第48話 縛りプレイ
今回は修行だ。
剣炎で瞬殺するのじゃ、修行にならない。
見た感じ、この程度のトルアキナ族なら余裕で勝てそう。
……縛りプレイするか。
どんな縛りにしよう……。
……武器を使わない……?
うん、その縛りがいい。
今回は刀を使わないで戦おう。
『よそ見するとは、随分と余裕だな!』
だって余裕だもん。
……あ、ヤバい。
そんなことを考えてたら、敵の拳が俺の顔面に当たりそうになる。
この距離で躱せるかな……?
まぁ、やってみよう。
『何事も挑戦』っていうし。
俺は腰を低くする。
それと同時に、刀を手から放した。
超ギリギリで敵の拳を躱せた。
体術で戦うのか……。
そういえばルイナも体術で戦ってたな……。
『刀あると戦いにくい』って言ってたし、体術の方がやりやすいのか……?
俺はトルアキナ族の胸を殴ろうとする。
なぜか知らないけど、俺の拳が敵に当たり前に敵が叫ぶ。
……あ、俺の角が敵の顔面に刺さってる。
うわ、痛そうだな……。
こういうことに役に立つんだ……俺の角って……。
重いだけのものじゃなかった……。
敵はさらに叫ぶ。
うっさいから早く殺そっかな……。
そう思って顔を上げる。
すると、敵の顔面が燃えていた。
ちょうど俺の角が刺さったところだ。
敵は数秒喘いだあと、倒れる。
……強……俺の角……。
角に刺さったものは燃えるのかな……?
ってことはさ、着替えのときとかめっちゃ命懸けじゃん。
寝るときも。
服とかベッドとかに炎がついたら終わりじゃん……。
でも、これで一体は殺せた。
あと四体か。
捜しに行くか。
そう思って家から出た。
……でもどこから捜しに行こう……。
……そうだ。
俺はあることを思いついた。
それを実行するために息を思いっきり吸う。
「トルアキナ族さーん! ここに鬼がいますよー! 心臓を食べたいトルアキナ族さんは、ここに来てくださーい!」
……よし、あとは待つだけだ。
五分くらい経った。
誰も俺のところに来ない。
ここにトルアキナ族いないんじゃないか……?
叫んだだけ無駄じゃん。
もっと奥の方捜しに行こ……。
『アシト―! アシト以外のみんな、もうトルアキナ族五体殺したよー』
頭の中に母さんの声。
ってかみんなもう殺したの!?
早くない!?
みんな強すぎでしょ!
『さっさとアシトも殺しちゃってよー。まだ一体でしょ? みんなアシトがいないことに対して心配してるよー』
心配してるの……?
優しすぎでしょ! みんな!
早く俺も殺そ……。




