第22話 トルアキナ族
「き、君たち!」
担任のタヌキ先生が俺たちに近づく。
「まさかトルアキナ族が来るとは……」
トルアキシ族……?
初めて聞いた言葉だ……
「それにしてもすごいね、君たちだけで倒せるとは」
「舐めすぎだ」
セトオギロが面倒くさそうに言う。
先生のこと嫌いなのかな……
「とりあえず、全員家に帰した方がいいと思いますけど……」
おおー、冷静な判断、マユ。
「そ、そうだね! みんなに行ってくる!」
「じゃあ俺たちは帰ってるぜ」
せ、セトオギロ……? 『俺たち』って……
「よし、じゃあ帰ろ!」
ルイナが俺の腕に抱きついて言う。
恋人かよ……
「行こうぜ」
セトオギロが歩き出す。
それに続いてマユ、ラーサも歩き出す。
「? アシト、どうしたの? 行かないの?」
俺が歩かないのを不思議に思ったルイナが俺に訊く。
新しい単語聞いたから戸惑ってるんです……
「えっと……トルアキナ族って何……?」
「あっ……と……。わからない……?」
「うん……」
「えっとね……。昔……って言っても二十何年前なんだけどね、生き物を残酷に殺す種族がいたんだ。それが『トルアキナ族』っていうの。それで、鬼の一族がトルアキナ族の力を封じたの。……で、それに怒ったトルアキナは復讐みたいに、もっと生き物殺してるんだ」
……なるほど。
確かに鬼である俺が知らないと結構やばいな。
「そのとき、一体の鬼がトルアキナ族に捕まって、操られたの。そしてその鬼はトルアキナ族みたいに生物を残酷に殺しまくって……」
……鬼が嫌われてる理由もわかった。
でも悪いのは鬼じゃなくね?
「まぁ、だいたいの鬼はもう死んじゃったけどね。その戦いで」
マジか……もしかしたら鬼の生き残りは俺と母さんしかいないのか……。
……いや、もう一体家族みたいなやついたよな?
キツネみたいなやつでかわいいやつ。
ヤバい……名前忘れた……
「……! ごめん! こんなことまで話して! きっと他の鬼の人たちもどこかで生きてるよ!」
ルイナ……優しいな……
でも『だいたいの鬼はもう死んじゃったけどね』って言った直後に言う言葉じゃないと思う。
「それよりもさ! 今日アシトの家行っていい?」
「あ、ああ……俺はいいけど……」
「おーい、お前ら何やってんだー」
セトオギロが向こうで言う。
早く行かねぇと。
「……あいつら、死にやがった……」
暗い城の中で一人の男がつぶやく。
「『俺らに任せろ』とか言った割には無様だな……。仕方ない、あいつらに任せるか」
その男は自分の右頬を触る。
その頬には紋様があった。
変な○○族ってやつが出てきましたよー。




