第54話 似てる
「……お前……似てる……」
チルタとかいうやつはそうつぶやく。
俺は敵の隙を探るが、どこにも隙はない。
「そこの竜女。お前、どこかで会ったことあるか?」
「……いえ、あなたのような人に会った覚えはありません」
ただのチルタの勘違い……。
マユが嘘をついたようには思えないし……。
「いや、どこかで嗅いだような気がするんだよな……。……! 思い出した! ハナだ!」
チルタが言った瞬間、マユの周りの気圧が変わった。
なんか重々しくなった。
「お前、ハナと似てるにおいだ! なんだ、お前! ハナの親戚か!」
「ハナなんてやつ知らねぇよ!」
チルタの上からセトオギロが鎌で斬りかかる。
チルタは地面の中に沈んだ。
そして、俺の真後ろに出てきた。
……これに似たような技、どこかで見たことある気がする……。
そんな事を考えていたら、俺はチルタの蹴りを躱せなかった。
俺は吹っ飛び、マグマみたいなやつに落ちる寸前で止まった。
「体術なら私も得意よ!」
ルイナがチルタに殴りかかる。
チルタはそれを躱し、ルイナは何度もチルタに殴りかかる。
セトオギロもちゃっかり参戦しちゃってる。
その間、マユは一歩も動かなかった。
あいつ……大丈夫かな……?
よし、俺も参戦するか!
そう思って走ろうとした――――
そしたら地面が傾いた。
いや、俺の立ってるとろが坂になった。
バランスを崩し、転ぶ。
……って、こんな冷静になってる場合じゃないだろ……。
俺はマグマに落ちそうになる。
……これ、マグマだよね……?
待って待ってヤバいヤバい!
マジで落ちる!
セトオギロとマユは戦闘中、マユは一人でなんか突っ立ってる……。
ってことは誰も助けてくれないじゃん!
どうすればいいの!? この状況!
……! 思いついた!
マグマを蒸発させればいいんだ!
「剣炎!」
刀の刀身が炎になる。
……? あれ? さっき剣炎で刀身を炎にしなかったっけ?
俺が気を緩めるともとに戻るのかな……?
俺はマグマに炎を接触させる。
すると、マグマが蒸発した。
俺はそのまま落ちるが、マグマはもうない。
……でもめっちゃ熱い。
まさかマグマまで蒸発させるとは……俺の技すごすぎ……。
五万年の修行する前にもこの技使えてたし、やっぱり俺最強なのかな……?
そう思って横になっていた。
すると、俺の上から氷柱状の岩が現れる。
それは俺に向かって超高速で落ちてくる。
俺はギリギリで躱す。
あいつ……ルイナとセトオギロを相手にしてるのに、俺に攻撃できる暇があるのか……。
やっぱり、母さんの言うとおり用心しないとな……。




