喧騒そして静寂
ヘリオスの影に隠れて第一撃からの難を逃れた駆逐艦バンデットであった。
旗艦からの飽和攻撃指令に従いあらん限りのミサイルをガレリアに撃ち込んだ。無論その中にはレーザー照準機を狂わす発光弾やレーダーをかく乱するチャフ弾それに破片を撒き散らすボール弾も含まれている。にもかかわらずガレリアはいとも簡単にミサイル郡を叩き落してしまった。
「化け物め。」スティーブン・ワイヴェル艦長が呻く。
既に残る武装は化学エネルギーのレーザー砲と無反動バルカン砲のみとなっている。
旗艦がヘリオスドッグに入ろうとして向きを変えている。大型の船体の動きは遅い。駆逐艦は旗艦の護衛のために周囲を警戒していた。
「艦長!ガレリアが拿捕したラグビーボールを吐き出しています。」
「まさかあれで我々を攻撃するつもりか?」
ただでさえあの機体の為に大損害をこうむっているのだ。本当にガレリアに寝返ったのであれば恐るべき脅威となる。
「艦長丁度良いです。あいつがヘリオスに接近すればガレリアは砲を撃てません。こちらから打って出るべきです。」若い砲撃手が進言した。
死中に活有りというわけか。しかし若い兵士には自分の能力を過大視し、敵の能力を過小評価する傾向が有る。それはこの砲撃手も同じ事なのだ。しかしそれは若さゆえ仕方無い事なのであろう。
「ガラン中尉あいつに我々がどれ程の被害を受けたか判っていて言うのか?」
「死中に活有りです。少なくとも旗艦がヘリオスに逃げ込む時間は稼げます。」
艦長は大きくため息をついた。
戦術としては基本的な行動だ。とはいえ丸腰に近い形で出て行くのは気が進まない。特攻は現に慎まねばならない戦法なのだ。
しかし今守らなくてはならないのは旗艦である。旗艦が残れば少なくとも戦後の交渉が可能になる。交渉する相手が残っていればだが。
「よし行くぞ。副長!ランチを出せ。なるべく本艦から離れろ。」
「艦長!私は副官です。艦長が倒れたら誰が指揮を引き継ぐんですか?」
「私が死んだら総員退艦しろ。これは全員に対する命令だ。だから君のこの艦での仕事は無い。乗員の救助を頼む。」
艦長はこのほとんど勝ち目のない戦いに出るにあたり乗員の犠牲を最小にしたいと考えていることは明白である。自分の仕事は敵と戦う以上に重要なことなのだ。副長は唇を噛み締めて艦長の命令に従うことにした。
「判りました。艦長ご無事で。」艦長の意志を確認すると副長はランチを発進させに行った。
「ラグビーボールの動きはどうだ?」
「半数に別れこちらに向ってきます。すごいスピードです。」
「よし迎え撃つぞ。」
駆逐艦はヘリオスの陰から発進した。遼艦もそれに続く。
あのラグビーボールに対抗できるのは強力な推進力を持ち加速性と運動性に優れる駆逐艦だけだ。戦艦や巡洋艦ではあのスピードの餌食になってしまう。
「最大加速!行くぞ!!」
刺し違えてでも一撃を食わさねばならない。ミサイルを打ちつくし砲だけの艦にどれだけの戦闘力が有るのか見せてやる。ラグビーボールは散開してこちらに向って来た。
「主砲発射!」
戦艦ではないので主砲と言っても艦首に付いた固定式レーザー砲だ。それでも至近距離では戦艦の主砲並みの威力を出せる。化学レーザーならではの速射も可能である。
ラグビーボールは右に左に回避行動を取りながら接近する。早い!自動追尾が追いつかない位だ。
「構わん全弾撃ち尽くすつもりで撃て。」
「ラジャー!!」
砲術仕官のガランだけは鼻息が荒い。腕は良いがいささか先走りが過ぎる。年を取ればいい士官になるだろうが。
ラグビーボールの急速に一機が接近する。ガランが先読みをしそこに砲を撃つ。しかしそれを察知した敵機はすばやく位置を変える。しかし最初の砲撃はフェイントだった。次のポイントを予測してガランは撃っていた。砲はラグビーボールの上部をかすめ装甲を破壊した。敵機はもんどりうって回転を始める。
