第62話 怖がってるよ
勝った……?
チルタは……消えた……?
じゃあ勝ったんだ……。
でも……体力がもたない……。
脚に力が入らなくなってきた。
ヤバい……。
俺は倒れそうになる。
俺の身体が落ち、赤い液体に近づく。
その瞬間、俺の視界から赤い液体が消えた。
いや、あったもの全てが消えた。
その代わり、緑色の地面が現れた。
草だ。
そこに落ちた。
意外と痛くない。
「お疲れ、アシト」
母さんの声が上からする。
でも身体が動かない。
「ルイナちゃんたちもいるよ。いつもなら助けてくれるよ」
そうか……。
確かに……なんか声かけてくれるか……。
「今のみんな、アシトのこと怖がってるよ」
怖がってる……?
なんで……?
「ほら、そろそろ完治するよ」
完治……?
……!
身体から痛みが消えた!
俺は急いで起き上がる。
確かに、向こう側にルイナたちがいた。
よかった……生きてたんだ……。
……って……あれ……?
あいつら……なんであんな目で見てるんだ……?
みんな……俺を怖がってる……?
めっちゃ怯えてる……?
「ちょっ、お前ら……どうした……? あ、俺、チルタ殺した―――」
「アシト!」
俺がルイナたちに近づこうとしたら、母さんが叫んだ。
「ついてきて」
母さんはそう言って、高速移動する。
俺は母さんについていった。
俺らは家についた。
しかも俺の部屋。
「自分、見てみて」
鏡の前で言う母さん。
俺は鏡の前に立ち、鏡を見た。
そこには、右頬に紋様があり、目から赤色の液体が流れている俺がいた。
「!」
とある建物の中。
左手の甲に『炎』と刻まれた男が何かを感じる。
その近くには『風』と刻まれた男―――フィランがいた。
「あいつ……チルタの野郎……死にやがった……!」
「……そうみたいだな」
フィランはため息をつき、自分の左手の甲を見る。
しばらく二人は何も喋らなかった。
そのときだった。
誰かが二人に近づく。
その人物を見て、二人は急に現れた者に警戒する。
「あ、キミたちが操者?」
その者は訊く。
「あぁ? 誰だテメェ」
「まずはボクの質問に答えてよ」
「……ああ、俺らは操者だ」
フィランが言い終わると同時に、現れた者はニヤリと笑う。
「そうか、やっぱりここにいると思ったよ。そこでさ、ちょっと相談があるんだ」
その者は笑いを止めることなく言う。
「ボクを地の操者にしてくれないかな―――」
「―――ボクはラーサ、よろしくね」
ここまで読んでくれてありがとうございます!
さて、チルタ戦も終わり、ラーサも敵のところに行きました!
……ラーサのこと覚えてますか……?
それより! これでいわゆる『第1クール』を終わらせていただきます。
これからネタの構成などを考えるので、しばらくこの作品は投稿することができません。
投稿再開は12月1日とさせていただきます。
ご協力よろしくお願いします。




