第86話 爆発
女の動きが止まってしばらくしたあと、ルイナ力が抜けたかのように倒れる。
女の死体と重なるルイナ。
女は死んでも、俺たちの体内にある毒はなくならないみたいだ。
めっちゃ苦しい。
でも俺はルイナのところまで行く。
ルイナは息を切らしていて、まだ右頬に紋様があった。
セトオギロのとこに行く前に、もう少し休ませてやるか――
――?
なんだ……? この気配……。
女の死体から何か感じる。
なんか心臓が締め付けられる感じ……。
……なんかヤバイ……!
俺は苦しいのを耐えながら、ルイナの腕を掴んでルイナを引きずる。
ルイナを背負うことはできない。
そんな気力ない。
でも、少しでも早くこの女から離れないと……!
不思議そうな顔で俺を見るマユとキイラ。
『早くこの女から離れろ!』と言おうとした。
でも、それより早くに俺は光を感じた。
そして俺は吹っ飛ばされた。
熱風で。
俺は受け身をできず、倒れて転がる。
ルイナも俺と同じようになっていた。
そして光がやむ。
女の方を見ると、もうそこに女はいなかった。
ただ、炎があるだけ。
間違いない、爆発したんだ。
死んだら自爆する仕組みなのかわからないけど、女は爆発した。
これは、ゼルロってやつの意思か、それともこの女の意思か……?
……後者は考えにくいな。
この、最後に『死にたくない』みたいな感じを出していた。
そう思ってるやつが、自分の身体を爆発させるか?
そう思う、俺は。
ゼルロ……!
部下の死体を爆発させるのかよ……!
なんてやつだ……!
「……ドララが死んだな」
そうつぶやく一人の男――ゼルロ。
ゼルロは城の中にいて、床に背をつけて寝ていた。
「! 死んだ……! 死んだってどういうことだよ……!」
ゼルロの言葉に反応するのは、左手の甲に『炎』と刻まれた男――エレキ。
「聞こえなかったのかい? 『死んだ』っておっしゃってたよ」
エレキの言葉に反応する男。
その男は左手の甲に『地』と刻まれている。
そして、他の操者には右頬に紋様があるのだが、この男には紋様がなかった。
「あぁ? それは聞こえたよ。『どういう意味だ』ってことだ。ドララの毒に耐えたやつなんているのかよ……!」
「ドララは考えが甘い。即死ではなく、じわじわ傷つけるのが好きなやつだからな」
ゼルロはそう言い、起き上がる。
「やはりあの鬼――アシトはすごいな。流石キトナの子供だ」
「想像より酷いことになりそうだ」




