表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
284/316

第284話 終向決戦児戯編 〜1〜

 「ここ……ゼルロじゃねぇな……」


 俺ならわかる。

 今から出てくるやつは、ゼルロじゃない。


 ゼルロより弱いことは確かだけど、それでも安心はできない。


 「――ようこそ! 僕の部屋へ!」


 後ろから聞こえる声。

 小さい子の声だ。


 俺たち3人は一斉に振り向いた。


 そこには、一人の少年がいた。

 小学生……くらいか……?


 手の甲に刻まれてる文字は『氷』。

 そして、腰に短刀をかけている。


 「んーっと……ゼルロ様、面白いチョイスするなー……。まさか、僕が鬼を倒せるなんて思わなかったよ。でも他の二人は弱そうだなー……。そこはハズレか。で、鬼さん! 名前は?」

 「……まず自分から名乗れ。他人に名前を聞くのはそれが最初だ」

 「あ、そっか。いやー、てっきりキトナってやつから僕のことを聞いてるかと思ったよ! ごめんね!」


 ……なんだこいつ……?

 なんでこんなに余裕そうな表情を浮かべてるんだ……?


 今まで戦ってきたやつも最初は確かに余裕そうだった。

 だけど、こいつはそいつらとは違う。


 『これから親に遊園地に連れて行ってもらう』、そんな感じに笑ってる。


 「僕はヒョウガ! 『氷』の操者(オペラトルス)だよ! じゃあ次は鬼さんだね! 名前は?」

 「……アシトだ」

 「うん、やっぱりね! キミがキトナだったらどうしようって思ってたけど、アシトで安心したよ! ま、どっちにしろ鬼だから強いことには変わらないと思うけど」

 「よく喋るな。戦いよりおしゃべりが好きか?」


 ……俺は気づいてる。

 今はフレンドリーに話してるけど、こいつが俺たちを殺そうとしている。


 「いやー、だって珍しいじゃん? 普段話せないやつと話せるなんて。なんてったって、『嫌われ者』、だもんね!」

 「…………」

 「それじゃ、そろそろ始めよっか!」

 「ちょっと待て。一つだけ訊きたいことがある」


 そう、ずっと気になってたことがある。

 最初はスカーに訊こうと思ったけど、あいつが喋ってくれるとは思わなかったから、今こいつに訊くことにした。


 「スカーは……いつからゼルロに敬語を使ってた?」


 これが一番の疑問点だった。

 あいつは最初、ゼルロに敬語なんて使ってなかった。


 『対等な仲間』、そんな感じだった。

 けれどこの前あいつと会ったとき、あいつはゼルロを尊敬してる口調だった。


 それがどうも気になる。


 「え? 最初からだよ? だってゼルロ様は神様だもん!」


 『最初から』……?

 あいつはスカーになにをしたんだ?


 「それじゃあ、ジュウカラっていう――」

 「『そろそろ始めよっか』って言ったよね?」


 ヒョウガが掌を向けてくる。


 その瞬間、俺の頭上に大きな氷柱が現れた。

 それは俺に向かって高速で落ちてくる。


 俺はそれを紙一重で躱したけど、やっと伝わった。


 ヒョウガが、今まで戦ったやつよりも強いということに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