第64話 トルアキナ族化
「アシト……」
ルイナたちのところに高速移動して戻った。
でも起きているのはルイナだけだった。
セトオギロとマユは気絶している。
そして今気づいたけど、ルイナたちも傷が治っていた。
「ルイナ……」
「アシト、セトオギロくんたちを家に連れて行くよ。私がマユちゃんをやるから、セトオギロくんはお願いね」
母さんはそう言って、マユを背負った。
俺は言われた通り、セトオギロを背負う。
こいつ、意外と重い……。
鎌が重いんだと思うけど。
てかなんで鎌背負ったまま横になるんだよ。
置けよ、地面に。
「ルイナちゃんは、悪いけどついてきてくれる?」
「あ、はい」
母さんはそのまま高速移動する。
それに合わせて、ルイナも高速移動する。
俺はおいていくのかよ……。
俺も高速移動した。
「よし、ルイナちゃんにも話しとくね」
リビングで母さんとルイナと俺の三人が集まる。
セトオギロとマユはそれぞれの部屋で寝かせた。
「トルアキナ族化についてなんだけど、ルイナちなんは知ってる?」
「いえ……、初めて聞きました……」
そうだよな、俺も初めて聞いた。
――って、俺はこの世界に来たばっかだから知らなくて当たり前か。
……『来たばっか』ではないな。
「じゃあ二人に説明するね。そもそも、トルアキナ族ってもともとどんな存在だったかわかる?」
「どんな存在……?」
「うん、どこから生まれてきたのか」
「それは……、トルアキナ族の女の人の中で――」
「違う、もともとは私たちと同じような人だったの」
ルイナの声を遮って母さんが言う。
ルイナはかなり驚いているようだ。
……それと、『人』って言ったよね……母さん……。
『人』なんだ、俺たちって。
「どうなったらトルアキナ族になるのか、それは『トルアキナ族の血を体内に入れる』ことなの」
「血を……体内に入れる……?」
血を体内に入れる……。
……細胞かな?
自身の身体にトルアキナ族の細胞を入れることで、自身の細胞がトルアキナ族の細胞と結合し、トルアキナ族の細胞になるってことか……?
「トルアキナ族は生殖細胞を持ってない、だから子供は産めないの」
「そう……なんですか……」
「で、トルアキナ族化すると全体的に強くなるんだ。だからさ、トルアキナ族って強いでしょ?」
いや、そうでもないけどな。
俺の技とみんなが強すぎるせいでトルアキナ族が弱く見えるだけだよな?
「目的に近づくために、ルイナちゃんたちはトルアキナ族化をしなきゃいけないの。どうすればいいかわなる?」
「……はい」
「アシトは?」
「わかる。トルアキナ族の血を採ってくりゃいいんだろ?」
「うん。みんなが起きたら行ってきて」
行ってきてって……。
どこに行けばいいかくらい教えてよ……。




