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第24話 フードの男

 翌日


 「キュー……」


 ムルノが俺の膝の上で気持ちよさそうに寝てる。

 なんか椅子に座って例の『俺の技』ってやつ読んでたらムルノが勝手に乗ってきた。


 かわいい……。

 てかムルノ、『キュー』って鳴くんだ。


 「アシト! マユちゃんが来てるよ!」


 一階から母さんの声。

 マユ……? なんで……?

 忘れ物かな? 昨日俺の家来たから。


 ちなみに今日は学校休みになった。

 トルアキナ族ってやつが攻めてきたからかな……?


 「ああ、今行く!」


 俺はムルノをベッドに置く。

 まだ寝てる。


 俺はそのまま一階まで行き、玄関まで行く。

 マユと母さんがいる。


 「……? ところで母さん、なんでマユの名前知ってるんだよ?」

 「昨日教えてもらった。それより何かマユちゃんと話しなよ」


 はい、話します。


 「あーと、マユ? どうした?」

 「あ、こんにちは。少しお話したいことがあって……。昨夜のことなんですが―――」





 「あのー、すいません」


 ドアから男の声。

 マユはとりあえずドアを開ける。


 そこにはフードを被った男がいた。

 顔はよく見えない。


 「この近くに『アシト』という人は住んでいませんか?」


 男はマユに訊く。

 マユは不審に思う。


 「『アシト』さんですか……?」

 「はい、鬼なんですが」

 「そうですか……。何か用件があるんですか?」

 「いや、特に。ご存知ないようですね。では」


 男は向きを変え、歩き出した。





 「……というわけで、何かあったのかと……」


 フード被った男……?

 俺が転生する前の俺の知り合いか?


 ……ごめん、ややこしいね。


 「……てか、よく不審に思ったな。俺だったら何も思わず教えるぞ」

 「その男から『邪気』を感じたので」


 また出てきたよ、この世界の専門用語。

 『ジャキ』って言った?


 「特に何もないようですね。一応用心しておいた方が良いと思います」

 「……そっか、わかった。用心する。ありがとな」

 「はい!」


 マユは満面の笑みを浮かべる。

 そして『失礼しました』って言って出ていった。


 「アシト、あなた何か変なことに首突っ込んでない?」


 マユが出ていったあと、母さんが俺に訊く。


 「変なこと……?」

 「うん、大丈夫ならそれでいいけど……」


 変なことやってるつもりはないし、大丈夫だと思うけど……。


 「キュー!」


 お、ムルノの声。

 振り向いた瞬間だった。


 ムルノが俺の顔面に向かって跳んできた。

 俺の顔面にムルノが当たり、俺は倒れる。


 「キュー! キュー!」


 うわ、なんか顔に水滴落ちてくるんだけど!

 ムルノ、トイレ我慢してたとか言わないでね!


 「! ムルノが泣いてる! アシト! あんた何したのよ!」


 母さんが怒鳴る。

 いや何もしてない!

 てかなんでムルノ泣いてるの!


 ……ムルノが泣いた理由。

 あとでわかった。

 俺が急にいなくなったかららしい。

 かわいいけど……!

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