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バッドエンドの転生者  作者: 避雷心
序章Ⅱ.v
33/114

幼馴染のリリーシャ03

ルルーシャとリールイが新しく授かった子供は女の子で、ララーシャと名付けられた。


産後疲れからか、ルルーシャは満足に動けず、リリーシャが看病し、父のリールイが家事を行う。

どうしても手が回らない時は、お隣さんを頼り、有り難いことにメイドのミシェルが手伝いに来てくれ、どうにかこうにかバタバタとした日々を日常へと近づいている真っ最中だった。


だが、家が落ち着いていくのに反比例するかのようにリリーシャの機嫌は悪くなっていく。

あれから更に数日が経ったが、リリーシャはとユークラウドはすれ違い続けていたのだ。


妹が産まれた事に最初は強い感動を覚えていたが、1日、また1日と経つ中で、次第にリリーシャの中で、ユークラウドと会ってない事が大きくなっていく。

リリーシャが覚えている限り、これまでユークラウドと会わなかった日なんて数える程しか無かったのだ。


それが、リリーシャに妹が産まれた事で、母のに付きっ切りでいる為、初めてユークラウドと会わない日というのが数日も続いている。

妹が産まれたというのに、リリーシャは何処か上の空な様子を見せていた。


家族よりユークラウドの事を優先して考えているのは、まだまだ子供故。

それでも、決して、疲れ切った母や、突然泣き出す妹を置いて、ユークラウドに会いに行くという事をしない位には、良識あるリリーシャだった。


もしかしたら、ユークラウドに対する維持もあったかも知れない。


ここ数日、会ってないという初めての経験に戸惑いを隠せないリリーシャは、こういう時は、ユークラウドが自分に会いに来なければならないのだとも心の片隅で思っていた。

ユークラウドは私を最優先にしなければいけないのだと。


だが、在ろう事に窓の外で、こちらに一瞥もくれる事なく森に向かうユークラウドをリリーシャは目撃してしまった。

家の手伝いに来てくれたミシェルに話を聴くと、どうやら森側の家に住んでる研究者に弟子入りをしたのだという話を聞いて、更に驚く。


「(わたしがたいへんなときに……)」


まさか、自分より見知らぬ他人を優先するとは思わなかったのだ。

抑えきれないショックと怒りに、リリーシャは頰を膨らませる。


詳しい話を聞くと、どうも魔法を上達させるために、その研究者に魔法を習いに行っているのだと言う。

勿論、ユークラウドもリリーシャと合わない理由があるのだが、それはリリーシャから見たら何の意味もない事だった。


「(なまいき……)」


自分と会う時間を減らしてまで、弟子入りし、魔法に打ち込もうとするユークラウドの態度がリリーシャには凄く気に入らない。

そんな事をしてないで、もっと自分に構って欲しいし、遊んで欲しかった。


「(ユーの、ばぁか……)」

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