第87話 セトオギロのところへ
セトオギロのところに……。
……でもセトオギロってどこにいるんだ?
操者の二人を離したのも、セトオギロだし。
あいつらどこ行ったんだ……?
「アシトさん……、セトオギロさんたちは……、向こうにいると……思います……」
息を切らしながら、俺の後ろを指差すマユ。
「セトオギロさんに……、『血』をつけておきました……。その『血』の位置で……、わかります……」
すげぇな、マユ。
血の位置でわかるんだ、あいつがどこにいるのか。
どんな技使ってるんだろう?
気になるな……。
いや、それより早くセトオギロのところへ……。
……いや、どうしよう……。
こいつらも連れていくか?
見た感じ、『自由に動ける』って感じの状態じゃなさそうだな。
連れていったら、逆に殺されちまうか?
じゃあこの場においていく?
それも危ない気がする。
もしここにまた新しい操者が来たら、こいつらが負ける確率は高い。
……俺がいても負けそうだけど。
ただのトルアキナ族とかタハくらいなら今のこいつらでも殺せそうだけど……。
……どうしよう……。
「アシト……早く行け……」
キイラが苦痛の表情をしながら俺に言う。
「ここは大丈夫だ……。それより早く……、セトオギロを……!」
……わかった。
じゃあ行ってやるよ。
俺はみんなに何も言わず、マユに言われた方向に向かって走った。
……!
見えた!
向こうに男とセトオギロがいる!
でも、あんまり喜べない状況だな……。
セトオギロはめっちゃ疲れた様子で、男は余裕そうに立っていた。
「腕炎!」
俺の両腕が燃える。
今刀を持てるほど力があるようには思えない。
だから素手で戦うしかない。
「あ、来たんだ」
男は俺に気づくとニヤリと笑う。
すると、視界が真っ暗になった。
これもあの男の技か……。
何も見えねぇ……。
これじゃ俺が来た意味がねぇじゃねぇかよ……!
『ここに来たってことは、ドララから逃げてきたのかな? それともドララを殺して、勝負がついたのかな? ……あれ? 他のお仲間さんはいないね。ドララとまだ戦闘中? それともドララに殺された?』
どこからか聞こえてくる男の声。
声が聞こえてくる方向を調べようとよく聞いてみたけど、なんか全方向から聞こえる気がする。
『ま、来たところでなんの意味もないよ? どうせ俺の闇のせいで見えないんだから』
……そうかよ……。
じゃあ『それが違う』ってことを思い知らせてやる……!




