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Part2:初衝突

ざっ…


黒羽が振り向いた。

「…!?」

「えっ…?どうしたの…?」


私が振り返ると、一歩後ろを歩いていたリンも振り向いた。そこにはあの不審者男がいた。

「リン…さっき言ってた不審者だよあれ…」

「どちら様で?ストーカーとは良い度胸ですね。あっそれとも…中学生相手に恐喝のつもりでした?どちらにせよ、容赦はしませんけど。」


皮肉を交えながらの常識外れな発言。まさにリンって感じだけど…。


ーーこんな場面で、相手を挑発しようだなんて!馬鹿じゃないの…?


「残念、金は目的じゃないんだよな。」


リンが耳打ちした。

「2人とも、囲まれてる。足音が聞こえた。」

「みたい…だね。ここじゃ逃げれそうもないし…。今あれ使える?」

「…使うしかないな。」


「"火牛猛進(かぎゅうもうしん)"」


前見た通りの突進。もちろん余裕で避ける。斜め後ろから声がした。不審者男と同じ橙髪と橙眼。でも、こっちは私たちより若いみたい…中1くらいかな?


「そっか〜あの牛は簡単に避けられたか〜。じゃっこれは避けられる?"牛飼いの鎖"」


鎖が出現して、飛んできた。当たったらひとたまりもないくらい重そうだ。狙いは私たち…じゃない!?じゃあどこを…。


鎖は、樹にぶつかって倒れていた不審者男(アルデバラン)に絡みついた。すると、鎖を引きずりながら再び動き出した。







遠くから声が聞こえた。

「アルシャイン、タラセド、オカブ。あれを狙って。」


何のことかと思っているうちに、3羽の鷲が飛んできて、リンを持ち上げた。

「痛って…もっと良え持ち上げ方はあらへんの?」

「リン...!?」


ーーいや鷲×3匹に引き上げられるって、巨体の癖してどれだけ軽いのよ…じゃなかった、早く助けなきゃ!


「"月蝕手榴弾(げっしょくしゅりゅうだん)"!」


考えるより先に口と体が動いて驚愕した。なんと、これまでに見たこともない、赤い光の球を放っていたのだ。


赤い球は鷲に当たって炸裂した。鷲は驚いてリンを落として逃げ去った。

「熱っ!?...痛っ!?」







「あっそういえばまだ一人、働いていない奴がいたね。そろそろ"頃合い"かな?」

「はいはい。"百獣の王"」

「ようやく、か。これでこそお前だ、獅子男(レグルス)。さぁ、地獄の始まりだ!」


ーーうわっ人間とライオンの中間みたいなやつがやってきたんだけど…。まぁそれを言うなら私も猫との中間だけどさ…。


鎖と獅子男の連撃、そのたびに横に後ろに避けていく。私たち3人の(※物理的な)距離は縮まっていき…。


ついに、背中にぶつかる感触。振り向くと、黒羽とリンとお互いに背中合わせになっていた。

「くっ…3人相手に寄ってたかって…卑怯にも程があるだろ…。」

「…数も戦法のうちやで。ほら、中国兵法にもあるっしょ?」

「こんな状況で何を呑気に…!」

「…せやからって、諦めるわけにゃいかんやろがい!背水の陣…いや、背友の陣や…!」


ーーあっ…鎖がこっちに来る…もう避けられない…!


「さぁ、反転攻勢やで!"残像火花"ぁ!」


リンが刀を振るうと、一部が弾のように分離して飛んでいった。その光の斬撃が、見事なまでに鎖を断ち切った。


「"(シャドー)(クロー)"…?」


黒羽の指先に黒い光の爪が出現した。すると、黒羽はすぐに獅子男(レグルス)に飛びかかった。

「2人に危害を加えようとする奴らは…!」


ーーあれっ…?圧倒的不利なのに動じてすらいない。まさか、奥の手が…?


「"獅子の咆哮"」


体が一瞬硬直した。ちょっと離れた私はすぐに解けたけど、目の前で咆哮を受けた黒羽はやっぱり…。


ーー危ないっ!


「"月光の創造矢"」


矢が出現して、獅子男(レグルス)の方に命中した。と同時に黒羽の硬直も解けたようだった。


ーーまたも無意識のうちに声を…しかも知らない言葉を…!どういうこと?







「みんな、撤収だ!」


空から声がして、咄嗟に上を向いてしまった。まさか、空を人が飛んでいるだなんて。

「今だっ!」


ゴッ…


誰に殴られたかは分からない。けど、少なくとも、確かに私は宙を舞っていた。


「いてて…。」

「るな、大丈夫か⁉︎」

「うん…それより2人は…?」

「大丈夫。リンが追撃しようとしてたけど、何とか止めたから。」

「それは良かった…。」


少し離れた街灯の下で、緑髪の少女が立って叫んでいた。さっきまでは見なかった顔だ。

「"五穀の恩恵"。回復した人から逃げてください。」

「ありがとうスピカ、助かった。」

「さっさと行ってください。邪魔です。」


ーー辛辣(しんらつ)な子だなぁ…。


そう思っているうちに、意識が薄れていった。いつしか私は、眠りに落ちていた。







翌朝。目を覚ますと、黒羽とリンが私の顔を覗いていた。


ーー私の部屋…運んでくれたんだ…。重くなかったかな…。


私の心を見透かしたかのように、黒羽が答えた。

「重くなんてなかったからな。」

「ふふっ…顔に出るタイプなんだね。」


ーー笑うなんて失礼な。でも良いや、助けてくれたのに免じて、良しとしよう。


…あれ?昨日の戦闘中に何か大切なことに気付いたはずなのに…。







数時間後。リンは無事、飛行機の中でぐっすり眠っていたそう。

戦闘シーンって、大変ですね。

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