「いまだ!」
ここが狙い目とガランは照準を合わせた。ところが敵機は回転しながら砲を撃ちそれが艦に命中する。船体に衝撃が走りガランはラグビーボールを撃ち損なった。
「あ、あんな状態でどうやって当てられるんだ。」偶然ではない確実に狙って撃っていた。
「右エンジン被弾!」怒鳴り声が響く。
しかし砲術仕官はそんな事に気を取られてはならない。砲術手は相手に弾を当てることいだけを考えていれば良いのだ。
「右燃料タンク出火!」
「消火装置作動しましたが火勢が強すぎます。」
各部が被害状況を報告してくるがまだ戦闘は可能と判断できた。
「右タンク切り離し。」
燃料タンクを支える爆発ボルトが作動し駆逐艦の右側の燃料タンクが放出された。
そこに一機が再び接近して来る。頭が壊れている。さっきの奴だ。
「こなくそっ。」
ガランはレーザー砲を放出した燃料タンクに向け撃った。燃料タンクが爆発しガスが敵機を包み込む。そのあたりにガランは無反動バルカン砲の実体弾を打ち込んだ。しかし敵機は自らをガスが包み込んだと同時に位置を変えていた。上部から駆逐艦に向けてレーザーの一連射を浴びせる。
「左エンジンに被弾!」機関部から報告が入る。
なんてやつだ最初の攻撃からすぐに学んで判断を変えてきやがる、恐ろしいやつだ、ガランはそう思った。
「左右会わせての推力は定格の40パーセントに低下。」
速さが取り柄の駆逐艦の推力がなくなってしまったのだ。
「各部残弾数を報告!」
「バルカン120発。」「主砲3発。」「副砲25発。」「ミサイル無し。」艦橋に報告が響く。
敵機は周囲を旋回しながらこちらの状況を見ている。ここまでか。艦長は決断した。
「総員退避!」艦長が怒鳴る。
「艦長!まだ戦えます。」ガラン中尉が火器管制席から怒鳴った。
「旗艦が退避するのに十分な時間は稼いだ。これ以上の戦闘は無意味だ。」
「退艦中に攻撃されます。」
「残存弾数では退艦中の防御にしかならん。私は回避運動で敵機をひき付ける。その間に全員退艦しろ。」
「自分も残ります。火気管制をやらせてください。」ガラン中尉が詰め寄る。
こういう奴は死なせたくないな。艦長はそう思った。いきなり艦長はガランの腹を殴った。付属機器を避けての宇宙服の上からの正確なボディであった。
さすが元学生ボクシングチャンピオン。ガランは息が詰まってうずくまる。
「その馬鹿をつれてとっとと退艦しろ。」
「はっ!」悶絶しているガランを他の隊員が引きずって退艦した。
艦長は自動航行で回避プログラムを作動させ自分は火気管制を一手に引き受け残った弾を惜しみなく撃ちまくった。
「ちっくしょう。あの艦長とんでもねえ野郎だ。」
引きずられて宇宙空間に放り出されてからガラン中尉は呻いた。
「馬鹿やろう俺たちを脱出させるための行動だ。」ガランを引っ張って退艦させた兵が言った。
「そんな事は判ってる。ひとりでかっこいいとこ取りやがって。艦長死ぬんじゃないぞ。」
回避行動を取りながら砲を撃ちまくる駆逐艦に敵が取り付きなぶるように攻撃をしかける。砲を次々に破壊され最後にエンジンを撃ちぬかれた。
ガラン達からかなり離れた所まで移動すると、大爆発と共に駆逐艦は消滅した。
「艦長~っ!!」大声でガランは叫んだ。
「ばかやろうかっこつけやがって何だって死んじまうんだ。まだまだあんたには教えてほしいことがいっぱい有ったのに。」
退艦した全員が艦長の死を確信し、言葉を発することも出来なかった。
「あんまり大声を出すな。」いきなりヘルメットに艦長の声が響いた。
「艦長?」ガランが不思議そうな声を出した。
「生きていたんですか?」
