第15話 また現れた
結局俺らは帰ることになった。
あとから色々と来た先生たちが生徒に『すみやかに帰宅してください』って言った。
この世界ってさ、あのタハっていう化け物そこら辺にいるんだよね?
その割には『めっちゃヤバいやつが出た』みたいな感じになってたけど。
しかもさ、いつも通り……って言ってもまだ三日目だけど、ルイナと帰ってると思うじゃん?
確かにルイナと帰ってるけど……
セトオギロ、マユ、ラーサとも一緒に帰ってる。
「……アシト、俺気になるんだよね、お前の強さ」
唐突に言い出すセトオギロ。
強さって……
「鬼ってどれくらい強いか興味あるんだ。見せてくれねぇか?」
「ど、どうやって……?」
「あいつで」
セトオギロが親指で後ろを指す。
わかる? あのポーズだよ。
『表出ろよ』のポーズ!
俺が後ろを見ると、そこにはサルみたいなやつがいた。
全身が真っ青で、ちっちゃい目が八個あるから多分タハだろう。
「「!」」
マユとラーサがめっちゃ驚く。
ルイナは『面倒くさいな』って目してる。
「さ、見せてくれ」
いやいや、戦いなんて慣れてません。
多分一瞬で負けるぞ?
まぁ、そのときはみんながいるし大丈夫か。
この世界に慣れるためにも、戦闘を経験しておいたほうがいいな
……! んなこと考えてたらタハが俺に向かって走ってきてる。
近い近い!
俺は刀を抜こうとしたが、間に合わない。
クソ……なら……
俺はタハを蹴り上げる。
すると、タハから血が飛び散る。
蹴っただけなのにそんな血出る……?
「おー、蹴りで殺すか」
え、死んだの?
セトオギロがめっちゃ面白そうな目でタハを見てるけど、こいつ死んだの?
確かに動かないけど……
「す、すごい……」
マユが静かに言う。
ラーサは驚きすぎて声が出てないみたい。
「やっぱりアシトはすごいなー。私だったらもっとドッカンドッカンしてたよ」
ドッカンドッカン……
本当にルイナは面白いこと言うな……
「なぁ、どういう技使うんだ? 一回でいいから見てみてぇ」
……技……技……?
さっきセトオギロが使ってたやつか。
そんなの知らないんだけど……
「……あ、みんな! アシトのお母さんがつくるスープすっごく美味しいんだよ! 今度食べに行こうよ!」
ルイナがなぜかそんなことを言い出す。
人の家を店みたいに……
……あ、『人』じゃなくて『鬼』か。
「マジか、じゃあ今度行くわ。俺こっちだからじゃあな!」
セトオギロがとある方向を指しながら言う。
そしてその場から高速で走った。
「わ、私もあっちなので……さようなら」
今度はマユが言う。
そしてトコトコと歩いた。
「ボクも」
今度はラーサ。
なんでみんなさ、こんないきなり分かれるの?
「えー、じゃあ私も」
ルイナ……なんだよ、『私も』って……
俺はそう思いながら歩き出した。
やっぱりルイナ好きだな……




