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第47話 崩れた村

 「ここだよ」


 母さんは声のトーンを下げて言う。

 母さんの目線の先は、村があった。


 でもその村はボロボロだった。

 建物の大半は壊れてるし、人の気配はない。


 しかも、血のにおいがする。

 っていうか……なんだろう……腐った肉のにおい。


 どっちにしろ、あまり長い間嗅ぎたくない。


 「ここも結構やられたね……」


 母さんはため息混じりに言った。

 

 「ここならいっぱいトルアキナ族いるよ。じゃあそれぞれさ、行ってみて」

 「行ってみてって……」

 「……あ、でも全員で行動するのはやめて。それじゃ意味ないから。……じゃあ……ここからスタートね」


 ここからスタート……?

 ここからって……それじゃ全員で行動になっちゃうんじゃ……。


 そのとき、俺の視界から母さんが消える。

 母さんだけじゃない。


 ルイナとセトオギロ、マユもいなくなってる。

 ても場所は変わってない。


 みんなどこにいるんだろう……。

 そのとき、俺の頭に『声』が響いた。


 『アシト、村の中心に向かって。でも、村の中心に行くには五体以上トルアキナ族を殺さないといけないから』


 母さんの声だ。


 村の中心か……。

 それと『トルアキナ族を五体殺さなきゃいけない』って言ったよな……?


 見た感じ行けそうだけどな、村の中心。

 やってみるか……。


 俺はその場から本気で走り出し、村の中心に向かう。

 なんだ近づけるじゃん――――


 そのとき、俺の目の前にあった景色が消える。

 その代わり、さっき見た景色が目の前に広がる。


 ここ……さっき俺が立ってた場所……。


 俺は止まる。


 ……なるほど……。

 五体殺さないと近づけないようになってるのか……。


 面白いこと考えるな、母さんも。


 俺は軽く笑い、村に向かった。





 ……本当に誰もいないな……。

 あるのは死体ばかりで、生きているものはない。


 そんなことを考えながら歩いていたら、(『ドンッ』と何かが倒れる音がする。

 隣りにある家から聞こえた。


 トルアキナ族かな……?


 俺は刀を抜き、家の中に入る。

 めっちゃ臭い。


 生ゴミの臭いがする。

 何かが腐った臭いだ。


 家の奥まで入ると、誰かが布団で寝ていた。

 右頬に紋様がある。


 トルアキナ族か……。


 俺はトルアキナ族が起きないように近づき、刀で斬ろうとした。


 そのとき、トルアキナ族はいきなり目を大きく開き、俺の斬撃を躱す。


 『引っかかったー! 俺が寝てるかと思ったか!』

 「ああ、呑気に寝てるかと思った」

 『なめられたもんだぜ! テメェ、鬼だろ? テメェの心臓を喰ってやるよ!』

 「できもしねぇこと言うなよ」


 俺が言い終わると、トルアキナ族は俺に殴りかかる。

 俺は刀を構えた。

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