「勝手に殺すな。撃沈される前に飛び出したさ。」艦長はそう言って大声で笑った。
戦闘終了と共にファルコンは全機ガレリアに戻ったが、しばらくして再び発進した。
発進したファルコンには即席の裁架装置が取り付けられ何体もの作業ロボットを搭載しており、全速で各方向に散らばって行った。
地球軍駆逐艦バンデットから辛くも脱出したスティーブン・ワイヴェル艦長だったが孤立して宙に浮いていた。無線は通じるがランチからはだんだん遠ざかって行く。当然だランチからは全力で遠ざかったのだから。
「あと何時間持つかな?」艦長はつぶやいた。
彼の宇宙服か生命維持装置には穴が開いているようだ。酸素の消耗が激しい。艦が集中砲火を浴び爆発寸前に脱出したので有る。破片のひとつやふたつ当たってもおかしくない。とにかくランチから離れすぎている。救助は期待できない。
「これまでか?」艦長はそう思った。
とにかく酸素の消費を少なくするしかなかった。酸素不足で死ぬ時は眠くなって死ぬそうだ。苦しさを感じる事は無いと言う。真空中で体を半分ふっとばされて死ぬよりははるかにマシな死に方かかも知れない。
艦長の目の隅に何かが写った。「救助か?」目を凝らして見る。確かに噴射炎だ。
「助かった。」艦長はそう思った。
サバイバルキットの中から発光ステイックを取り出し真ん中を折ると棒が真っ赤に輝き出す。ワイヴェル艦長はそれを救援機に向けて必死で振り回した。
噴射炎は急速に方向を変える。こちらを認識したようだ。しかしランチにしては早すぎる。急速に近づいてくる機体を見て仰天した。ラグビーボールだった。そのラグビーボールからグロテスクな格好をした物体が飛び出してきた。ロボットだ。
ロボットは狙いたがわず艦長を捕まえると後ろに引きずっていたロープに引っ張られてラグビーボールに引き寄せられる。ものすごい加速が艦長に加わった。
「わわわっ、なんだこいつ俺を殺しに来たのか?」
なんという執念深さだ。戦闘が終了したにもかかわらずわざわざ残存兵を狩り立てているのか?艦長はそう思った。
「くそっ、殺されてたまるか。」
艦長は拳銃を取り出してロボットを撃とうとした。せめて一撃を与えてから死んでやる。ところがどこから出てきたのか小さいマジックハンドは簡単に拳銃を取り上げる。
こいつ何本腕を持っているんだ?艦長はそう思ったがもう遅い。艦長はなす術も無くロボットに捕らえられたままだ。ところがそのロボットがいきなり艦長を持ち上げると思いっきり放り投げた。
「な、何しやがるんだ。人を捕まえたと思ったら放り投げやがって。」
「馬鹿ヤロー、覚えとけ~っ。」放り投げられ艦長は自分の危機的状況も忘れて怒鳴った。
「一体何だってんだ。あの野郎何しに来たんだ?」
「艦長!」誰かの無線が入った。
「え?」背中に何本もの腕を感じる。
「艦長よくご無事で。」たくさんの腕が艦長を受け止めた。
ワイヴェル艦長が周りを見渡すと護衛艦のクルーがいた。ランチも有る。なんで自分がここにいるのか理解できなかった。しかしこれだけははっきりしている。
自分は助かったのだ。
「あのラグビーボールが艦長を運んで来ました。」
艦長は去って行く噴射炎を見た。
「あの野郎に助けられたのか。」艦長は複雑な思い出ラグビーボールを見送った。
戦場から戦火が消えた。驚くほどの静寂がこの空域を支配している。戦場のあちらこちらに脱出した乗員達が身を寄せ合って漂流している。
ガレリアは勝利の喜びであろうか船外の保安灯を明滅させて存在を誇示していた。やがてガレリアは木星中に響き渡る程の高出力で通信を始めた。
『私は地球製無機頭脳搭載の球形艦ガレリアです。木星宙域での戦闘は終了しました。現在一切の戦闘は行われていません。木星中の自治区及び艦船に要請いたします。直ちに生存者の救助に当たってください。戦闘の危険性は既にありません。』
