第63話 トルアキナ族化
「なんなんだよ……これ……!」
俺は鏡を見つめる。
母さんはそんな俺を見つめる。
「まるでトルアキナ族だね」
「……なんだよ……!」
「なんでそうなったと思う?」
なんで……?
そんなの知らねぇよ……!
「ねぇ、知ってた? 誰でもトルアキナ族になれるんだよ」
誰でも……?
どういうことだ……?
「『トルアキナ族化』したの、アシトは」
トルアキナ族化……?
どういうことだ……?
「トルアキナ族は誰でもなれる。じゃあどうやってなるのか。わかる?」
待ってくれ……頭が追いつかない……。
「『操者の血が体内に入ること』。それが条件。アシトさ、チルタの血とか飲んだ?」
血が体内に入る……?
そんなアニメみたいな設定……。
ってか、チルタの血なんか飲んだ覚えないぞ……?
体内に入ったって―――
―――いや、チルタの手に血とか付着してたか……?
チルタは俺の腹を殴り、俺を貫通した。
それで傷口からチルタの血が入ったのか……?
「覚えはある?」
「ああ……ってか、どうすれば消えるんだ? この紋様」
「さあ?」
ええ……母さんも知らないの……?
ってことはもとに戻る方法ないってこと……?
「多分こうすれば治るよ」
母さんが言う。
治るよって……治る方法あるんだ……。
振り返ると、母さんが爪で俺の頬を裂く。
結構痛い。
血が飛び散ると同時に、俺の視界に鏡が入った。
もう頬に紋様はない。
ただ血が垂れているだけだ。
「よし、治ったね。紋様は」
すげぇ……母さんの爪で消えた……。
だけど結構痛い。
「どうだった? トルアキナ族化して。強くなった自覚はある?」
「自覚……。まぁ、強くなったとは思ってたけど……」
「苦しくなかった?」
「苦しいっていうか……めっちゃ熱かった……」
うん、確かに熱かった。
痛くはなかった。
「そうか……そのくらいだったら耐えれるよね?」
え……?
いや、結構熱かったよ……?
耐えるって……。
母さんってこんなキャラだっけ……?
母さんの意外な一面を知れた……。
「ルイナちゃんたちはできるの? トルアキナ族化」
「えっと……俺の前ではしてなかった……」
「じゃあ『本当はできる』って可能性はある?」
「まぁ……」
でもみんなの反応からして、それはないと思うけどな……。
みんな俺がトルアキナ族化して驚いてたし……。
いや、『実はアシトもできた』ってことで驚いてるのか……?
……考えても仕方ねぇな。
「母さん、とりあえずルイナたちのところに戻らないか?」
「そうだね」
俺と母さんはその場から高速移動した。
やっと投稿日だー!




