第97話 ラーサと再会
「久しぶりだね、アシト」
目の前にいる男――ラーサがニヤリと笑って俺に言う。
なんでラーサの左手の甲に『地』なんて文字が……?
『地の操者』……?
いや、それはチルタだ。
ラーサじゃない。
それに、ラーサはトルアキナ族なんかじゃない。
「ずいぶん驚いてるみたいだね。……あ、そもそもボクのこと覚えてる?」
うん、覚えてる。
結構最初の方に別れだけど、覚えてる。
特に活躍しなかったけど、覚えてる。
――いや、活躍してた気がする。
学校でフィランと戦ったとき、こいつ地下から岩出してた気がする。
「アシトたち、どんどん操者を殺してるみたいだね。チルタにドララ、それにアリトールまで」
チルタが右の掌を俺たちに向ける。
何かくる。
俺は刀を構える。
「剣炎!」
俺の刀の刀身が炎になる。
俺の言葉を合図に、俺の下の地面からツララ状の岩が飛び出る。
俺は跳躍してそれを躱す。
すると、ルイナとセトオギロのところにもツララ状の岩が地面から突き出た。
二人ともそれを躱す。
ラーサに隙はあった。
斬りかかることくらいはできる。
でもなぜか斬りかかれない。
敵の技とかじゃない。
ルイナとセトオギロも同じようだ。
「ボクに攻撃してこないのかい? 隙くらい簡単に見つけられるだろ? それとも、ボクに攻撃できないのかな?」
挑発したラーサは、時面に沈む。
まるで、地面が水になったみたいだ。
……まずい……。
下から攻撃される。
向こうから俺たちのことは見えるけど、俺たちから向こうは見えない。
フィランと戦ったときに当たり前のように使ってたこの戦略、めちゃくちゃ強いじゃねぇかよ……。
俺たちは地面に足をつける。
その瞬間に、俺の下にある地面が割れる。
下を見てみると、底が見えなかった。
落ちたらヤバイやつだ……。
するとセトオギロが鎌で俺の左肩を刺す。
激痛が走ると同時に、俺は引っ張り上げられた。
「クッソ……、いってぇな……」
「しょうがねぇだろ……! これしかなかったんだから……」
「ああ、サンキュな」
セトオギロが俺から鎌を外す。
左肩に結構ダメージが……。
「おい、あいつ本当にラーサなのかよ……!」
セトオギロが顔から汗を地面に落としながら言う。
「そんなの知るかよ……。ただラーサだと思っていいみたいだな」
本当にヤバイ……。
また操者が二人も現れた……。




