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半幼馴染のくまおくんと桐子ちゃん  作者: しゃろんぱ


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謝罪と告白 12

次の日、二度目に目を覚ましたときにはかなり日が高くなっていた。おじさんとおばさんは出かけてしまったようで、桐子しか家にいない。かなり動揺した。


何事もなかったかのようにふるまい、ご飯を作って世話をしてくれる桐子を見ていると罪悪感がどんどんとこみあげてくる。


シンガポールに引っ越すことになるかもと聞いたときには(後で考えたら、桐子はシンガポールに行く、とは一言も言っていないことに気が付いたけれど)、焦るあまり、謝罪と一緒に訳の分からない告白も自分の口からこぼれてしまい、こんなはずではなかった、もっとロマンチックに思い出に残るような愛の告白をするするつもりだったのに、と情けなくなった。一人で落ち込んでいると、


「私も、拓海君のこと大好き。ずっと好きだった。」


と震える声で桐子が言った。


天にも昇る、とはこんな気持ちのことなのか。あまりにも嬉しくて、興奮して桐子を抱きしめそうになったけれど、何とか踏みとどまる。同じ間違いを起こしてはダメだ。


「桐子とちゃんと付き合いたいと思ってる。デートしたい。風邪がよくなったら、僕とデートしてください。」


ふーっと長い息を吐いて桐子を見たら、泣いている。桐子を泣かせた。とびっくりしていたら、


「嬉しい、今までの人生の中で一番うれしい。大学に合格しても、拓海君と付き合えることの方が絶対に嬉しいと思う。」


なんだかとてもかわいいことを言う。桐子は僕を喜ばせるのがすごく上手だ。舞い上がって、大気圏外に飛ばされて戻ってこられなくなる。危ない。


『抱きしめてキスしたい。でも、風邪が移ったらいけないから、我慢、我慢。』昨日の夜のことは一応棚に上げておく。


「おじさんとおばさんが帰ってきたらちゃんと報告する。桐子とお付き合いすることになりましたって。」


とりあえず、布団に戻って横にならないと、と桐子に強く勧められ、体を休めることになった。だるかった体も少し痛かった頭も全然気にならない位ご機嫌になってしまって浮かれているという自覚がある。桐子は昨日の夜と同じように布団のすぐ横に座椅子を寄せて僕の隣にいてくれた。


「拓海君、早く良くなってね。デートに行くの、すごく楽しみ。夢見たい。」


布団の中で悶えてしまった。明日、体調が悪くてもデートに行きたい!!


***********


おじさんとおばさんが一日デートから帰ってきて、僕と桐子の様子を見て、話をする前に二人にばれた。おばさんは嬉しそうに、もう一晩念のために泊まっていくように勧めてくれたが、おじさんは帰宅するほうが絶対にいいと頑張った。


もちろん、おばさんが勝った。


ありがとう、おばさん。


その夜、おじさんが甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれたので桐子との時間は全くなかったけれど。おじさんは客間からほとんど出なかった。そして、そのまま部屋の隅で布団にくるまって眠った。


必然、後日おじさんは風邪をひいて、おばさんに甘えることになった。


*******


僕の風邪が治って、おじさんの風邪も治って、父が出張から帰ってきたため、恒例の夕食会を岡本家で行う事になった。その時におじさんとおばさんがシンガポールに行って、第一志望に見事合格した桐子はこのまま日本に残ることに決まったことを話した。


父が、


「桐子ちゃんの大学はうちから通える距離だし、良かったらうちに居候する?大学に入ったら一人暮らしを始めたいっていうのもわかるけど、最初から一人になるよりは岡本さんも安心でしょう。」


と提案した。そういえば、父には桐子と付き合い始めた事になったとまだ言ってなかった。


僕と桐子は何となく互いを見つめ合って、たぶん、僕はかなりのキラキラビームを発していたのでは、と思う。うちの父さん最高!!最強!!


桐子のお父さんはかなり焦って


「水沢さん、それはちょっと。いや、それはダメでしょ。」


僕の方にかなり厳しい視線を向ける。


「そんなことはないですよ。うちの息子も私も散々お世話になってきたんだから。岡本さんたちには本当に感謝してるんです。拓海とちゃんと話をすることが出来るようになったのだって、あなたたち家族のおかげだと思ってます。桐子ちゃんは本当の娘のように大事にします。恩返しみたいなものだと思ってくださったら。」


と父はにこにこと笑いながら岡本のおじさんに言う。


仕方ない。僕はおじさんに助け舟を出す。


「父さん、僕桐子に告白して付き合う事になったんだ。まだ、学生だから、結婚とかすぐにはできないけどそういう将来をきちんと考えて真剣に付き合っていきたいと思ってる。僕たちのことを知ってるから、岡本のおじさん、一緒に住む、というのに少し抵抗があるんだよ。」


父さんは、びっくりした顔をして、あ、そういう事だったんだ、と口をパクパクさせて、自分がたった今言ったことに違う意味合いの思いを見出して考える。


「家に帰って話そう。」


というと、なんとなく、その話は打ち切りになった。


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