22-2 食の市場を歩く ~ 後編
茶屋の庶民たち
「いやぁ、見事だったなぁ。剣と竿を合わせたセイラス殿でも勝てんとは」
「裏切り者って言うけどよ……あの人だって、事情があったんだろうさ」
「でも最後に笑ったのはナナシィ嬢だ。庶民はやっぱり強い方を応援するんだ」
茶屋の長椅子に座る労働者たちが、湯気立つ湯呑みを片手に熱く語り合う。
果物市場のざわめき
「おいおい! 今日の桃は“翡翠玉”のように輝いてるぜ!」
「ちょっと待てよ。翡翠玉って緑色じゃねーか」
「めでたいんだから、水を差すなよ。
店主。この桃を1パックおくれ!」
「ありがとうございます。さぁ、ご利用ご利用!!!」
「ナナシィ嬢にあやかって、翡翠桃って呼んじゃおうか!」
桃や葡萄の香りと笑い声が果物屋を中心に通りいっぱいに広がっていった。
酒場の乾杯
「英雄に乾杯だ!」
木製ジョッキを掲げ、酒場の客たちが一斉に声を合わせた。
「裏切りの騎士を越えた娘に、もう一度!」
「乾杯!」
酒場の窓からは、夜空にまで響く歓声があふれ出した。 そして“クマちゃん”は、テーブルに突っ伏して酔い潰れていた。




