第36話 軽い説明
「えっとね……。説明したいんだけど……」
母さんがなぜか俺の部屋に入ってきて言う。
今は夜。
『そろそろ寝よっかなー』って思ってたら母さんがドアをノックしてきた。
「説明……?」
「うん。まだこの世界のことよくわからないでしょ?」
「まぁ……」
確かに……全然知らないしな……。
普通の化け物ってなんて名前だっけ……?
『タ』から始まった気がする……。
「でしょ? だから説明しようと思って」
母さんが『俺の技』って本を開く。
「まず『タハ』ってわかる?」
あ、思い出した!
『タハ』だ!
「ああ、化け物だろ?」
「うーん……まぁそうだね……」
え……? ちょっと違うの……?
「じゃあトルアキナ族はわかる?」
「まぁ……なんとなくだけど……」
「じゃあ説明するね」
母さんが俺の隣に立つ。
「昔、生物を残酷に殺しまくる種族がいたの」
うん、これはルイナから聞いた。
……で、確かこのあと鬼の一族が何かするんだよな……?
「あるとき鬼の一族が、その種族に『生物を残酷に殺すのをやめろ』って言ったんだけど……その種族は言うことを聞かなかった」
……へー……。
「で、『交渉じゃ無理だ』って考えた鬼の一族は力を使ってその種族をとめることにしたの。もちろん、その種族もただで攻撃されるわけにはいかないから、鬼に反撃をした。それで戦争が始まったの」
マジかよ……。
「結果、鬼が勝った。でも鬼はその種族を全滅させないで、力を封印したの。もう二度と生物を殺せないように。その力を封じられた種族がトルアキナ族。でね、最近トルアキナ族がその封印を解こうとしてるの」
……だから色々と暴れてるのかな?
「その封印を解くには、『鬼の血』が必要なの。だから私とアシトを狙ってる。あいつらは目的のためならどんな手段でもとるから、気をつけてね」
鬼の血……?
俺らの血か……。
「操者のことについては、詳しくはみんながいるところで話すから。おやすみ」
母さんが笑顔で言って、部屋から出る。
鬼の血か……。
俺の血飲まれるのか……。
そう思ってたらムルノが俺の膝に乗ってくる。
かわいい……けど……。
俺……寝たいんだけど……。




