35-2 余韻_確かな転機
## 余韻パート
第二部 レッド派の会合
同じ頃、水晶会館の奥。
レッド派の重鎮たちは一堂に会し、準決勝の結果を受けた議論を重ねていた。
「ナナシィを推すべきだ」
「いや、まだ若い。決勝で敗れれば派閥の顔が潰れる」
意見は割れ、慎重派は最後まで頑なだった。
庶民の声など儚い熱狂にすぎぬ――そう切り捨てる者もいた。
だが、そこに差し入れが届いた。
翠玉茶を練り込んだフィナンシェと、翡翠色に透き通る蜜羊羹。
庶民がこぞって献上した品だという。
ひと口かじれば、心に翡翠の香りが広がる蜜羊羹。
庶民がこぞって献上した品だという。
ひと口かじれば、心に翡翠の香りが広がる。
頑なだった重鎮も、沈黙し、視線を伏せる。
外から届く庶民の歓声――「ナナシィ!」の大合唱が、窓越しに響いてきた。
「……ここまで来れば、もはや彼女を切り捨てることはできぬ」
「庶民の熱狂は、一時のものではない。これは潮流だ」
議場に、確かな転機が訪れた。
翠玉茶の香気と庶民の声援が、重鎮たちの心を揺さぶり、ついに「ナナシィ支持」が公式の議題として台に上がったのである。




