第31話 生活する場所
「あいつはね、操者っていって、トルアキナ族の中でも特に強い十三人なの」
母さんが俺らに言う。
あのあと母さんがルイナとセトオギロをリビングに入れた。
それで三十分くらいみんな何も言わなかった。
二人とも親とか死んで精神安定してないし……。
……そういえば俺の父さんってどこにいるんだ……?
会ったことないし……。オペラトルスとかいうやつが『恨むならお前の親父だ』とか言ってたし……。
父さん……何かやらかしたのか……?
「みんなのところに現れた操者はさ、手に文字が書いてあったよね? なんて文字だった?」
「……えっと……確か……『風』だった気がします……」
「……フィランか……」
母さんがつぶやく。
そういえばあいつも自分のこと『フィラン』って言ってた気がする。
「母さん……わかるのか……?」
「うん、アシトも知ってるでしょ?」
……あれれ? 僕そんなこと知らないよ〜?
ママー、そんなこと教えてもらってないよ〜?
……ふざけてる場合じゃない……。
どうしよう……。
「忘れちゃった?」
「あ、ああ! 忘れた!」
……ヤベ……演技力ねぇじゃん……。
「……まぁ……アシトも色々あったもんね」
おお、母さん優しい!
「……で、そいつらは私とアシトを殺そうとしてるの。多分あいつはアシトがもう死んでると思ってるからしばらくは襲ってこないと思うけど……」
へー、しばらくしたら俺また襲われるのか……。
転生していいことばかりじゃないな……。
死にたくないし……アニメとかである『修行』とかしなきゃいけないのかな……?
マジでまだ死にたくない……。
「『アシトと関わる』って選択肢を選んだ時点で、二人とも操者に狙われる可能性は高い。他の村で生活してもその村が襲われる。一番いいと思うのはこの家に住むことなんだけど……どう……?」
この家に住む……?
そんなこの家広くな……いや、広いな……。
「……アシトと生活できるのか?」
セトオギロが母さんに言う。
「うん……そうなるけど……」
「よし、俺はここで生活する」
セトオギロ……そんな簡単に生活する場所決めていいのか……?
「……じゃあ私も……アシトたちと……」
ルイナ……お前まで……。
ってか男の家にそんな簡単に生活するのか……?
「……わかった……。悪いんだけど、明日私と戦ってほしいんだけど」
……母さん……?
戦う……? 修行……?
「これから操者が襲ってくるから、みんなの力がどれくらいかを知りたい」
うわ……漫画とかでよくある展開になってきた……。
『ラーサとかいうやつはどこ行った?』と思った方、大丈夫です。我はラーサとかいうやつの存在を忘れてません




