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バッドエンドの転生者  作者: 避雷心
序章Ⅱ
19/114

弟子入り04


「………………」

「………………」


朝から視線を感じる。

具体的にいうとお隣さんから感じる。

さらに具体的に言うと窓からこちらの家の中の特定の人物の様子を伺う視線を感じる。

それも相手がどうするか疑っている系の視線……をだ。


あれから、更に1週間くらい僕は幼馴染と会って居ないのだ。

そんな折、今日、降って湧いてきた再開と弟子入りの反応を見るチャンスなのだが、中々お隣にお邪魔する勇気がない。

前回最後にあった時怒ってた気がするし。


このまま順当にスルーして仕まえば、合わない記録は3週目に突入してしまう。


お隣付き合いが始まってからあの日まで、会わない日なんて両手で数えられるぐらいだった。

現に、2日以上合わない間隔が空いた日がない。

そう考えると、これだけ、会えてないというのは、お隣付き合いが始まって、初という事になってしまう。


会わないからって、別に幼馴染のリリーシャの事が嫌いなわけでもなんでもないのだけど、僕の方からリリーシャの家に遊びに行くのはどうしても抵抗があるのだ。


まず、第一にリリーシャが家を出てこない理由が妹が産まれてすぐで、忙しいからなのだと思うのだけど、そんな状態の家に果たして押し掛けて良いものなのだろうか?


特に、リリーシャのお母さんのルルーシャさんは、僕の事が苦手なようで、もてなしてくれてはいるのだけど、何処か無理をしているというか、僕が来たら気苦労をかけてしまっている。

出来れば、2人目の子供が産まれてすぐの時期にそんな無理をさせたくないのだ。


本当にどうしたものか……。


いい加減、視線に気付かない振りをするという心のない行為というか、逃げる様な選択をしているのも限界だ。

主に僕のメンタル的に。


そんな僕に救いの手を差し伸べてくれたのは、可愛い妹、クリスティーナだった。


「にいーー、ねぇー!」


よくうちに泊まっていたから、クリスティーナは、リリーシャとも遊んでいる。

リリーシャを見つけたクリスティーナはそちらに向かって、手を振っている。

リリーシャも手を振り返した後、ようやくこちらを向いた僕に手招きをした。


「ミシェルさん……」

「分かりました。クリスティーナ様はお任せください。あと、いつも言っていますが、ミシェルでいいのですよ」


僕が、台所にいるミシェルさんを呼ぶと、それだけで一言を察してくれる。

あと、年上の人を呼び捨てでいうのは、もう少し心の準備が欲しかったり。


俺が家を出て行こうと「行ってきます」と告げたところで、クリスティーナを抱えたミシェルに呼び止められる。


「心中お察しいたしますが、気付かないフリというのは良くないと思います……」

「ごめんなさい……」

「私になど、謝ることはありませんよ」


ミシェルさんは気付いて居たらしく、余計に申し訳ない気持ちになる。

彼女の「行ってらっしゃいませ」に送られて家を出た。


お隣を尋ねたところ、リリーシャのお父さんが出迎えてくれた。

ルルーシャさんと新しく産まれたララーシャちゃんは、今は寝ているから、気にしなくていいと、「すまないね」と告げられ、家にあがらせて貰う。


彼は、寝ているララーシャちゃんの面倒を見に行くらしく、僕は一人で二階のリリーシャの部屋の前に来ていた。

よく考えたら、いつもうちで遊んでるから、あまりこっちの家に来ることが無かった気がする。


「入っていいかな?」

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