第50話 いつも通り集まり
「いつも通り集まってくれてありがとう」
また母さんに朝早く集合させられた。
まだ空は暗い。
そしてめっちゃ眠い。
でもルイナ、セトオギロ、マユは全然眠そうじゃない。
むしろ元気……?
「昨日も言った通り、今日は私と戦ってもらうよ。前は一対一で戦ってもらったけど、今日は全員で一斉に来て。要するに、四対一ってこと。チームワークも大切でしょ?」
四対一か……。
確かにこっちの方が有利だ。
……でも俺の場合不利になるな……。
もし剣炎の刀身に誰かが当たったら、そいつは蒸発する。
絶対に使わないけど、黒発射炎は全員蒸発させるし……。
ってかだいたい、なんでそんなに強いんだよ。
普通『敵を燃やす』くらいの火力だよね?
なんで『蒸発させる』なの?
怖すぎるって……。
「言っておくけど――――」
母さんは自分の角を触る。
大丈夫かな……母さんの手が燃えないかな……?
「――――今回はちょっとだけ本気出すね」
その瞬間、俺が後ろに吹っ飛んだ。
次の瞬間には俺の腹に激痛。
その一秒後に気づいたのは、母さんが俺を殴ったってこと。
なんでだろう……頭の中ではめっちゃ冷静なのに、腹がめっちゃ痛い。
奇跡的にみぞおちに当たってないから、苦しくはない。
俺は地面に足をつき、母さんのところまで高速で移動する。
ちょうどマユが殴られていた。
女の子相手に……母さん……容赦しないんだ……。
ルイナはここにいないけど、どこいったのかな……?
母さんに暴力ふられたのかな……?
……あれ? 『暴力をふる』って表現あってる?
国語の勉強もしておけばよかった……。
「地火烈炎!」
母さんの立っているところが燃える。
母さんは跳躍してそれを躱した。
よし、これで母さんは動けない。
今がチャンスだ。
俺も跳躍する。
「腕炎!」
俺の両腕が燃える。
久しぶりに使った気がする……この技……。
ついでにいっぱい使っちゃえ。
「仮炎・一炎!」
俺の周囲の温度が高くなる。
そして、母さんの肌が赤くなる。
火傷してる。
「形炎・二炎!」
すると、母さんの身体が燃える。
緑色の炎だ。
「極炎・三炎!」
母さんについている炎が真っ黒になる。
次が最後。
母さんが死なないか怖いけど、やってみるか!
「死炎・終炎!」
俺の身体に信じられないくらいの疲労が襲いかかる。
その代わり、『技』は発動した。
一瞬で空が真っ赤になり、赤い雷のようなものが母さんに当たる。
母さんから煙が大量に出た。
俺が着地しようとすると、脚に力が入らなくて倒れた。
ヤバい……苦しい……。
この技はめっちゃ体力を使う。
でもそれに負けないくらい強い。
少なくとも、この順番で技を発動させれば。
「……アシ……ト……」
俺の後ろから母さんの声がする。
真っ黒になった母さんがいた。
「す、すご……いね……」
母さんは血を少し吐き、崩れるように倒れた。




