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私立徳瑛学園第一高等学校。
私たちが通うこの町唯一の高校だ。唯一といっても第3コミュニティニホンは、「首都エリア」「関東エリア」「関西エリア」「北東エリア」の4つのエリアに分かれておりそれぞれに小、中、高の学校が設置されている。なかでも私たちの住む「首都エリア」は特別で各エリアで過去にトップクラスの成績を残したもの、スポーツで今後世界クラスの実力が期待できそうな者、国家に特に有益だと判断された起業者や政治家、すなわちトップエリートのみが住むことを許された都市である。この首都エリアは、各エリアに囲まれるようにして存在している。
徳瑛学園は、五堂瑛梨奈の父親、政治家も務めている五堂瑛太郎が設立した高校だ。3階建ての校舎が2棟あり、その2棟はA棟B棟と分かれていて中央が渡り廊下でつながっている。
上空から見るとアルファベットの「H」の形をしているというとわかりやすいだろうか。主にA棟には1年生と二年生の教室があり、B棟には3年生の教室と職員室や理科室、音楽室、視聴覚室などがある。
その恐ろしく広大な敷地の中には一般客も利用可能なスポーツジムやサッカーグラウンド、野球場にテニスコート、陸上部用のグラウンドも完備されている。この学園内だけで全国大会が開催できるほどの設備が揃っている。
B棟の屋上からは、町が一望できそこから見る夕日とエリアのシンボルとも言える「翡翠の鐘」が織りなす風景美は、私の携帯電話の待ち受け画面だったりする。
ただ実際に太陽や星空があるわけではない。ここはあくまで地下世界。限りなく地上の世界に近づけるために広範囲にわたって巨大な電子パネルが張り巡らされている。そこに太陽や星空が映像として映し出されるのだ。そうして地下の世界にも昼夜が生まれた。電子的なものではあるが、それしか知らない私たちにとっては何の違和感もない美しい空だ。
天候だって晴ればかりではない。気象局が過去の天候データをもとに引用しているので、雨や風の強い日だってある。冬には雪が降ることもある。歴史の授業で地上の事を学んだことがあるけど地上と地下は何の遜色もないまさに写し鏡のような世界だ。
決定的に違うのは、「海」がないというところか。1度でいいから見てみたいなぁ。
そしてこの徳瑛学園は、教育面で文武両道を重んじる理事長の方針として、授業の中に体育とは別に「新銃術」というものが組み込まれている。
その「新銃術」なるものは特殊な授業・・・というより訓練に近いのだがその名の通り銃を使った戦闘術を学ぶのだ。銃は旧時代に開発されたモデル『ベレッタM84FS』を使用。もちろん実弾は使用せず、ゴム弾を装填する。授業の場所は<<第3地区>>新銃術専用特別射撃場、通称”トウキョウ”にて行われる。新銃術が設置された理由は、
数百年前、地上の世界で起こった戦争への背徳と、生徒たちの身体能力、精神力の向上、敢えて厳しい環境に身を投じることによって生まれる生きることへの執着を植え付けるため。
らしい。安全に管理された地下世界という閉塞空間では、平和への考え方は疎くなってしまう。だが、あの戦争を決して忘れてはいけないのだ。いつか人類が「地上の世界」を再生させるために、私たちは今できることをしなくてはならない。
私たちの知らない地上の世界。そこは、いったいどんな場所なのだろう。未だに荒廃した絶望の世界なのだろうか。もしかしたら復興が進んで新しい世界が構築されているのかも・・・なんて期待を持つことだってある。
いつか私は知ることになる。知らなければよかったって思うくらいの真実を。痛みを。悲しみを。
でもね、それはまだ少し先のお話・・・。
“地下の秘密”
“世界のシステム”
“第1地区”
“世界復興の会”
“新時代戦闘銃”
“8つのコミュニティ”
“とある条約”
“それぞれの過去”
“10月22日”
“徳瑛学園大文化祭”
“Waltzの花束”
<それでは、STRONG ALONE第1部 学園編 開幕といこう>




