#4 響恢 (913字)
(913字)
不審者対策用グッズを期待して、最初に職員室に向かったが空振りだった。
さすまたがあればかなり有利になっていたと思うが無いものは仕方がない。
次に思い付いた松葉杖を探しに今保健室に来ている。
が、やはり見つからない。
「はぁ・・・。」
落胆しつつ先生の机を音を立てないようにあさっていると妙な物が出てきた。
「手錠」だ。
「えェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!????」
結構な大声が出たが、大丈夫。心の声だ。
しかし我ながら結構な動揺っぷりで、気をつけないと物音をたててしまいそうだ。
・・・保健の海老名先生はそこそこの美人で人気もある。
ただ擦り傷の処置をしている時、たまに口元が笑っているように見えたのは気のせいだろう。
・・・・・。
いやいやいやいや校内もこんな様子だし、先生の持ち物と決まった訳じゃないし、そもそも先生がそんな趣味をお持ちになってるようには見えないし、万が一嗜んでらっしゃっても職場に持ってくるわけが無いし、第一、、、
延々(えんえん)と思考を巡らせていたがふと気付いた。
こんなことしている場合じゃない!!!!
早いところ武器になる物を見つけないとマズい。
逃げてから5分位経つが、いつまでも逃げおおせていられるとは到底思えない。
校舎外に出られるか分からないが覚悟を決めて武道場か体育館、もしくは用務員室にいくしかない!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!
思い立って一歩を踏み出そうとした瞬間、大音量の金属音が校舎中に響いた。
実際に校舎中に響いたかは分からないが、十分にそう思える音量だった。
自転車のブレーキ音や金属の破断音のような音だ。
「キャァァァァァァァァァァァァァァ」
??!!!!!!
今度は女声の悲鳴が響き渡る。
ドォォォォォォォォン!!!
しかし、これについてゆっくりと考えている暇は無かった。
間髪いれずに保健室の窓と壁が大型トラックにでも突っ込まれたかのような勢いでブチ破られた。
マジかよチハラ・・・。
、と思ったが違った。
ガレキの中からはバス停にあるコンクリートブロック付きの時刻表を抱えた男が出てきた。