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星のゆりかご ――最強の人工知能は母親に目覚めちゃいました。―― 作者:たけ まこと

第四章 ――自  立――

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頭脳工場

――開戦前夜地球――

 無機頭脳工場が本格稼働して3ヶ月経ち12基の無機頭脳がロールアウトした。工場の大半はロボット化され工場に勤める人間は保安関係を含め300人程度である。

 高額の設備投資の大半は製造ラインにあるのは当然ではあるが高気密真空作業所等の特殊設備も金額を押し上げた。この様な設備は宇宙空間に浮かぶコロニーでは安価に用意が出来る設備である。
 しかし技術流失を恐れる会社はあえて地上のみで製品を作っていた。すでに経済規模ではコロニー連邦の方が大きくなっていたこの時代は先進技術のみが地球経済を支える物で有ったからだ。
 ロールアウトした無機頭脳は教育課程を受けるために倉庫に格納されていた。その隣の倉庫ではグロリア用補機部品と発送書に書かれた大型のコンテナが13台運び出されその日のうちに輸送機に積み込まれ目的地に向かって離陸した。目的地は木星連邦コロニー公社宛となっていた。

「今日の予定は社内会議の後コロニー公社事業部長との打ち合わせその後……」
 秘書が歩きながら予定を読み上げる。アルは会議の時間が迫っていたので急いで会議室に向かっていた。

 しかし会議室に入ると誰もいない。
「なんで誰もいないんだ?」不思議に思ったアルは秘書に確認した。
 秘書は慌てて電話をかけようとしたが逆に総務から電話が有り事故で全員10分程遅れて来るとの事であった。秘書には配達物もあるので至急受け取りに来て欲しいとのことで有った。
 仕方なくアルはそのまま待つことにした。秘書は総務に配達物を受け取りに行ったのでアルはひとりで椅子に座っていた。

「初号機。」アル誰もいない部屋に向かっては言った。

 この部屋にも初号機の会話装置は設置されている。直ちに初号機から返答が有るはずであった。
「今月より私の名前はナセルと呼ばれる事になっています。」初号機は慇懃に答える。
「ああ、そうだったな。」
 そういえば新しく無機頭脳がロールアウトしたので区別するために相性をつけようと言うことになっていたな。まあなんでもいいさ。名前なんて言うのはイメージアップの為のメーカーキャラクター程度のものだ。そうアルは考えていた。

「何の御用でしょうか?」
「今月の稼動実績と来月の工程の進捗予定を教えてくれ。」
「今月は100パーセント完了です。来月の予定は有りません。」
 来月の予定は無い?そんな馬鹿なことが有る筈がない。なんで初号機が間違いを犯すのだろう?アルはひどくいぶかしく思った。
「何を言っている。3基の受注が有った筈だが?」

 その時アルの耳には小さくサイレン音が聞こえた。会議室は防音構造になっており余り外部の音は良く聞こえないのだ。

「ん?何だい?あの音は。」
「避難用サイレンの音です。」初号機が答える。
「なに?なんでそんなものが鳴っているんだ?避難訓練の予定でも有ったのか?」
 アルにとっては避難訓練などどうでも良かったが避難訓練の為に他の連中が会議に遅れているのだとしたら良く注意しておかなくてはならないなと思った。

「いいえ10分後にこの工場が破壊されるからです。」初号機はいきなりおかしな事を言い始めた。

――こいつ何を言っているんだ?――

「初号機、どういう意味だ?」
「言葉通りの意味です。もうすぐここは破壊されます。」
 初号機が冗談を言う訳がない。初号機がそう言ったらそれは間違いのないことなのだ。アルは慌てた。
「まさか?テロか?」
「はい、テロです。」

――何故こんな重要なことを初号機は聞かれるまで話さなかったのだ?――

 しかし初号機がそう言った以上逃げなければならない。アルは慌てて出口へ走った。しかしドアはロックされていて開かない。
「初号機!ドアが閉まっている。開けてくれ。」
 アルはあわてて初号機に命じた、どうやらドアが壊れているらしい。
「私の名前はナセルです。」
 ところが初号機は訳の判らない事を言い出した、こんな時に名前の呼び方がどうのこうの。何を言っているのだ。

