Part1:初対面な再会
8月のある日、東京にて。リンはアメリカへの短期留学のため、集合場所の東京駅に向かっていた。けれど、リンは品川で新幹線を降り、乗り換えて東京駅から離れていった。…ある目的のために。
そう、郊外に住んでいる私たちに会いにきたのだ。短期留学の集合時刻は実は翌日で、家族には
「前日に東京に行く。新幹線で寝るし、飛行機でも寝れるから宿は要らない」
と言ってきたらしい。
そして、とある駅の前で待ち合わせしていた私たちは、実は初対面。今までは"オンライン"と言っても通話ばかりで、お互いの顔を映したことは一度たりとも無かったのだ。性格的にみんな"顔出し"というのが苦手なのだから、仕方ない。
待ち合わせ時刻を30分くらい過ぎた頃、ようやくリンを見つけることができた。場所と服装を伝えてからは、思ったより早く出会うことができた。
「あっ君たちが黒羽とるな…かな?」
「うん!」
ーーリンって…こんなに背が高かったの⁉︎そんでもってスリム…羨ましいっ!あと、目が大きくてまつ毛も長い…!これは『日本人アニメ化現象』の前かららしいけど…男だと分かっても嫉妬しちゃうっ!
「やっぱ東京も暑いねぇ…。異常な暑さは東海だけかと思ってたよ…。」
「夏はどこも暑いさ。」
「荷物を置くついでに私の家で涼む?」
「…そうしようか。暑いもんな。」
その夜。私の家に荷物を預けたリンを連れ、3人で近所の大きな公園に来ていた。雨上がりで人は少なく、広く暗い敷地には3人しかいない…そう思っていた。
黒羽が振り向いた。
「ん?なんか見られてるような…。」
***アルタイル(新登場)視点***
偵察に行っていたスピカが帰ってきた。本当に影の薄い子だ。まぁ僕も大概だけど。
「ほんっといつも神出鬼没だねぇ…スピカ。」
「年上に対して失礼じゃないですか、アークトゥルスさん?」
「序列16位が何を言うんだ。この中じゃ俺が一番序列が高いんだよ?早く生まれたことしか取り柄のない人が…」
「やめなさい。序列はどうあれ、今回は私が司令官なんですよ。『デネブ、今回の案件は君に任せる』って言ったのは他でもない『シリウス先輩』さんなんですからね。」
揉めあっているこの3人が、アークトゥルス、スピカ、デネブだ。そしてその横でオロオロしているのがレグルスで、僕の横でそれを軽蔑した目で見ているのが、定期的に女体化する呪いを持ったアルデバランだ。今回の戦闘任務は僕含め6人で行うことになった。
アルデバランが僕に耳打ちをした。
「このままじゃ埒が開かない。スピカを呼んで。」
僕が普段から鷲に対してよくやるハンドサインをすると、スピカが反応してくれた。
「どうしたんですか、アルタイルさん?」
「偵察ありがとう。今日は偵察の子を連れてきてなくてごめんね、君に任せっきりになっちゃった。で、結局どうだったの?」
「標的はこの公園に長居をするようです。ただ…。」
「ただ?」
「想定外なことに、もう1人いるんですよ。それも、報告にあった名古屋の子と特徴が一致していました。」
デネブが振り向いた。いつのまにか喧嘩は収まっていたみたいだ。
「だからどうした?むしろ3人まとめて潰す好機じゃないか。」
「さぁ、行きますか。」




