第56話 マユの覚醒?
「なんだよ、まだ来るのかよ……」
チルタはうんざりそうに俺の顔を見る。
そして、掌を俺に向けた。
なんかヤバそうだから一応避けれるようにしておこう。
予想通り、氷柱状の岩がチルタの目の前に現れる。
それが俺に超高速で向かう。
こいつ、芸がねぇな……。
同じ技ばっか使ってやがる。
俺は岩を躱し、チルタに近づく。
そいつは今、完全に無防備だ。
斬ることは……できる……!
俺は剣炎を使っている方の刀でチルタの腕を斬る。
チルタの右腕が落ちる―――
「―――残念だったな」
チルタが右腕で俺の首を掴む。
そして力を強くする。
なんでだ……?
なんで……右腕が……?
ヤバイ……骨が……砕ける……!
「……!」
チルタが急に俺を放す。
そして振り返った。
俺は倒れ、チルタを見る。
マユがチルタに斬りかかっていた。
しかも何回も。
「忘れてたぜ、お前のこと。持ち帰ってやるよ、ハナの―――」
「それ以上言うな!」
マユが叫ぶ。
すると、上に何かが現れる。
黒色の竜……?
その竜は口を開ける。
すると、口の中から赤色の光がもれる。
……待って……これヤバイやつじゃね……?
今の俺じゃ立てないし……。
クソ……どうすればいいんだよ……!
「……アシト!」
誰かが俺の肩を支え、立たせる。
ルイナだ。
でもルイナも立つのがやっとみたいで、ふらついている。
「早く逃げるぞ!」
今度はセトオギロの声。
セトオギロが俺とルイナを抱えてこの場から離れる。
それと同時に、俺らがいた場所が赤い色の光に包まれる。
そして爆発した。
あそこに残ってたらヤバかったな……。
煙が晴れる。
肝心のチルタは無傷のように見える。
そしてマユも斬りかかっていた。
あの竜は消えている。
「ったく、無茶なことしやがる……」
セトオギロが俺とルイナを抱えたまま言う。
危うく俺も死ぬところだったな……。
それと、ここからどうしよう……。
体力はそんなに残ってないし、何もすることがない……。
「……アシト、ここからどうする?」
ルイナが訊いてくる。
それを今考えてるんだよ……。
『アシト、ヤバいみたいだね』
よかった……母さんだ……。
「あ、ああ……結構ヤバい」
「? アシト、お前誰に話してんだよ?」
? セトオギロとルイナには聞こえないのか?
俺だけか……。
『アシト、死なないでね』
「ああ。でも同じ技ばっか使ってるし、そこまで強そうじゃない」
『いや、結構ヤバいよ?』
「そうか? 確かにさっきはヤバかったけど……」
『? さっき? 何言ってるの?』
……へ?
『私はね、マユちゃんのことについて話してるんだよ?』
「は?」
『マユちゃん、暴走しそうだよ?』
確かにマユは強くなってるような気がするけど……。
そんなヤバいのか?
今週は我が多忙なため、投稿できません。本当にすみません!




