表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/307

第82話 毒解

 女の言葉を俺は聞き逃さなかった。


 『毒解』。

 どこかで聞いたことのある響きだ。







 「――地解!」






 ……思い出した。

 チルタだ。


 あいつ、そんなこと言ってた。

 それで紋様が消えて、強くなってた。


 ……じゃあヤバイじゃねぇかよ。

 今までもかなり強かったのに、今からもっと強くなるのかよ……。


 「どうしたの? かなり驚いてるみたいだけど」


 女は落ち着いた口調で言う。


 「……あ、見たことある? こういうの。……そういえばチルタと戦ったことあるんだっけ? チルタ、使ったんだ、これ」


 女は俺の顔を見ながら言う。

 さっきより余裕がありそうな顔してる。


 ……そりゃそうだな。

 絶対強くなってるもんな、あいつ。


 普通の状態でも苦戦してたのに、これじゃ確定で負けるじゃん……。


 「じゃ、早速喰らってもらうよ。……あ、あと私の毒、さっきよりも強くなってるから」


 じゃあもう俺戦えないじゃん。

 ルイナしか戦えないじゃん。


 その瞬間、また気分が悪くなった。

 めまいがして、吐き気がする。


 ……マジでこれ嫌だ。


 やっぱりルイナは全然苦しくなさそう。

 なんでルイナだけ?


 なんかずるくない?


 あの女、ルイナにだけ毒やってないっていうわけじゃないよね?


 「あーあ、かわいそうに。私の毒で死ぬなんて。チルタなら即死で苦しまなくてすんだのに。あと、私とアリトール、どうやって離したの? 早くアリトールのとこに戻りたいんだけど」


 そう言ってくる女に、ルイナはまた殴りかかる。

 女はルイナの拳を余裕の表情で躱し、ルイナの腹を殴る。


 ルイナは上に吹っ飛ぶ。


 女は跳躍してルイナのところまで行き、またルイナの腹を殴る。


 ルイナはすごい勢いで地面に落ちてきた。


 俺はまだ毒に慣れない。

 そもそも、この毒に慣れることができない気がする。


 苦しみを耐えながら戦うか?

 それだとルイナの足を引っ張ることになる。


 「初めてだよ。こんなに戦えたのは」


 女がルイナの隣に着地する。


 ルイナは急いで女から離れる。

 動き方的に、ルイナの脚の骨が折れてると思う。


 「あとさ、勘違いしてほしくないんだけど。チルタと私、同じくらいの強さだと思った? チルタ、最近これできるようになったんだよ? 確か……、『必殺技』とか言ってたっけ? 本当、変だよね」


 女はまたルイナに近づく。

 ルイナは動かない。


 「もう終わりだよ。おやすみ」


 女が言い終わったときだった。

 突然ルイナが微笑んだ。


 「やっぱりトルアキナ族も……ってか操者(オペラトルス)も必殺技、あるんだ」

 「だから、『必殺技』って言ってんのはチルタだけ。私はなんとも思ってない。……で、何が言いたいの?」

 「いや、やっはりみんな同じなんだなって」


 ルイナ?


 「私もあるよ。必殺技」


 ルイナは腰を低くした。

 よく見ると、口から血を流している。


 「じゃ、ここからは、お互い取り返しのつかないくらいになるくらい本気でやろっか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