勇者召喚
皆さま、更新遅くなり申し訳ありませんでした。
「陛下、巫女を連れて参りました!」
「よくやった、巫女に着けている拘束具を外せ、両手以外だ。」
巫女の拉致を行った、裏ギルドの役員は王の言葉に頷くと巫女に着けてある両手以外の拘束具を取り外した。
喋れるようになった巫女は自分を捉えた役人を睨むとすかさず、王を睨みつける。
「カカカッ!そう睨むでない、其方の美貌が歪んでしまうぞ!」
「人を拉致監禁しておきながら、貴方は何とも思わないんですね!これまでのこの国の惨事は各国も認知しております!貴方に傅き使命に囚われ無残に散った勇者達が報われません!」
巫女の言葉を終始王は顔色一つ変えずに聞き終わると、王の間に警護として配置している武官に巫女を連れて行けと命令した。
巫女が王の間から武官に連れて行かれると王は巫女を捉えた裏ギルドの役員と話し始める。
王の間から武官により連れ出された巫女は出たところで待機していた、勇者一行の一人魔道士風の少女がいた。
武官から巫女の事を預けられ魔道士は巫女を横に着けさせ目的地を目指して宮廷内を歩き出した。
「貴方のような、優秀な人材をも犯罪に染め上げるとは、この国は終わってますね。私も、その悪事に加担させられるとは自殺ものです。」
巫女は、自分の隣にいる魔道士に若干睨みつける。
魔道士の少女は、慣れているのか、気にせず返答した。
「我々、一同の理念は勇者を配して魔王を根絶する事です。なので、その過程で亡くなられた勇者達には私たち同行者も痛感の極みになっています。巫女貴女の言葉は、民衆はたまた国家に仇なす発言に取れます、今後は控えてくれると助かります。」
「あら、私を強制的に王国に連行しておいて、叛逆行為とはいうのは、甚だしいですね。逆に問いますが、なぜ、勇者と命ぜられた者だけが死んで同行者である、貴女達がのうのうと生きていられるのでしょうか?しかも、貴女の経歴は各国に出回っています、私の認知しているだけでも、今回のユーリス失踪に関して今回の件で6人目です。おかしくないですか?勇者として命ぜられた者達が、短期間で表舞台から消えたのは?」
「それに関して、私から言えば、力がなかったそれ以上でもそれ以外でもありません。もう一つ何故勇者が消え同行者が生き残っているか、偶々です。逆もあり得ます。偶々偶然の産物なのです。勿論悲壮感はあります、なんせ我々のリーダーだった方達だったからです。貴女を拉致した理由ですが、人族の敵である魔王を倒すには勇者が必要不可欠です、ですが、各国は世界が魔に落ちてもいいかのように、優秀な人材を王国に差し出さなくなりました。また、各国で法令を敷き人材の派遣等人に対する貸し借りを厳しくしました。よって古来より存在する異世界召喚を行うため、貴女を捉えました。勿論、貴女の国には書簡を送りつけた上で連れ出しました。」
巫女は彼女の一言一句聴き終えると怒気を孕まさせ魔道士に対して、そして自国の法律の発足の遅さに憤慨している。
「もう一つあるとすれば、勇者召喚の儀は難易度が高いところにもあり、それ故に成功すれば異界より強者が召喚されます。また、この召喚の儀は初代の頃に盛んだったが、非人道的という事で三代目で廃止されることなった、それ故に今はロストテクノロジーとなっていた。だがここ最近までの研究で条件はあるものの、召喚の儀が可能であることがわかった、その条件とは、純血の聖女の命ということだ、巫女お前の命と引き換えにこの召喚することだ。無論お前以外は論外である事は実証済みだ。そして貴女は一年ほど前に神託により聖者の能力を神の力により発言させたという事は、我々一同周知していた事実だ。あとは、貴女を捉える算段だけだった。」
魔道士の言葉に怒りも忘れ、巫女は開いた口が塞がらなかった、そして全てを悟ってしまった。自分が死んでしまうことに。
「まっ…まさか、過去の勇者召喚の儀は純血の聖女の命だとでもいうのですか?それを貴女達は平気で行おうとしてるのですか!」
巫女の焦り具合に魔道士はうすら笑みを浮かべ口を開く。
「正解です!巫女様、過去召喚の儀に関して術者の命と引き換えに優秀な人材を呼び出していました、ですが例外もあり、それは術者が稀に死なずに生きていることがあります。その場合は本人にもそして国にも利益となりまた、後日の召喚で有用に役立ってもらえます。なので、勇者召喚の儀が行う時までは眠っていてくださいね!」
睡眠魔法
「この…下衆が…」
巫女は最後の抵抗で言葉を発するも、魔法の前に意識を手放してしまった。
今回の話で主人公サイドに戻そうかと考えてたんでが、長くなりそうなので次回も続きます!