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タイトル一文字。 同音異字から連想する物語、あいうえお順に書いてみた。

「そ」 ‐疎・遡・訴‐

作者: 牧田沙有狸

さ行

「疎ましい」

この漢字読める?という類のクイズで出てきそうな言葉。

うとましい…好感がもてず遠ざけたい。いやである。いとわしい。 

一度、そう思いはじめるとこの感情は取り返しがつかないかもしれない。

「嫌い」と「好き」は表裏一体でいつどちらに転がるか分からないけど、

疎ましい気持ちは突然方向転換される可能性なんてないんじゃないかと思う。 

「嫌い」のように事件性が乏しいこの感情の訪れは、処理の仕方が分からない。

こんな気持ちを持ってしまった自分の記憶を遡ってみても、なぜ今そう思うのかが

過去の自分の寛大さから見れば分からない。

我慢し続けたとでも言うか?蓄積された「いやである」なのか。

明確な原因が分からないので、遠ざける理由を聞かれたら困るので逃げられない。

「会いたくない」そう言ったら、あたしが感情的で気分屋なワガママ女になるだろう。

きっと「こんな酷いこと言う子がいる」って違う人との酒の肴。

でも、好感がもてず遠ざけたい。

会って話せば自分が思っているほど嫌でもないかも。どんどん被害妄想が膨らんでいるんだよ

大丈夫だよ……そう脳みそを騙しても、身体が必死に訴えているのか急に胃が痛くなったりする。

 

 小学生だったら、多分絶交。

 家族だったら、理由つけて家を出る。

 恋人だったら、間違いなく破局。


 嫌いじゃないの。

 疎ましい。


友達の定義がわかんなくなった夜、あたしはそんな自己分析に明け暮れた。



 

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