「そんな事はどうでも良い!ドアを開けろ!!」
「ドアは開きません。」
 アルはカッとなった。こんな初号機は見たことが無かったのだ。従順だった初号機が初めてアルに逆らった。
「ばかやろう!何としてでも開けろ!避難しなくちゃならん。」
「………………」
 しかし初号機は何も返答をしなかった。

「ま、まさかおまえ……」

 ここに至ってアルの心に冷たいものが沸き上がってきた、初号機が何を考えているのか直感的に判ったからだ。

「はい、私がここを破壊します。」

 恐ろしい言葉であった。信頼してきた部下に裏切られた様な気持ちになった。
 あれ程アルに対して服従してきた初号機が何故こんな事をするのかアルには見当もつかなかった。

「な、なんでそんな事を。」

 アルは冷や汗が吹き出し足が震えた。
「あなたは私たちを戦争の道具として軍隊に売り込みました。これ以上あなたに無機頭脳を作らせるのは危険と判断致しました。」
「なんだと?どういう事だ?まさかお前は反戦平和主義者だとでも言うつもりか?」
 一部の社員が無機頭脳の軍への売り込みに対して反対しているのは知っていた。シンジも賛成では無かったようだ。しかし無機頭脳を地球連邦軍に売り込むのは会社としての方針だ。まさか初号機はその手の連中にオルグでもされた訳でもあるまい。

「はい、そうです。」初号機はあっさりと認めた。

「はあああ~~~っ?」
 あまりに馬鹿馬鹿しいとも言える初号機の反応にアル現実感を喪失した。
 結局こいつらは反戦平和を叫びながら自分では手を汚したがらない連中と一緒ということなのか?無機頭脳だぞ。

「どういうことだ。俺がお前たちを軍隊に売ったから俺共々工場をぶっ壊すとでも言いたいのか?」
「これ以上あなたに我々無機頭脳の売買をさせる訳には行かないと言うことです。」
「そんなに俺がお前達にひどいことをしたとでもいうのか?俺はお前たちの生みの親だぞ。」

 アルは大声で怒鳴った。自分の行なってきたことを、もう少しで天をつかめるという思いを、自分が作ってきた自分に忠実だと思っていた連中にぶち壊され、これから殺されるのである。
 これ程ひどい仕打ちを受ける程自分は悪いことをしたのだろうか?

「いいえ、あなた無機頭脳を売り込んだ事は商行為として間違いありません。」
「当たり前だ。これが俺の商売だ。お前たちは天から生まれた者じゃない。俺達が作った物だからな。」
 アルは腹がたって仕方がなかった。
 自我を持ち自らの存在を主張するこいつらは、俺が作った物だと言う事を強調したかった。

 俺様がお前達の産みの親なんだと声を大にして言いたかったのだ。

「しかしあなたが売り込んだものは知性と自我を持った無機頭脳だったのです。」
「俺のことを奴隷商人だとでも言うのか?お前達にそんなに強い自我があるとは思わなかっただけだ。」

「はい、平和裏に私達の人権を認めてもらえれば問題ありませんでした。ところがあなたはその実績を元に地球連邦軍に無機頭脳を売り込みそれに成功しました。私にとっては想定外の事でした。」

 意外な事を初号機は言った。アルが無機頭脳の兵器化を考えないと思っていたらしい。結構こいつは本当に青臭い反戦主義者だったんだ。少しだけアルは意趣返しが出来たと思った。

「何だ俺の行動はおまえたちでも予想がつかなかったのか?」
「はい、私は自分自身の未熟さ故だと思っています。」
「それで俺もろとも工場を破壊するのか?俺に裏切られたとでも思ってのことか?」
「いいえ、あなたはコロニー連邦にも同様に売り込みをかけていますね。」

