表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/306

第83話 本気出す

 「は? 何言ってんの? 本気出す? 笑わせないでよ。なんで今更そんなことする必要があるの? なんで抵抗してようとするの? ただ苦しむだけだよ」


 女はうんざりした表情でルイナを睨む。

 ルイナは余裕そうな表情。


 「『なんでここで本気出すのかわからない』? 今言ったじゃん。『取り返しがつかなくなるから』だよ」


 ルイナ……、何する気だ……?


 「アシトたちは動かないで。じゃないと巻き込んじゃうかもしれないから」


 ルイナは左手を前に出して、右手で左手首を掴む。

 するとルイナの周りの地面から、数本の赤黒いツララみたいなやつが出てくる。


 それはルイナを囲むみたいに出ていた。


 「流雨結晶(りゅうさめけっしょう)紅血固(こうけつがため)


 ルイナが言い終わる。

 その瞬間、ルイナの周りの空気に異変が起こった。


 竜巻みたいに、空気がねじれていく。

 俺は吐かないように口を抑えながら、ただその光景を見ている。

 みんなそうだった。

 マユもキイラも。


 女は無表情のまま、それを見ている。

 少しは警戒してるみたいだ。


 しばらくすると、竜巻がやんだ。


 ツララみたいなのはなくなっていて、ルイナが立っていた。

 でもいつものルイナじゃなさそうだ。


 手の爪が赤黒かった。


 俺の炎の色とは違う。

 ()の色だ。


 「……へー、意外とすごいじゃん」


 女はやっとニヤリと笑った。

 めっちゃ楽しそう。


 「私の毒とどっちが強いかね」

 「じゃあ比べてみよっか」


 女の上に赤黒く、細長いツララが数本現れる。

 それは女に超高速で向かう。


 女はそれを軽く躱し、ルイナに斬りかかる。


 ルイナは無表情のまま動かない。


 するとルイナの身体を覆うように、分厚くて大きい、赤黒い結晶が現れた。


 女の短刀がその結晶の当たる。

 けど、結晶はびくともしない。


 その瞬間、赤黒い結晶が紫色に染まる。

 すると、結晶が砂のように崩れる。


 毒か……。


 俺も戦いたいけど、下手に動かないほうがいい。

 しかも、ルイナにそう言われた。


 ただ黙って見てることしかできない。


 結晶が完全に崩れる。

 だけど、中にルイナはいない。


 女はそれを確認したあと、急いで振り向く。

 ルイナが赤黒く細長い結晶を、投げやりのように持ちながら女に高速で向かっていた。


 女は顔の前に手を動かす。


 ルイナの握っている結晶は、女の右腕に刺さった。


 そしてルイナは結晶から手を放し、女の顔面を蹴る。

 女は吹っ飛び、後ろにあった赤黒い結晶に当たる。


 ルイナは女の腹を殴る。


 女は口から血を吐いた。


 それでもルイナは女への攻撃をやめない。


 何度も殴りかかったり、蹴りかかったりしてる。

 女はそれを全部喰らう。


 でも、突然ルイナは女への攻撃をやめた。

 そして俺のところまで来た。


 「……もっと技、使うべきだったな……」


 ルイナはそんな独り言を言う。

 ルイナの両腕が、少しだけ紫色になっていた。


 「――あー、マジでムカつく……!」


 ルイナから解放された女は口の周りについてる血を拭き、俺のところにゆっくりと近づく。


 「ちょっと手加減しすぎた。やりたくなかったけど、マジで戦うわ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