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STRONG ALONE  作者: 坂江快斗
10/15

SA 1-2

まず私たち3班は、真っ先に1班を狙うであろうチーム第5班を狙うことにした。その理由は、くじ引きによりチーム分けをしたはずなのに5班のみが全員男子なのだ。先ほどの雄叫びもほぼ彼らによるものだろう。杉田先生とのデートに目がくらんでいるはずだ。配置的にも近くだったので全会一致で、手薄になるはずの5班を攻めることにした。

早速、前衛である阿刈君と中陣の私が、トウキョウの市街に繰り出す。相変わらずここは、広い。そして寂しい空間だ。人型のオブジェがあったりするがそんなものは気休め程度にしかならない。ここには、私たち生徒24名と先生1名しかいないのだ。


バァァン!


いきなりの発砲音に私と阿刈君は身を隠す。発信機を見ると近くには誰もいない。もうすでに対峙している班があるようだ。しばらくして銃撃戦が始まったことが分かった。


「二見、そろそろ中陣のポイントに着くだろ。そっからは、俺1人に任せてくれ。相手の位置情報だけ飛ばしてくれればいい。」


「分かったけど、本当に1人で大丈夫なの?何かいい手でもあるの?」


もうすぐ第5班の陣地に近づくが、5班陣地が手薄かもしれないというのは仮定でしかない。万が一いや億が一、目先の欲(杉田先生)にとらわれずまともな作戦を立てているとしたら、阿刈君は総攻撃を浴びるだろう。この銃には、ゴム弾が13発装填されていて、弾の補充はできない。そしてこのゴム弾、当たるととんでもなく痛いのだ。血が出ることは無いにせよ痣はできる。ちなみに意識さえ失わなければ試合は続行可能である。目に当たると間違いなく失明するので私たちは強化ゴーグルを着用しているがまともにガードしているのは眼球ぐらいなので非常に危険な授業であるということを再認識する。


「ん?特にねぇけど」


「阿刈君、やっぱり馬鹿だよね?この期に及んで考えもなしに特攻は危険だって言ってるじゃない!」


「う、うるせぇ!!」


やはり彼は、特攻しか頭になかったようだ。私は、後陣で待機している3人のうち中川さんにトランシーバーで交信する。幸い私たちの陣地近くにはまだ誰も来ていない様子。安全確認を取った後、彼女に各チームの戦況が確認できるか聞いてみた。3班は、運よく大きなタワーを中心にとっておりそこから市街を一望できた。程なくして、中川さんから連絡が入る。


「こちら中川です。えっと、今交戦中と見られるのが、第1班と第4班の生徒数名です。ごめんなさい、人数が把握できませんがとりあえず先生が暴れまわってます・・・。第2班は、姿が見えません。第5班は、陣地・・・ザザ・・ま・・・いま・・・ザザー・・・」


あれ?おかしいな。ちゃんと交信できていたのに急にノイズが入る。何度も発信し直すもやはり向こうには届いていないようだ。


「どうしたんだよ?あまりこの場所に長居できねぇぞ。そろそろ行くぞ!」


「ちょい待ち!後陣と交信できなくて。肝心の第5班の様子が分からなかったんだ。」


そう聞くと彼は軽く舌打ちをして移動すると言い出した。敵もまだ近くにはいなかったのでとりあえず私たち二人は第5班の陣地に近づくため、その場から移動を開始しようとした。


ガチャリ


銃をスライドし、ゴム弾が即発射可能な状態であることを示す音が聞こえる。真上からだ。


「ふたみん、みーつけた♪」


「「!!」」



同刻、第1班。

そこには、女王がいた。というより女帝か。スラリとした高い身長。黒髪のポニーテールを揺らし、アサルトライフルが発射口を肩に乗せるようにして持たれている。(くどいようだが装填されているのはもちろんゴム弾だ。)棒付のキャンディを舐めながら笑顔を絶やさず、今や遅しと生徒たちの挑戦を待っている。彼女は、王様の横から一歩も動かない。相当な自信があるのだろう。作戦自体も『先生が1人で王様を守るからあなたたちは好きに動いていいわよ!』とだけ言ってくれた。まさに鉄壁なのである。先生の加入により1班の敗北はなくなったのだ。安心して王様を任せられる。あぁ、一條さん、休んでくれてありがとう・・・。


「あ、雪平さん。負けてきたらお仕置きだから~」


「え!?、あっはい!王様をよろしくお願いします!」


先生は、キュートな笑顔で私たちに忠告を述べる。ドSの杉田先生だ。どんなお仕置きをされるか分からない・・・。先生を守りに置いている以上私たちの失敗は許されないんだ!!


「よし、じゃあ行きましょ!」


私は、3人を引き連れて市街に出た。


「いい?絶対に優勝するわよ。何よりお仕置きが怖すぎるし。とにかく相手を潰す。それだけよ。まずは、5班を狙うわ。あいつら全員男子でそのうえバカばっかりだからきっと私たち1班を、いや正確には先生撃破を狙ってくるはず。あいつらの陣地はきっとスカスカよ!小野さんは、伝達係お願いね!小山さんと小島さんは、私のサポートで。いいわね?」


そこまで伝えると3人は、それぞれOKと呟き私たちの作戦が開始される。早く移動しなければ5班とお見合いしてしまう可能性があったので素早くその場を後にした。その時だった。


バァァン!


乾いた銃声が響く。まさか、もう5班が!?


「うおおおおおおお、行くぜ、野郎どもーーーー!!!!」


その声の方向を振り向くと5班の4人が全力で走ってくるのが見えた。作戦もへったくれもない。まさに突撃だ。ん?待てよ。彼らが今1班の陣地に向かっているということは、さっきの銃声って?


「まさか!?」


そのまさかだった。発信機のモニターを確認すると第4班からの2人が杉田先生とすでに交戦していた。

そしてすぐさま第5班の4人も戦いに身を投じる。先生1人対6人の生徒による壮絶な銃撃戦が始まったのだ。


「あらあら、そんなに死に急いじゃって。これだから生徒との銃撃戦はやめらんない♪」


ぎゃああああ、わああああああ、せんせーーーー!と言った悲痛な叫びが1班陣地には飛び交う。

そのあまりにもえげつない先生の攻撃に級友を助けに行くべきではないかと思ってしまうほどだった。


呆然と戦況を眺めることほんの数分。先生の周りには、6体の屍が横たわっていた。


「んー、残念♪もうちょっと楽しませてほしかったなぁ」


あの笑顔、恐ろしい・・・。



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