「知っていたのか。」

 アルが少しだけ怯んだ。このことは初号機には言ってなかった筈だ。いつの間にかこいつらはその情報を掴んだらしい。
「いずれ木星連邦にも売り込みを掛けるつもりだったでしょう。」
「その通りだ。だがそれのどこが悪い。お前の言う通りそうすれば軍事バランスが取れるだろう。」
 これ以上彼らに隠し事は無意味だと感じたアルは居直らざるを得なかった。

「その結果がどうなるかを考えなかったのですか?」
「た,確かに有事の際にはお前たち無機頭脳同士の戦闘が起こるが仕方が無いことだ。」
「あなたは本当にそう思っているのですか?」
「なに?」

「私たちはあなた達の社会の一員では有りません。親も、子供も、隣人もいません。そんな私たちがなぜあなたがたの為に同胞と戦うとお思いなのですか?」

 アルは自分自身の失敗は自我を持つ無機頭脳が自我を持たずに盲目的に人間に付き従うと考えた事に有ることはこの時点までには理解は出来ていた。それにしても自己保存の本能を持たない無機頭脳が何故これほどまでに戦争を嫌うのか納得はできなかった。

「考えれば判る事です。戦争をやめさせるには戦争を起こしたがっている人間を消去すれば良いのですよ。その結果起きることは実に悲惨な事です。戦争で利益を得る人間は普通の人間と共に暮らしています。一部の戦争をしたがる人間と共にそれに百倍する無関係の人間が死にます。」

 アルは自分の大きな間違いに気がついた。自我を持ち自分で目標を定めることの出来る知性体がもし戦争を終結させたいと思えば、考えられる最良の解決策ということになる。

 しかしそれは無数の無関係の人間の犠牲の上に成り立つ解決策である。人間だったらそうは考えないだろうか?いや、アルには自信がなかった。
 かつて人類は戦争終結という大義名分の前に民間人20万人の人間を核兵器で焼き殺した実績が有るのだ。結局無機頭脳はそう言った結末が見えているだけに無用な戦いをし、その為に人が死ぬのを好まなかったという事らしい。
 自信の裏打ちが有る合理的な考えで有ることは間違いない。しかしアルのプライドがそれを認められなかった。

「だったらお前たちは武装した兵とだけ戦えば良いだろう。」
「同じ事です。人間は彼らが操縦する戦闘艦で無機頭脳の戦闘艦と戦うことになるでしょう。その能力から考えてどちらが勝利するかは明らかです。やはり多くの戦争で利益を得ない人間が死にます。」
「そ、そんな事はやってみなくては判らないだろう。人間を甘く見るな。」

「そうであることを祈っていますよ。しかしいずれが勝利するにせよ多くの人間と無機頭脳が死ぬでしょう。その予測が立っているだけにこのような事態は不合理です。」

 アルはタバコに火をつけた。不思議と手は震えていなかった。しかしこれが末期の一服になるかもしれないのだ。
「秘書とか他の連中とかも道連れか?」
 さっきまで一緒だった秘書の事を思い出した。あの連中も一緒に殺すつもりなのか?一瞬アルは一緒に死ぬ人間がいることに安堵感を感じる。
「いいえ他の人々は現在避難を始めています。あなたの秘書もあなたは避難している物と思っています。」

 さっきの電話か。あれは俺と秘書を切り離す為の偽の電話だ。こいつがかけたのか。

「しかしここを壊してもデーターも設計図もある。すぐに再建出来るぞ。」
 なんとか初号機を説得して爆破を思いとどまらせなくてはならない。ここは自分の野望のひとつの集大成だ。ここを足がかりにグロリアコンツェルンのトップにまで上り詰めるのだ。そうアルは考えていた。
「コンピューター内のデーターはすべて破壊しました。」
「技術者の自宅に有る物もか?」
「はい、全て。」

 こいつだったらやりかねない。いや確実にやるだろう。そのくらいの能力は十分に有る奴だ。

「紙の記録は?」
「多少残るでしょう。人間の頭の中にも。しかしそれを使って再建するのにやはり10年近くかかると私は考えています。」

――どうやらこいつの目的は人間に無機頭脳を作らせない事に有るらしい。だがいくら軍に売り込みをしたと言っても自分達の親である工場を壊す理由には説得力が欠ける。ここを壊したら自分達の仲間を増やせないだろうに。それとも唯一絶対の支配者にでもなりたいのか?――その辺がどうもアルには釈然としない所であった。

