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幻想崩壊
大暦1256年
多数の魔法国家が興っては、消えていった。動乱の最中であっても、その七名は羨望され崇拝された。
神へ上り詰めた七の英雄を。
即ち――七神。
千里卿ハインカストル
精霊剣聖バーテミウス
魔皇ゲーテ
光の森のフローリアス
無尽の円環――正体不明――
星の聖女 フォルトゥナ
黒霧の龍神 パウリナ
ある国はその力を求め、ある国はその肉体を求め、ある者はその愛を欲した。そして幾多の屍の上に、神は座している。
世界の均衡がそれらによって保たれ、世界の安寧はそれらによって守られる。
大暦1314年
その一角が崩れ落ちる。