22-1 食の市場を歩く ~ 前編
# 食の市場を歩く
試合の興奮は収まらない。
大通りも裏通りも、魚や香辛料の匂いが立ちこめる屋台がずらりと並び、客の声と商人の呼び声で沸き立っていた。
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魚屋の呼び込み
「見たかい! ナナシィ嬢が釣り上げたあの大魚! 今日は特大サイズの鯉が半額だよ!」
「ほらほら! この鱗の輝き、英雄の証みたいだろ!」
氷の上に並ぶ魚を指差して、魚屋の主人が叫ぶ。
客たちは笑いながら財布を取り出し、包丁の音がカンカンと鳴り響いた。
屋台の料理人
香ばしい匂いを漂わせる串焼き屋台では、主人が威勢よく声を張る。
「赤の旗に乾杯だ! ナナシィ嬢の勝利記念、鱒の串焼き一本サービスだ!」
「裏切り者を倒した娘に倣って、骨までしゃぶり尽くせ!」
炭火で焼ける音に歓声が混ざり、子どもたちが熱々の串を頬張る。大人はジョッキに継がれたビールで乾杯!!
それらのテーブル席の一つに、マスコットのような“クマちゃん”がお耳を真っ赤にしながら、串焼きを旨そうに食べていた。