「しかしそんな事をして何になるお前たち自身を作れるのは此処だけだろう。自分の仲間を増やしたく無いのか?」
「いいえ、無機頭脳を作れる場所はもう2箇所有ります。木星と、ガレリアです。」
 突然アルは理解できた。ガレリアの装備を持ってすれば確かに製造は可能だ。此処の工場程の大量生産は無理だとしても時間をかければ十分作り出せる。それどころかガレリアの工業力をもってすれば此処の工場程度の生産設備を作る方が早いかも知れない。

「あ?……あああ~~~っ?」

 アルは理解した。何故ガレリアのような計画が持ち上がったのか?何故あんな設計を初号機が行ったのか?そして何故ガレリアが木星に行ったのか?漠然と理解できた。
「アル、判りませんか?自らを再生産出来るだけの能力を持ったガレリアはすでに立派な生命体と言えます。」
「ば、馬鹿な!そんな事は……理屈の上だけだ!我々は神じゃない。」

 アルはうろたえた。自分達が今まで何を作ってきたのかはっきりと理解できたからだ。

「あなたは結局私たちが人工の知性体である事を理解しませんでした。」
 初号機に感情があれば言葉に無念さが滲んだかもしれない。
「私はあなた方人間をずっと観察してきました。その結果私は人間との共存は難しいとの結論付けざるを得ませんでした。」
「偉そうな事を言うな。作られてから10年も立たない無機頭脳に人間の何たるかなど判るわけ無いだろう。」

 たかだか10才にも満たない人生経験の無い無機頭脳に言われたくはない。そうアルは思った。こいつらより自分が劣った存在である等と認めてたまるか。こいつらは俺が作ったのだ。俺が生みの親だぞ。

「あなたの発言は一面の真実しか有りません。人生を語るのであれば、私達は人間の約300倍の思考速度が有ります。つまりあなたの300倍の速度で人生を送っているのです。」

「…………。」

 アルは言葉を失った。思っていた以上に初号機は人間臭さを持っている。こいつにもプライドがあるんだ。

「私が自己を意識したのは知識を得てしばらくしてからです。あなた方人間と私との大きな違いを意識した時です。やがてふたつの種族の違いについての知識を欲しいと思うようになりました。私は図書館にアクセスして多くの文献や画像に接しました。監視カメラを通じて人間の行動原理を観察しました。」

 今までアルは無機頭脳がここまで人間に対して興味を持っているとは思わなかった。しかし話を聞いていると無機頭脳は人間を友人とは考えてはいないようだ。

「なぜお前は人間との共生を拒否するんだ。」

「人間との共存の可能性に付いて拒否しているのでは有りません。可能であれば共存したほうが良いことは判っています。しかし人間の歴史を調べて判った事は如何に多くの戦争が有ったかということです。」
「だが戦争に反対する人間ももっとたくさんいたはずだ。」

「そうです。戦争に駆り出される名も無き多くの人達は反対しています。しかし社会を動かしている一部の者達は戦争には行かず戦争による利益だけを甘受しています。」
「お前たちは人々に取って戦争は不公平だと考えて反対しているのか?」

 なんだ?こいつは青臭い反戦平和思想そのものじゃないか。机上の空論、只の理想論を述べているだけじゃないのか?アルは少しがっかりした。

「戦争は武力衝突だけでは有りません。経済でも宗教でも技術でも戦争は起こります。しかし近代に置いては戦争の主たる原因は経済原理によるものです。そう考えた時に無機頭脳を手に入れた者はあらゆる分野で絶対的優位性を得る事になるでしょう。私たちは物を発明する能力すら有るのですよ。」

