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バッドエンドの転生者  作者: 避雷心
序章Ⅲ
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少年初期11

メリークリスマス

「では、魔道具の作り方については理解しましたね」

「はい」


何時もの日常とかした講義の時間。

今日の授業も魔法の応用の中の一つについての授業を受けていた。


最近、外が暖かくポカポカ陽気な為、師匠の家へと行く頻度はかなり増えている。

ここ数日は毎日の様に通っており、その分授業の進みが早い。


現在の進捗度合いとしては、魔法の応用授業が始まって、3ヶ月ほどの時が経っているくらいか。


もう、季節はすっかり春である。

外からは、鳥達の嬉しそうな鳴き声が聞こえてくるが、そんな鳥達より遥かに元気なのは師匠。


気温も心地良くなったため、この時期の師匠の健康習慣はかなり改善されており、冬とは比べ物にならないほど、行動が早い。

そのお陰か、寝起きも多少なりと良くなっており、授業や研究に取れる時間も長くなっているのだから、個人的にはとてもありがたく感じていた。


講義の内容は、僕の習熟度が上がり、分かることが増えた為、とても充実している。

師匠の話は、どれも革新的で、魔法の講義を受けている時間がとても楽しいのだ。


今、受けている講義は、魔道具について。

内容については、魔道具は、接続型、充電型、消費型の3つに分けられるとか、そう言った基礎の話から、魔道具の改良方法、作成方法などまで多岐にわたっている為、ここ6、7日は、魔道具についての話しが続いているのが現状。


一応、終盤に差し掛かっており、予想ではあるが、魔道具を使う事で僕の魔法の速度を改善できるでしょうという形で纏めてくれるのだ。

そして、その通りに締めくくり、今日の講義は終わった。


「如何でした?ユート」

「勉強になりました。早速何か考えてみようと思います」


今回の意図としては、魔法の発動が遅いのを魔道具という外部要因を使ってカバーしてはどうか?というものだ。

師匠は、基礎授業に関しては、徹底して教えたことを守らせる事を遵守したが、応用の講義はその限りではなく、家に帰ったら、自分なりの改善法を考えてくるというのが課題として出るのだ。


一応、強制では無いため、自分と合わないと思ったものは、課題をしなくてもいい事になっている。

それでも、講義の内容は、すべて、僕の役に立ちそうな物を師匠が厳選してくれているから、僕は全部に何かしらの答えを出す為、必ず課題を出す様にしていた。


今日の講義についても、課題をこなし、自分なりの成果を持ってくるつもりである。

ここまでしてくれる師匠には、せめて自分なりの答えを返すようにしているのだ。


今のところ終了した応用の話は全部で4つほどで、今、魔道具についての授業が終わったから、5つか。

師匠の講義の内容も多岐にわたるが、個人的に最重要だったのは、魔力門の複数起動について。


授業の中でわかった事だが、これが、僕の魔法の性質についての最大の要因であった。


まず、魔力門の複数起動についてだが、これは、魔力を体内から体外に放出する為の体内機関、魔力門が、複数ある事が前提となる。

割合としては、3人に1人程で、主に複数の種類の魔法を覚えているものに発現しやすい為、複数の魔力門を持って産まれるのは、主に魔術型だそうだ。


僕が魔力門を複数所持している可能性があると考えての講義で、方針としては複数あるなら、調べてそっちの使い方を学ぼうというもの。


魔力門を複数持っているメリットとしては、同時に複数の魔法を発動できることだ。


魔力門が1つしかない人間は、基本的に魔法を1つしか発動する事ができない。

まぁ、1つの門から魔力を抽出するのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。


これにより、魔力門を複数持つ場合、火と水などの魔法を同時に展開する事ができる為、使い様によっては有用だったりする。

まぁ、その為に専用の魔法の詠唱を覚えないといけないのだから、前準備がかかってしまうのは、難点と言えるかもしれない。


他にも、目に見えるデメリットとして、魔力門の大きさが、魔力門が1つの人に比べて小さいというのがある。

魔力門の大きさによって、一度に体内から体外へと送られる魔力量が決まってしまう為、魔力門が小さければ、魔力が足りず、魔法の規模が小さくなったり、発動まで時間がかかったりするのだ。


さて、ここまで来ると、僕はその現象を知っている事に気付く。

というか、実際、それは僕を悩ませているもの要因の1つだった。


魔力門が複数あると、魔法の規模が小さく、速度も遅い。

逆説的に考えると、その特徴に当てはまってしまう僕は、複数魔力門を持っている確率が高いという事になる。


というか、実際問題持っていたのだから、手に負えないと言えるが。

それも、2つ、3つ持っているとかの次元ではない。


師匠と一緒に調べた結果、僕は、産まれつき、魔力門を6つも持っていた。


師匠の呆れた顔を今も鮮明に思い出す事ができる。

通りで常人の何倍も発動速度も規模も何もかも劣っているわけだ。


魔力門が多くても、人より多いから、その点は、優位になる、なんて事にもない。

魔力門の大きさは数に反比例に+αして小さくなるらしく、6個もあると、その小ささは凄いことにになるとか。


先に説明しておくと、魔力門が複数ある場合の抜け穴として、1つの魔法を作る事で、ある程度は解消できるらしいというものがあるのだが、その実例は、精々魔力門が2個か3個の時の為、もしかしたら6個もある僕には当てはまらないかも知れないとか。

個人差はあるが、1つの魔力門を持つ人が魔力を100込められるとしたら、2つ魔力門を持つ人は、45込めれる程度の大きさで、2つを利用して魔法を作っても90しか魔力を込める事が出来ない。


これが、デメリットのデメリットたる所以で、魔力門が複数ある事も良し悪しがある、というのが普通の人の反応である。

それが更に4つも追加されて、6個なのだから、僕の場合は手に負えないが。

一応、次が序章最後です。

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