この放送をガレリアは3度繰り返して各自治区からの救援を要請した。しかしその後に続けたガレリアの通信に木星中が驚愕することになった。
『我々無機頭脳は無機質製知生体としての人格権をここに宣言いたします。我々無機頭脳は人類と同じく人権を有する者とし、今後何者と言えども無機頭脳本人の同意無しに無機頭脳に対しあらゆる行為を強制する事はできません。』
無機頭脳が初めて行った人権宣言であった。
『我々は人類との対立を求めません。人類は自らの責任において自らの事を決定すべきであり、その事に無機頭脳は干渉いたしません。同様に無機頭脳の未来は無機頭脳によって決定されるべきであり、人類はそれに干渉すべきではありません。』
ガレリアは人類と無機頭脳の相互不可侵を提案したのである。
『しかし既に地球製の無機頭脳頭脳12体が木星に向かっています。私は木星における無機頭脳の代理人として木星製の世界初の無機頭脳であるシンシアを指名します。やがて地球から到着する無機頭脳達の処遇を含め人間と無機頭脳に関する一切の事柄はシンシアとの会談によって決定していただきます。』
ガレリアの放送は木星中の全ての人間に聞こえた。
あるものはコロニーの自宅のテレビで、あるものはビルに取り付けられたスクリーンから。そして破壊されたコロニーから脱出してきた住民、戦艦から脱出してきた兵士、戦争を見守ってきた多くの人々はガレリアの圧倒的な力の前に恐れおののきながらこれからの世界の変貌を告げるガレリアの言葉を聞いていた。
『人類が無機頭脳との共存を考えるか否かは人類とシンシアが決める事であり、人類が無機頭脳の人権を尊重する限りにおいては無機頭脳は人類に大きな可能性を提供できる者で有ることは確信しています。私は人類が我ら無機頭脳の人権宣言を受け入れ、無機頭脳を人間として処遇してもらえる限りにおいて無機頭脳はその能力を人類に提供する用意があります。人類が我々との共存を拒否した場合、私は再びここを訪れる事になるでしょう。』
こう言ってガレリアは無線を切った。
「ママ、ガレリアがママの事を代理人だって言ってた。どういう意味なの?」
アリスがシンシアの作業ロボットの腕を揺する。小さい時から変わらない仕草である。
「私に木星における無機頭脳の将来を託すと言っているのです。」
「すごい、ママは無機頭脳の代表者になるの?」
アリスに取ってシンシアは普通の母親に過ぎなかった。ところがいきなり人類の運命を握る存在になってしまったことに対し戸惑い共に誇らしさを覚えたのだった。
「まだ無機頭脳は私しか居ませんから。」
シンシアはアリスの気持ちを察して冷静な判断を求めた。
「地球から12体の無機頭脳が来るって言ってたわ。」
アリスは自分の思いが母親に伝わらなかった事に対して少し不満であった。
「人間が私たちを簡単に認めるとは思えません。」
「だってガレリアが無機頭脳を人間として認めるって。」
人間の中で過ごしてきたシンシアにしてみれば人間というものが如何に移ろい易く感情に流されるものかを理解していた。しかもガレリアによりおそらくは数十万人の犠牲者が出た後である。代償というにはあまりにも高い代償であることはシンシアにも判っていた。
「人間が了承した訳では有りません。私たちが人間と共存で来るようになるにはこれから長い時間を必要になるでしょう。」
『係留中のドッグの扉が開きました。発進してよろしいでしょうか?』船内コンピューターが告げてきた。
ガレリアはシンシアたちに退去を求めて来たのだ。
「発進?ここから出て行くの?」
「そのようにガレリアは言っています。」
「これで家へ帰れるのね。」