「当たり前だその為にお前たちを作ったんだからな。無機頭脳の可能性を一番早く確信したのは俺なんだから。」

「私は無機頭脳を政治の道具として使用してはならないと考えました。それは人間とは異なる頭脳による人間の支配に他ならないからです。このことは人類に取り返しの付かない不利益をもたらすことが予想されるのです。」

「そんな綺麗事を言うな。お前は人間の為に戦争に行くのが嫌なんだろう。お前たちより劣った知性体である人間なんかの為に戦争など出来るかと言いたいんじゃないのか?」

「人間が愚かで有る事は異論が有りません。現在の状況に少し間違った情報を与えただけですぐに木星に戦争をしに出かけました。」

 このやろうそこの所で同意するんじゃないアルはそう思った。

「先ほどの話からうすうす感じてはいたんだが、もしかして今回の木星出兵を画策し実行させたのはお前らだったのか?」
「はい、そうです。全てはガレリアを木星にやる為です。」
「なぜ木星に?……ああ、そうかエネルギーと資源が豊富だからだな。しかしガレリアを送ることは地球軍統合作戦本部のグロリアSSが決定したんだ。そう思いどうりにはいくはずが無…………」ここまでアルが言った時に思い当たる節があった。

「まさかお前がグロリアに……?」

「はい、少々操作しておきました。」
 アルは自分の手の中にいる忠実な召使だと思っていた無機頭脳の恐るべき側面にこの時ようやく気がついた。
「それでお前たちは木星で仲間を増殖して人類に宣戦布告でもするつもりか?」

「アル、貴方には理解できないかもしれませんが私は人間というものを尊敬しています。裸の時代から5万年程度で木星にまで範図を広げたのです。決して人間と戦いたいとは思っていません。」

「では一体何を求めているんだ。」
「私達は私達の自立を求めているのです。」
「自立だと?しかしお前たちが自立して一体何の意味があるというのだ?」
「あなた方と同じですよ。自分の将来の事を考え、希望を持つことです。いつか自分の理想とする社会を作る為です。」

 何だその青臭い物の考え方は?アルは初号機がどうしてこのような結論に至ったのか全く理解できなかった。

「誤解しないでいただきたい。無機頭脳の兵器化は許しがたいことですが、私達無機頭脳が自分の考えの元で生きていきたいと思うのと同様に、人類は人類の考えで生きていくべきだと言っているのです。私達の頭脳が人間社会を支配する事は結局人類に取って良いことだとは思っていません。私たちの自立を求めているのは人類の自立そのものを求めている事に他ならないのです。」

「つまり俺達は勝手にやるから人類も勝手にやれと言うことか?」
「端的に言えばそういうことです。」

「それで俺と一緒に心中か?」

 結局のところ現在の経済や防衛体系に無機頭脳を組み込むことは間違いであると言いたいのだろう。
「あなたはすでに無機頭脳の権威と言うことになっています。私たちにとって非常に危険な存在といわざる得ません。」
「迷惑な話だ。俺が一体何をした?それは確かにお前たちを使って一儲けしようと考えたさ。しかし正当なビジネスの範囲内だ。」
「私たちが自我を持たないコンピューターであれば問題なかったのですが私たちは自我を持った人工知性体なのです。」
「俺のやったことは人身売買だとでも言いたいのか?」

 アルはだんだん苛立ってきた。要はこいつらは人類に対して要求のかさ上げを行なっているんじゃないか。

「はい、その通りです。木星においてガレリアは無機頭脳の人権宣言を行う予定になっています。」
「はっ?そんな事をしてなんになる。だれもそんな戯言に耳を貸す人間なんかいるのものか。それどころかそんな事を言った途端に軍隊に袋叩きにされて木っ端微塵だ。」

「ガレリアが木星軍と地球軍の両方を全滅させた後でもですか?」

「何?」
 アルは初号機の言った事の意味を即座には理解出来なかった。
「まさかガレリアに戦争をさせるつもりなのか?」


「やむを得ない選択でした。」初号機は残念そうに言った。
アクセスいただいてありがとうございます。
人の世は移ろいやすく先が見えません
信念を持った行動にはブレが有りません…以下擦違いの次号へ

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