第99話 『元』操者?
「……操者なのかい?」
「『元』だけどね」
「へー……。なんの操者だったの?」
「言う必要ないよ。もう違うんだし」
「気になるんだよね。それに、ゼルロ様にもお伝えしなきゃいけないし」
「ああ、ゼルロか。確かにお前たち操者にとっては大事なことだね。でも、報告されても困るんだよね。あいつ、私が死んだと思ってるし」
二人が会話してるときに、俺はルイナとセトオギロを見る。
二人ともまだ驚いて、動けない状態みたいだ。
そもそもこいつら、まだムルノのこの姿を見たことなさそうだし。
俺もだ下手にムルノと一緒に戦わないほうがいいな。
ムルノの能力も知らねぇし、逆に俺が足手まといになるかもしれないし。
「ご主人様! ご主人様は、あの『花』の操者とこいつ、どっちと戦いたい?」
急に話が俺に来た……。
「別にどっちでもいいけど……」
「うーん……。ご主人様はどっちが楽? 『花』のやつは動きが独特で意味わかんないし、こっちはこっちで面倒くさそうだけど」
「じゃあ……、ラーサと戦う……」
「こいつ? わかった。じゃあルイナとセトオギロは『花』のほうをお願いね」
ムルノがこっちを見ながら話してた。
だから今、ムルノはラーサを見ていない。
その隙にラーサがムルノに殴りかかる。
その瞬間、ラーサの頭が消える。
頭がなくなったラーサは地面に倒れる。
すると、ラーサの身体が地面に沈んだ。
「ご主人様、こいつの能力知ってる?」
「ラーサの……?」
「今沈んだよね? 脳みそなくなったのに技って発動できるの?」
「それは知らないけど……。でも、地面の中に入ることはできるらしい」
……そういえばラーサって――
「――ボクの技で、ここにいるときは回復できるようになってる」
――地面の中にいる間は回復できるよな……?
実際に俺はそれで回復した。
でも、さすがにラーサも頭が消えたんだし……。
もう回復しないよな……?
「――わからないな」
俺たちからちょっと離れたところで、ラーサが地面からニュルって出てくる。
頭がちゃんとある。
「今の攻撃、結構効いた。それに、能力がわからない」
「だったらわからないまま死んじゃえば? ってか、そっちが勝手に向かってきたんでしょ? なに『なにもしてないのに攻撃された』みたいなこと言ってるの? ……ってか、ルイナとセトオギロも早く行きなよ? マユとキイラを助けてあげなよ?」
ルイナとセトオギロはまだ混乱してるみたいで、何が起こってるかわからない表情のままマユたちのほうに向かう。
「よし! この状況つくりたかったの! ご主人様と二人で戦える!」
そこで喜ぶ?
まぁ、ムルノの戦い方とか見てみたいし。




