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第306話 終向決戦復讐編 〜1〜

 「……アシトさん……?」


 目の前から突然消えたアシトの姿をさがすマユとハナだが、どこにもその姿はない。

 アシトが消えたこと以外に、他の異変があった。

 景色が変わったことだ。


 緑色の地平線が広がっているだけだった。


 「お姉ちゃん……ここ……」

 「嫌な予感がするね。いつ来てもおかしくないから、構えといてね」


 マユは2本のナイフをそれぞれの手に逆手に握り、ハナは刀を抜いた。


 「――久しぶりだなぁ」


 二人の後ろから聞こえる声。


 振り向くと、そこには左手の甲に『風』と刻まれた男――フィランが立っていた。


 その男を目にした瞬間、一つ一つの細胞が震えたのをマユは感じた。


 『殺せ』

 『今ここで息の根を止めろ』

 『絶対に生かすな』

 それらの細胞がそう叫んでいるような感覚も覚える。


 この男が、自分の――ハナからもらった翼を抉った。

 この男のせいで、ハナからもらったものを失った。

 そして永久的に取り戻すことはできなくなった。


 全身が震えているのが、自分でもわかった。


 「ハナ、お前やっぱ裏切ったのか」

 「フィラン……」


 マユとは対照的に、ハナは恐怖に満ちた表情になる。

 ハナはこの男がどれほどの力を持っているか知っている。

 そして、自分はその男を裏切ったのだ。


 「だったら殺すしかないな、敵になったんなら」


 フィランに刀を構えるが、どうしても震えてしまう。

 その震えはマユのものとは違った。


 「どうした? 震えてるぞ? まさか、怖いのかぁ?」

 「私は……!」

 「ハナ、教えてあげるよ」


 マユの震えが止まる。

 そして手を前に出した。


 「こいつが、私の――お姉ちゃんの翼を壊したやつだよ。ハナからもらった大切な翼を、壊したやつだよ」

 「そういえばお前の翼、『風』で抉ったことあるなぁ。忘れてたぜ」

 「……よくもそんないけしゃあしゃあと物を言えますね」

 「俺にとっちゃどうでもいいからな。どうだ? 少しは強くなったか?」

 「あなたを殺せる程度には、強くなったつもりです」

 「そうかそうか、随分と自信満々だな。ゼルロ様からは聞いてるが、お前ら姉妹だったんだってな。だったら失敗したぜ。あのとき、お前は殺すべきだったな。翼だけじゃなくて、首を抉っておくべきだった。そしてその首をハナに見せるべきだったなぁ」


 表情を一瞬も変えず、いけしゃあしゃあとと喋るフィラン。


 それのせいか、マユとハナは落ち着きを取り戻せてきていた。


 「それじゃあ見せてみろよ。お前らの強さを」


 フィランは腰を低くし、攻撃態勢に入った。

 それと同時に、マユはフィランに斬りかかった。


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