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第297話 終向決戦邂逅編 〜3〜

 戦闘に参加するために、自らもムサーナに近づくムルノ。

 それを見てムサーナは目を細くした。


 「成長したね……」


 ムサーナはその表情のままそうつぶやき、ムルノの拳を躱す。

 その背後からはセトオギロが斬りかかっていた。


 巨大な鎌が、ムサーナの首を刈り取ろうとする。


 ムサーナは自らの首の前に刀を持っていき、その鎌を防ぐ。


 「甘いんだよ!」


 セトオギロは手に力を入れる。

 技を発動して、ムサーナの力を弱めるつもりだった。


 「――?」


 セトオギロの動きが止まる。


 技を発動できなかったからだ。

 発動できないというより、そもそも自分がどんな技を使えるかが頭に浮かばなかった。


 「あなたの技の記憶も、『無』にできるんだよ」


 ムサーナは素早く鎌から抜け出し、セトオギロの頭を掴んだ。

 そのままセトオギロを投げ飛ばす気だ。


 しかし、それを制したのはムルノだった。

 ムサーナの腕を掴み、そこに力を入れた。


 刹那――ムサーナのその腕――左腕の骨が折れた。


 突然襲ってっ来た激痛に耐え切れず、セトオギロを放す。


 ムサーナはすぐにわかった。

 今、なにが起こったのか。


 ムルノの能力で骨の密度を『無』にし、ムサーナの骨を脆くした。

 その状態故に、簡単に折れたのだ。


 「終わりじゃない!」


 今度はムルノがムサーナの頭を掴む。

 ムサーナはムルノの腹を押し、解放される。


 「……あーあ、嫌だな……、こんなの……」


 吹き飛んでいったムルノの方向を見ながらつぶやくムサーナ。

 そしてそこに歩み寄ろうとした。


 「――だから! 舐めんな!」


 ムサーナの足を掴むセトオギロ。

 そしてその足を鎌で刈り取ろうとした。


 危機感を覚えたムサーナは瞬時の判断で能力を使った。

 すると、セトオギロの握っている鎌が消えた。


 鎌の存在を『無』にしたのだった。


 それに驚いたセトオギロだったが、さらに驚くことが目の前で起こった。


 ムサーナが口から血を吐いたのだった。


 セトオギロもムルノも、ムサーナを攻撃したわけではない。


 今までの経験から、これは『能力の代償』と気づいたセトオギロは、一気に攻撃を仕掛ける。


 巨大な鎌を『無』にするほどの力。

 その代償はどれほどのものかセトオギロには理解ができなかったが、それでもかなりのものだということはわかった。


 ムサーナの腹を殴り飛ばす。


 代償を受け止めた現操者(オペラトルス)と、一人の死神の男と元操者(オペラトルス)との闘い。

 それはどちらが勝つか、誰も予想はできなかった。

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