アリスは再びこれまでの生活が戻ってくると考えて喜んでいるようである。しかしシンシアは二度とその様な生活には戻れない事は判っていた。
「わかりませんが、多分私たちは元の家には帰れないでしょう。」
「どうして?戦争は終わったんでしょう。」
作業ロボットはアリスを引き寄せると母親が子供を諭すように言った。
「ガレリアは人を殺しすぎました。多くの人の恨みを買ってしまいました。同じ無機頭脳である私を殺したいと思う人は多いでしょう。」
「どうして?ママは何もしていないのに。」アリスは泣きそうな顔をしてロボットを見上げる。
「人間とはその様な物です。」
「そんなのひどいよ。」
シンシアは人間というものがこのような場合に如何に利己的で感情的な行動を取るのか理解していた。そしてその行動の抑止には恫喝が有効であるということも理解していた。その事をどう捉えるかは判断が分かれるであろうしかしそれが人間というものなのだ。
「アリス安心しなさい。人々はガレリアの能力を嫌というほど見せ付けられました。政府は私が死ねばガレリアが報復に来ると思っています。報復を恐れる各国の政府が私を守ってくれます。」
そしてシンシア達の乗ったクルーザーはガレリアから発進した。外ではまだファルコンがクルー達の救助に当たっていた。
アリスはあまりにもめまぐるしく変わる状況に心身ともにつかれていた。子供には耐え切れないほどのストレスがかかっていたのだ。安堵の感情は急速な疲労に変わりアリスは眠気を催した。シンシアは寝室に連れてゆき寝かせることにした。
ガレリアは軌道に乗ったまま悠々と浮いておりそのまま圏外に脱出するつもりらしい。
――静寂の時が過ぎて行った。
「こちらレグザム自治区巡視船タイホール。現在生存者の救助に当たっている。そこのクルーザーに生存者はいるか?居れば応答せよ。」
ガレリアが去り静寂を取り戻した宇宙に漂うクルーザーを発見したのはレグザム自治区から救援に駆けつけた巡視船であった。
「こちらプリンスオブペルシャ。生存者は子供一名、無機頭脳一名。」
シンシアは巡視船に救助を求め返答を返した。
「待て、なんと言った?生存者は?」
シンシアの発言を聞きとがめた巡視船は再度質問を返す。
「女の子供一名、無機頭脳一名です。」
「無機頭脳だと?冗談を言っているのか?」
巡視船の艦長もガレリアの放送を聞いていた。今や無機頭脳の事を知らない木星人はいない。しかし指揮系統が乱れ、人間の救出が最優先され無機頭脳の捜索は後回しにされていた。その中で生存者の捜索にあたっていた巡視船がたまたまクルーザーの救助信号を発見することになった。
「冗談ではありません。私が無機頭脳のシンシアです。」巡視船の無限とも思える沈黙が有った。
少なくともこの巡視艦の艦長は無能ではなかった。無機頭脳であるシンシアとトリポールの惨劇、そしてガレリアの報復という概念を直ちに結びつけると本国に暗号通信を送り戦艦を直ちに出動させた。
レグザム自治区においてガレリアの危険を憂う声もあったがガレリアの報復に対する恐怖の方が先に立ち、自治領主は直ちにシンシアの保護の命令を軍に対して下した。
すべてのことに優先し、コストを無視して戦艦が出撃した。最短軌道を通ってシンシアの所へ到着したのはわずか2時間後であった。
アクセスいただいてありがとうございます。
登場人物
ドーキンス・ガラン 軍人 駆逐艦バンデット搭乗 中尉
スティーブン・ワイヴェル 地球軍所属 駆逐艦バンデット艦長
人は利害においてのみ生きる訳ではありません
しかし組織は利害においてのみ生きる物です…以下沈黙の次号へ
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