第61話 チルタ戦、終
俺は手から刀を放し、チルタの拳を止めようとする。
チルタは俺に当たる寸前に俺の目の前に岩を出す。
しかし、それはすぐ蒸発した。
チルタの手が俺の皮膚に当たった瞬間、チルタの腕から『シュー……』と音がする。
チルタは一瞬喘ぎ、俺から離れた。
チルタの手は真っ黒だった。
俺はチルタを追いかける。
チルタは地面に沈んだ。
どこ行った……?
一秒くらい待ったが、チルタが出てくる気配はない。
地面の下に隠れてるのか……。
なら―――
俺は地面に掌をのせる。
その瞬間、地面が蒸発した。
下は赤い液体だけになる。
チルタは俺の反対方向のところで俺を睨んでいた。
俺は再びチルタに向かう。
チルタは俺から逃げるように離れる。
逃がすかよ……。
俺の方がスピードは速いから、すぐにチルタに追いついた。
そして俺はチルタの顔面を殴ろうとした。
「この俺が負けるかよ!」
チルタが叫ぶと、チルタから激しい風が出る。
俺はそれに吹っ飛ばされた。
でも板のような炎が俺の足元に現れ、俺を止めてくれた。
「最初に言ったろ! 『必殺技を会得できた』って!」
……何する気だ……?
「地操・潰岩血石!」
……。……? 特に変化ねぇじゃん……。
……? ……! なんだこれ……!
身体の中が……!
胸が痛くなる。
すると、俺の胸から岩が突き出る。
ギリギリ心臓の横だ。
そう安心してたら、今度は脚、腕から岩が突き出る。
身体の中で岩ができてる……!
クソ……なんでこの岩は蒸発しないんだよ……。
「やっぱり俺の勝ちじゃねぇかよ! 焦らせやがって!」
チルタは俺を見て笑う。
調子に乗りやがって……。
「……お前、勝った気でいるみたいだけどさ、お前の負だぜ?」
「は、はぁ? 何言ってるんだよ! お前の身体から岩が出てるんだぞ! お前は―――」
「仲間がいたからできない技があったんだ」
俺は痛みを無視して、意識を集中させる。
「黒発射炎!」
辺り一面が黒い炎に包まれる。
約一秒後に炎が消えた。
前には片腕がないチルタがいた。
あいつ……耐えやがった……。
「そ、それがお前の必殺技か……!」
チルタは俺に掌を向ける。
すると、俺の頭から岩が突き出る。
これは痛い……。
脳にダメージが……。
ヤバい……フラフラする……。
チルタは俺を見て無理に笑い、俺に殴りかかる。
動けねぇ……クソ……躱せねぇ……。
……いや、動け!
じゃなきゃ俺が死ぬ!
俺もチルタを殴ろうとして、二人の拳がぶつかる形になった。
チルタの拳が俺の拳に当たっているが、チルタの拳は蒸発していない。
もう俺の体力がないんだ。
「ハハハ! もう蒸発できないみたいだな!」
チルタは力を強くする。
力を入れろ……!
絶対に勝て……!
「うわあああぁぁぁ!」
俺は叫ぶ。
するとチルタが煙と化し、蒸発した。
チルタ戦が終わったー!




