気づいた時に私は全く知らない大きな空間のある場所にいて、そんな私をじっと見つける8つの目があった。

きちきちと口を開け閉めするその生き物は8本の脚を持つ女子からの嫌われ者。






体高が1、5メートルくらいはありそうな巨大な蜘蛛であった。



「まぁ、蜘蛛は切れるので私は怖くないんですけどね。むしろお空に浮かぶ雲の方が怖いかもしれません」

「くぅぅぅぅぅ!!」



ヒメカが戦闘開始のコールをあげるとともに蜘蛛がこちらに向けて動き始めた。



奈落への試練ネザータラント



ちらりと見てみたがそれがその蜘蛛の名前だった。

当然のようにLVは???だったが、種族名が見えただけでかなり安心できたのはあの理不尽な神様を見た後だからだろうなと思った。

もう既にお気付きの方もいらっしゃると思いますがクリスマスの番外編を移動させました。

それに伴い投稿日がクリスマスじゃなくなってるのは目を瞑ってください。


Q、スペルミス

A、普通に恥ずかしいやつだこれ


Q、雪姫さんが回復魔法使ったらHP全快しそう

A、場合によるけどしますね。流石にHP1%から一発で全回復とかはしません

ブックマーク、pt評価をよろしくお願いします。


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お姉ちゃんの頑張りが書籍化しました。
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